年間BEST 2010

2010best

2010年 BEST SONG 10

第一位:NETWORKS / Ab-rah
第二位:Alcest / Percees De Lumiere
第三位:Oceansize / Oscar Acceptance Speech
第四位:Arcade Fire / The Suburbs
第五位:Jonsi / Go Do
第六位:Gold Panda / You
第七位:The Third Eye Foundation / If You Treat Us All Like Terrorists ~
第八位:Butterfly Explosion / Automatic
第九位:heaven in her arms / 螺旋形而蝶
第十位:七尾旅人 / どんどん季節は流れて

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NETWORKS / Ab-rah


2010年間BEST CD50

AS MEIAS II

第50位 AS MEIAS「AS MEIASⅡ」

沈黙を破る5年ぶり2枚目のミニアルバム。北欧のポリリズム破壊神・メシュガーを参照にして複雑な展開を持ちながら、歌とメロディの美味スパイスが抜群の味付けで、独特の叙情性と清涼感を有した形へと昇華。明確なメロディライン、エモーショナルな表現力はこのバンドならではの個性といえる。表面上のキャッチーさの強調と裏で蠢くテクニカルなサウンドをブレずに深く追及した快作。

ラテン

第49位 Holyfuck「Latin」

昨年のフジロックでの強烈なパフォーマンスが残っている、人力エレクトロ・ロック4人組の3rdアルバム。本作においてもエレクトロ : ロックの融合具合は見事なものだが、多様化したリズムといい、煌びやかな質感といい、精度の高さ・芸域の広さを感じさせる内容。スムーズに曲間を繋ぎながらこのグルーヴの強靭さ、プリミティヴなエネルギー、ダイナミズムをもたらし快楽性へと昇華している。独自のコスモ(宇宙)を創造する彼等の手腕はまだまだ底知れず、2011年のFoalsとの来日公演が楽しみになった次第。

Halcyon Digest

第48位 Deerhunter「Halcyon Digest」

インディ・ロックの新旗手であり、サイケ・ドリーム・ポップの新たな顔であるディアハンターの4枚目。作品を出すごとに甘美なうねりとポップネスが研磨されているのがよく分かる内容だが、ゆるサイケ・ギターに感傷的なメロディ、柔らかな歌声というデリケートな核によって夢見心地の感覚をもたらすのは相変わらず。程よくローファイでインディ臭を漂わせ、牧歌的なタッチによるノスタルジックな質感、シューゲイザー的アプローチを生かした奥行きのある空間創造といった繊細なサウンドスケープは個性的だなあ。そんなポップ・サイケデリアが現代に支持されているのも不思議ではない。

Black Masses

第47位 Electric Wizard「Black Masses」

極限のヘヴィネスを世界の廃人に向かって提示するドゥーム・ストーナーの最強生物Electric Wizardの7枚目。本作でも暗黒の儀式を経た呪術性、世界を支配するヘヴィさはさすがの粋だ。キメきってヨレヨレのVoに尋常じゃない重さでスローに攻めまくるギター/ベース/ドラムはボディブローのように効くし、脳味噌をかき乱す。加えて、70年代辺りのサイケ感も変わらず擁していて、微妙に聴きやすさも感じるために間口は広がったように思う。ただ、かつてのようなとんでもない激烈さや陶酔感を前作に続いて伴っていないのが評価が別れるところだろうなあ。

Shifting

第45位 At The Soundawn『Shifting』

イタリアのポストメタル5人組による2作目。静と動の対比を生かした曲作りを心情としつつも、Pelicanにも似た轟音風景、Neurosisに通ずる深遠さ、Kayo Dotのエクスペリメンタルな姿勢、レディオヘッドのような内省と実験精神までもが垣間見れて、非常に理知的で前衛的な音楽を奏でている。ポストメタルの新たな光となりそうな存在だ。ちなみにバンドのfacebookにて当サイトのレビューが紹介されていました。遠いイタリアにも私の文章は届くんだ感謝しております(意味はわからないだろうが)。

cella aldebaran ケルラ アルデバラン

第44位 pasteur『cella aldebaran』

京都発のプログレ系インストゥルメンタル・ロックバンドの初の全国流通となる3rd EP。フルート/サンプラー、ギター×2、ベース、ドラムという編成で幽玄かつ幾何学な世界を描くそのサウンドは、豊かなデザイン性と彩色を誇っていて、シーンに交わろうとしない個性を感じさせる。マスロックばりの鋭角的でスリリングな金属音の乱舞が耳をヒリヒリと差し、荘厳かつ美しいエレクトロニクス/サンプリング音が空間に幻想的な揺らぎをもたらし、儚げでメランコリックなメロが心を撫でるプログレ色の強いインスト・ロックが彼等の矜持。それは、まるで万華鏡のように複雑で美しいデザインを築き上げている。

PALE SILVER & SHINY GOLD

第43位 Sad Day For Puppets『Pale Silver And Shiny Gold』

輸入盤の恐いジャケット(左記のジャケは国内盤)とは裏腹な可愛らしさと力強さがにじみ出たシューゲイザー/オルタナ/スウェディッシュ・ポップのいいとこどりの2ndアルバム。よりエネルギッシュになったギターの炸裂ぶりは爽快だが、愛らしいポップネスと疾走感がやっぱり肝。瑞々しいまでのメロディには全身が惹かれるし、甘~いアンナのヴォーカルにコーラスが巧く重なり合っていく様、勢いがありながらも有機的な層をなす幻想的なサウンドは人々の感興を誘います。前作同様にハマる人は続出、そんな品質が保証された作品。 美しさと強さが良いコントラストとなってサウンドに表れている。国内盤は1stと2ndがセットになってオススメです。

Septembre Et Ses Dernieres Pensees

第42位 Les Discrets『Septembre Et Ses Dernieres Pensees』

2009年末にAlcestとスプリットを発売したことで話題を呼んだ3人組シューゲイザー・ブラックメタルバンドの初作。メタル成分は味付け程度でポストロックの方がイメージは強いのだが、作品全体には冷たくモノクロのトーンが通底している。透き通る美しさを誇るアルペジオ、温かなトレモロとベースライン、情感豊かに歌い上げるヴォーカルが部分部分に煌く宝石を散りばめながら、儚くノスタルジックな世界観を造形していく様はAlcest同様にジャンルを越えてファンを獲得できる可能性を秘めているように思う。物悲しくも優しく温かい包容力に不思議と惹かれる作品だ。

INFERNO(DVD付)【初回限定生産盤】

第41位 Creature Creature『Inferno』
   
DEAD ENDのカリスマ・ヴォーカリスト、MORRIEのプロジェクトの2作目。鉄壁の演奏陣を従えて築き上げたミステリアスかつダークな世界観は十分すぎる威光を放っている。20年ぶりのDEAD ENDの復活作と共振するように重厚で妖艶なサウンドで聴かせてくれるが、よりヴォーカルに焦点をあてた作り。とはいえ、ヘヴィなリフが黒い炎を上げ、アタックの強いリズム隊ががっちりとバンドサウンドを支えていて、煉獄巡り、そして天へと駆ける物語は、絶対的な指導者(MORRIE)のもとで、饒舌に聴き手を楽しませてくれる。

We've Been Talking

第40位 Enemies『We’ve Been Talking』 

アリルランド・ダブリン出身のインストゥルメンタル・ロック4人組の2作目。サウンドの大筋に変化はないが、メロディアス~豪胆なツインギターが小刻みに絡み合いながら音符を豊かに振りまき、主旋律に肉薄するグルーヴィなベース、小技も事細かにいれるドラムが互いに支えあいながら奏でられるエモーショナルなインストは感性のツボを突く作品であるように思う。構築の妙とメリハリの部分で冴えを見せ、全体的に滑らかかつシャープに引き締まった展開、リリカルな歌心が映えるメロディ、加熱するアンサンブルと成長を感じさせる内容。toeの山嵜氏に「激しく嫉妬する」と言わしめるエネミーズ、先々が楽しみな存在だ。

COYOTE

第39位 Kayo Dot『Coyote』

ボストンの大所帯エクスペリメンタルバンドの約2年ぶりの4thアルバム。本作は、バンドの後援者であり重い病気にかかり死の狭間にいる1人の女性に対して制作されたコンセプト作品にあたる。ハードコアの粗暴さとジャズ~エレクトロニカ~現代音楽に至るまでをエッセンスとして加えたエクスペリメンタルな作風はこれまで通り。影の側面を引き摺るようなタイトなバンド・サウンドに荘厳な弦楽器の揺らぎ、薄闇の空間を艶やかに乱舞する管楽器、丁寧で穏やかな歌が密に絡み合って独特の詩的な世界を紡ぎあげている。ジャズ・アヴァンロックの要素を強めながら、ダークな緊迫感や芸術的なアート感覚をまとって響く本作は壮絶なまでに胸が疼くスピリチュアルな逸品だ。

RAVO

第38位 Rovo『Ravo』
   
ライヴで鍛えに鍛えた楽曲で固められた9作目。もはや地球から宇宙へと心も体も解放していく人力ダンス・ロックとしての存在感は今さら言うまでもないだろう。ここにきて研ぎ澄まされた感覚が生きており、ギターの虹色のような泣き具合、リズムの多様性と強靭さ、その反復からもたらされる至福の昂揚感に支配される。全5曲10分オーヴァーながら、天へ天へと確実に昇り続けるこの展開と壮大さはやはり素晴らしいもので、出すごとに人々を確実に踊らされる彼等は頼もしいと改めて思った次第だ。

All Is Falling

第37位 James Blackshaw『All Is Falling』

若き12弦ギタリストによる9作目。本作から12弦エレキを用いての新境地を開拓しており、金属的な響きを強めたアルペジオにピアノ&ストリングスの荘厳ながらしっとりとした旋律のミニマリズムが主ではあるのだが、聴き手の創造力を無限に拡げていくこの感覚はやっぱり並じゃない。よりクラシックやドローンの曲調を強め、ストリングス等で効果的な演出を加えながら、スピリチュアルなインストを滋味深くデザインしている様子。静かだが強い引力をもった音に溺れると同時に、浮かび上がる神秘と荘厳のサウンドスケープは優しい陶酔感をもたらしてくれる。

Monument to Time End

第36位 Twilight『Monument To Time End』

USブラックメタルのオールスター・プロジェクトの実に5年ぶりとなる2ndフルアルバム(前作は未聴)。本作はザスターのマレフィックが不参加で、代わり(なのか?)にアイシスのアーロン・ターナー先生が正式に加入。前作では、鬱ブラックメタラー達のフィードバックによって魑魅魍魎に囲まれた闇の世界が創り上げられていたらしい。だが、メタリックな重厚さを伴ったリフで幕開けする本作は、厭世や呪詛の念が禍々しく広がっていく中で、時にメロウに、時に神秘のベールが包み込むという奇妙な美意識も貫かれた仕上がり。感触としては荒涼とした中に深遠さが垣間見れる。ブラックメタルらしい激狂パートから、アイシスのような展開を見せる曲まで披露し、深い闇の断層を築いているのだ。そんな本作は暗く荒れ果てた中にメロウな潤いを差し込ませ、新たな見地へと飛び立った1枚である。

 ビリオン・ヴォイシズ

 第35位 七尾旅人『billion voices』

アコギを片手に全国を駆け回る吟遊詩人の3年ぶりとなる5作目。アコギを基調とした弾き語りをメインに据えつつも、発想力を生かした音遊び・ユーモア・アイデアがふんだんに入り浸れた奥の深い作品に仕上がっている。ソウル・R&B、ヒップホップ、エレクトロといったジャンルを取り入れることで表面塗装と立体的な奥行きを広げていく自由度の高さ、丹念に選ばれた言葉の数々が綺麗な感情から重々しく痛々しい感情までを並列に並べながら喜怒哀楽を表現するセンス、素晴らしい限り。「Rollin’ Rollin’」「どんどん季節は流れて」という名曲を携えた本作は、個性の塊だということを雄弁に物語る1枚だ。

 After

 第34位 Ihsahn『After』

闇の帝王エンペラーの元フロントマン、イーサーンの約2年ぶりとなる3作目。スタイルとしてはOpethやCynic的なテクニカル・デスのような印象が個人的には強いが、劇的な緩急の妙がもたらす起伏の豊かさは絶えず耳を引き付けるし、静と動の落差を滑らかに接着するアレンジの凝り具合もさすがの領域だ。狂気・絶望の深度はブラック譲りだけある深さだし、神経に異物を刷り込むブルータルパートの黒い切れ味も威力十分。基盤は間違いなくブラックメタルだが、そこに重きを置きつつもプログレの構築性を強め、8弦ギターやフリーキーなサックスを導入して従来のサウンドと大胆に掛け合わせることで独特の芸術性が加味されている。彼の音楽はさらに先鋭的になっていて、凍てつく闇から儚く広大な情景までもを細やかに描写してしまう才覚には恐ろしさを感じるほど。狂気的でありながら耽美な芸術性をも同時に追求した見事な一枚である。

 Lost Trails

 第33位 Butterfly Explosion『Lost Trails』

同郷であるGod Is An Astronautのトルステン・キンセラの補助を経て完成した、アイルランドのネオシューゲイザー4人組の1stフルアルバム。ステンドグラスのような美しさとシューゲイザー・ファンにツボの幻想的なハーモニーが混じり合い、独特の麗しさと響きを持って世界中を陶酔させにかかっている逸品だ。聴き手に無垢の昂揚感を灯すメランコリックで幽玄な音色、麗しい叙情的なフレーズから驚くほどの音圧へと上昇するフィードバックまで轟かせるギター、曲に確かな輪郭と精微な躍動感を与えていくリズム隊、男性の囁きヴォーカルに女性コーラスの甘い響き、 それらが有機的に結合するサウンドスケープは心を優しく奪う魅力にあふれている。

 Blackjazz

 第32位 SHINING「Blackjazz」

Jaga Jazzistの異分子がついにここまできた!と思わせるノルウェーの神秘&狂気、SHININGの5作目。ジャズ×ブラックメタル×プログレ×アヴァン・ロック×インダストリアルの異種格闘戦の上で吐き出されるBlackjazzなるサウンドはまさしく激烈!!野性味あふれる衝動と圧倒的な構築力が寸分もエネルギーを損なうことなくダイレクトな衝撃となって聴き手を襲いかかる凄まじい1枚。ラストのクリムゾンのカヴァー曲”21th Century Schizoid Man”もキチガイじみた破壊力で驚かされる。各誌のランキング上位に選出されているのも納得の作品。

AUTORA

第31位 AUTORA『AUTORA』

関西のテクノ/エレクトロニカの重鎮2人が組んだユニットのデビュー作。きめ細かくデザインされた電子音の波によって世界紀行に出かけているような感覚に陥る作品だと思う。エレガントに彩られたエレクトロニカといった印象が聴いててまず浮かぶが、アンビエント/チルアウト風の落ち着きや独特の浮遊感が穏やかに作品を通底している。美しい煌めきとサイケデリックな光も放つ電子音に揺られ、ゆるやかなテンポに心地よく鼓動を弾ませ、さらにはヴォコーダによるロボット声も時に加えられることで異国の空気も感じる仕上がり。独特のエキゾチシズムと異国のムードを反映したサウンド・デザインがとにかく癖になる作品で、いい意味での抜け・脱力感もリスニング向けで大変よろしい。

Valley of Smoke

第30位 Intronaut『Valley of Smoke』

LAの激烈ポストメタルバンドの3作目。Cynicを思わすテクニカルデス/プログレシッヴ要素にISISの轟音波動と展開美を組み合わせたかのようなサウンドで畳みかける様は強烈だが、本作では殺傷力のある動パートと凪いだ叙情パートの緩急の精度が高まりを見せている。美と醜の対比にさらに大きな落差をつくることで冷やかな緊張感と鋭敏な刺激力がガツンと増した。鮮烈な赤と漆黒の黒が混じった1stを超えてはいないが、聴き進めるごとにインパクトを上塗りし、奥が深まっていくような感覚を持つ本作は、前進を確かに感じさせる一枚だろう。 凶悪でありながらも神秘的な薫りやコンセプチュアルな崇高さまで漂わせている。

Omni

第29位 Minus The Bear『Omni』

レーベル移籍しての第4作。その影響からか音楽がグッと洗練されていて、優しくソフトにデザインされたオーガニックでポップなサウンドが非常に印象に残る。ポスト・ハードコアの核は完全にポップの源泉へ。ニューウェイヴ風のエキスを色濃く抽出して、ポストロックを斬新に唄ものの中に溶け込ませた、しなやかで柔軟な音世界はインディ・ポップ・ロックの理想的レベルにまで引き上げられております。エレクトロリックな色合いを強め、重心の低いリズムが支えるミドル~スローな曲調と艶やかな唄で聴きやすさを追求。その唄と楽器がナチュラルにふれあうハーモニーからは、宝石のようなメロディと流麗な浮遊感がもたらされており、持ち前の美的センスで現代的な洗練が成されたことを物語る。ポップの中にユニークさと深遠さが垣間見れるつくりも素晴らしく、変態を重ねるブルックリン勢に対して、鮮やかに意義を唱えるかのようなインディ・ロックの魅力が詰まっている良作。

SEVEN IDIOTS

第28位 world’s end girlfriend『SEVEN IDIOTS』

約3年ぶりとなる6th。「Aメロ、Bメロ、サビという一般的な構成の曲を制作→そこからヴォーカルを排除→残った部分を破壊/再構築して作品が完成」という大胆な手法を取っていて、毒々しさと美しさが螺旋を描く奇跡的な物語を創造している。柔らかな電子音、荘厳で麗しいストリングス、優雅な管楽器の活躍。加えて、エイフェックス・ツインばりの無軌道なエディット&ビート、シガー・ロスを思わせる崇高さ、ディズニーのような耽美でファンタジックな音色が、複雑かつ有機的に絡み合いながら独創的な世界を構築している。さらに以前よりもエレキ・ギターが高らかに鳴り響いており、ロックも大胆にフィーチャー。生演奏のダイナミズムと凶暴なエレクトロニカの激突と調和、破壊と構築の繰り返し、逆転に次ぐ逆転、その選び抜かれた音・時間によって磨き上げられた音で構成された”美と醜のファンタジー”は圧倒的。

Self Preserved While the Bodies Float Up

第27位 Oceansize『Self Preserved While the Bodies Float Up』

UKマンチェスターのオルタナ/ネオ・プログレ/ポストロック5人組の4作目。ハードコアの文脈で語れそうな爆音攻撃の前半から、天空に祈りを捧げるように綴られていく後半の美しさが際立っており、彼等なりの洗練の先を示した実に見事な一枚だと感じる。星空の輝きをそのまま投下したかのような煌びやかさと美しさを纏ったサウンドは、すっと染み入るように鼓膜から胸に伝っていく。その叙情に溢れたメロディや歌にはとてもまろやかな味わいがあり、深く深く心酔していく作用もある。シガー・ロスの神秘性やEITSの劇的なドラマ性を内包、またEfの壮麗さまでもを手中に収め、プログレッシヴな構成力のもとでメロウかつ激しく物語を描写する巧さはさすがだ。聴き進めるごとに純化されていく壮大なる音絵巻は清らかともいうべき輝きを放っている。

Year Of No Light 'Ausserwelt'

第26位 Year of No Light『Ausserwelt』

3年の時を経て随分とモデルチェンジを図ったフランスのスラッジ/シューゲイザーの2作目。あの獣性に満ちた野太い絶叫が跡形も無く消えて、完全インストゥルメンタルの作品となっていて、壮絶なまでの美しさと重量感を伴った轟音の調べを有したNadjaのような作風にシフト。アンビエントの愉悦を覚え、シューゲイザーの恍惚感が増した。前作でのシューゲを内包したスラッジ/ドゥームから飛躍してアンビエント~ドローンの領域まで侵し始めていて、破壊的なヘヴィネスに覆いかぶさっていく耽美・陶酔のサウンドは彼等しか成しえないものとなっている。大地に淡々と降り注ぐ冷たい雪のようなアンビエントに、積もり積もった白銀の雪景色から引き起こされる雪崩のような轟音、それは美しさを纏いながらも一歩も二歩も他バンドを凌駕している印象だ。

1

第25位 Chaos Jockey『1』  

今年の山本精一のソロ作なら『Play Ground』なのかもしれないが、僕は完全にこっち派だ。幾多のバンドを渡り歩くドラマー・茶谷雅之とのノイズ・ダンス・デュオの結成10年目にして初のアルバム。SUNN O)))ばりに積み上げられたアンプの壁から次々と放射されるノイズ・ギターが荒々しく渦巻き、変幻自在・縦横無尽に暴れるドラムがドライヴ感とヘヴィネスを加味しながら茫洋としたノイズの波に輪郭を描く。尋常ではないノイズの極北を圧倒的なスピード感を伴って突き進む#1を始めとして、トランシーな状態を呼び起こすアヴァンギャルド・ノイズ・ロックが最高の興奮をもたらしてくれる。爆音と喧騒による凶悪な渦を才人たちの激突が理想的な発展を遂げた凄まじい作品。

Total Life Forever

第24位 Foals『Total Life Forever』

順位は低めだが、今年を語る上で外したくない1枚である。1stのマス・ロックの艶もみせた踊れるロックから、ロックの深き海源を求め始めたFoalsの2ndアルバム。緻密な構成力を生かしながら、細部にまで神経が行き渡らせて流麗かつ美しい音の波動を生んでいて、世界観はミステリアスな深みと美しさを増した。単音ギターの旋律やヤニスのあどけないヴォーカルに面影を残しつつも、丹念に紡がれる有機的なグルーヴ、静謐にデザインされたサウンド・メイキングの妙に成長を感じる。噛み砕くのに時間がかかる音楽であることは確かだが、深遠な引力を持った本作は、確実に深化と呼べるものだ。フジロックのライヴも最高で2011年の来日公演も大きく期待している。

still a Sigure virgin?

第23位 凛として時雨『still a sigure virgin?』

メジャーに移籍しても勢いは全く止まることなく加速し続けている時雨の4作目。本作も基本的な軸に全くブレはない。男女ハイトーンヴォーカルがキンキンと鼓膜を突き、極彩色に咲き乱れるギター、剛柔の表情豊かなベース、凄まじい狂騒のリード役であるテクニカル・ドラムの絶妙なアンサンブルが着実に地力をつけながら、破壊力に磨きをかけている。崩壊ギリギリの情感、生々しくも鮮やかな刺激を内包した複雑な構成の基で劇的にドライヴしていく楽曲は衝撃十分。ピアノとつぎはぎのイカレた音響エディットも導入されていて、彼等のセンスや演奏力はミクロレベルで研ぎ澄まされている印象だ。刹那を突き進む時の突進力/衝撃力、凪いだ時の叙情性、緩急の妙、キリギリの中で溢れだすエモーションなどなど華々しい音の衝突と調和による時雨劇場は、より一層の刺さり感を演出して魅惑の色を深めている。

Cosmogramma (WARPCD195)

第22位 Flying Lotus『Cosmogramma』

LAから宇宙まで拡散した悠久の奇天烈ビートに圧倒される逸品。骨格となっているのは前傾姿勢でつんのめるようなリズムと複雑怪奇にコラージュされる電子音、それが脳の内側から揺さぶるように鋭敏苛烈に迫り、心地よい快感と興奮をもたらす。トム・ヨークとのコラボということでも話題を集めたが、エレクトロニカやヒップホップを主体に、ジャズやファンク、それにダブやロックやクラシックに至るまでをボーダーレスに飲み込みながら、無限の広がりと展開を武器にして、壮大な空間を創り上げてしまっている。様々なタイプの電子音で彩りながら、時には神聖に、時には乱暴に、時にはミステリアスにと、千変万化の如し変相で全18曲を綴っていく。それはまるで凝縮と拡散を繰り返しながら、宇宙を拡張していくかのようだ。優雅に革命を起こしているかのようなこの魔法の時間に耽溺してしまう。聴き手の脳内宇宙に風穴を空ける電子音の夢。

Recitation

第21位 envy『Recitation』

世界をも揺るがす和製激情ハードコアの最高峰、envyの4年ぶり5枚目のフルアルバム。ISISに共振していくかのように、轟音と静寂のコントラストを生かしたポストメタルに傾倒していった近年から、過去のハードコア要素をスムーズに結合しており、希望の焔はこれまで以上に強く燃えたぎっている。切なく鳴らされるアルペジオは温かく響き、ポエトリーリーディングは鼓膜から優しく入って心の澱をほぐす。そして、ここぞ!で爆発する絶叫とバンド・アンサンブル、その一音一音の連鎖し、密なる結合が全てを一閃し圧する轟音は壮絶な感動を刻みこむ。人間の最も重々しい位置から始まり、ここまでの温かな表現力を開花させたそんな新たなenvyの一面が爆発したのが本作であり、悲壮・哀切の感情を崇高なる光で打ち消し、美しいメロディと轟音で聴く者を満たしていく。

 My Father Will Guide Me Up a Rope to the Sky

第20位 Swans『My Father Will Guide Me up a Rope to The Sky』

“Swans Are Not Dead” の高らかな宣言をしたオルタナティヴ・ゴッドの14年ぶりの復活作(ジャーボーはいません) 。予定調和の復活劇とか金儲けとかそういったダーティなイメージを覆す作品であり、悪魔がほほ笑むような不穏で重苦しい雰囲気と独特の深みを持ったこの復活作は紛れもなくスワンズ印の妖しい暗闇を湛えている。背筋を凍らせるほどの暗黒ミュージックをここまで容易に示すとはさすだ。男の哀愁で勝負するダーク・フォークから、圧殺のオルタナ・ロック、ラディカルな尖鋭性を見せつける実験的な曲、無へと還っていくようなアンビエントまで様々な形を作品が内包することで、底なしの深さと痛烈におぞましい情感をもたらしている。無二の感性は健在で、ネガティヴなフィーリングを発し続けるスワンズの闇は圧巻という他ない。

 星を見る

第19位 割礼『星を見る』

結成27年目を迎えた割礼の『セカイノマヒル』以来、実に約7年ぶりとなる待望のニューアルバム(通算6作目)。90年代からライヴで演奏されており、音源化が待ち望まれていたという15分に及ぶ大曲#1「リボンの騎士」からスタートする圧巻の内容で、矜持であるサイケデリック・ロックが全編で解禁。湿り気を帯びたサイケ・ギターが極端にスロウなリズムに共鳴して、ゆるやかな変相を遂げながら聴き手の意識をまさぐり、酩酊感を与えていく。時に挟まれる、 Vo.宍戸の哀愁がこぼれるかのようなナイーヴな唄ものもアクセントになっており、うねりのあるサウンドに溶け込む和の情緒が憂いの感情を孕んだダークな世界観に美しさをもたらしている。聴けば聴くほど深い霧の中に包み込まれていくのは自明だが、情感をうまいこと突く老獪な構成力も光る、恍惚と覚醒の一枚。

 As Grey As They Said

第18位 Carronte『As Grey As They Said』

スペイン・バルセロナを拠点に活動するアトモスフェリック・ポストメタル・バンド5人組の1stフル。聴いた感じ、”Red Sparowesの薫りを漂わせるRosetta”というイメージでポストメタル好きの琴線を確実に揺さぶってくる。広大な景色を轟音と静寂で塗り上げているアイシス以降を思わせるサウンドだが、トリプルギターの美麗で奥行きのある空間構築、それにキッチリと刻むリズム隊も頼もしく、時に強引なまでの牽引力で曲をリードする場面が垣間見れるところも心強い。とはいえ、時折、神秘にも似た世界が眼前に現れる中で挟まれるスラッジ的な激情が聴き手に昂揚を投げかける辺りが少し新鮮だ。スペインから出現したポストメタルの新星の堂々たるデビュー作!ちなみにギタリストの片割れは、雑誌・ワールドサッカーダイジェストの巻末コラム書いているヘスス・スアレス氏の息子らしい。

 WHAT'S MY NAME?(期間限定低価格盤)

 第17位 雅 -MIYAVI- 『WHAT’S MY NAME』

いつの間にか世界を股にかけて活躍しているサムライ・ギタリストが自ら再デビュー作と謳う新作。BOBO(54-71)と二人きりで作り上げ、最小の資源(唄、ギター、ドラムにちょっとキーボード)で血沸き肉踊るようなサウンドを生み出す事に成功。彼がこれまで培った多彩な資質(ロック、オルタナ、ファンク、ヒップホップ、ダンスミュージック)や経験を凝縮し、最小精鋭によって特有の音楽性を際立たせている印象だ。地を這うようなヘヴィネス、つんのめりな焦燥感、生々しいパッションの迸り、肉体を激しく揺らすグルーヴの渦、・・・etc。2人の火花散るギリギリの攻防がどの要素をとっても一級品にまで錬金している。音楽家としての飽くなき探究心が、シンプルながらもバラエティに富んだ、またリアルな衝動をもたらした渾身の作品だ。

 Blood of Heroes

 第16位 Blood Of Heroes『Blood Of Heroes』

Jesuのジャスティン先生とNYの凄腕ベーシスト兼プロデューサーのBill Laswell、それに二人のビートメイカーを加えた新プロジェクト。Jesuばりのダークで分厚いサウンドウォールを形成する中でリズム面が強調されていて、ドラムンベースやダブ・ステップ、それにソウルフルなラガ・ヴォーカルがリズミカルな快感をもたらしている。ドゥーム/インダストリアルの冷たい金属ビートからからシューゲイザーばりの轟音と神々しさまで纏っており、ジャンルを横断しながら、かなり実験性の高い音楽とリズムを志向していることが聴いているとよくわかる作品だ。ずっしりと重々しい音からシャープなキレのある鳴り、深みとダークネスを湛えたリズム、快楽的にも不穏にも作用するうねり、どれも独特の色を持っている。各々の鬼才による先鋭性と創造性が高い次元で融合しあった”メタル・ダブステップ”を体感せよ。

 We Were Exploding Anyway

 第15位 65daysofstatic『We Were Exploding Anyway』

約3年ぶりとなる4thフル。硬質なビートの強烈さといい、エレガントな装飾といい、かなりのクラブ・ダンス寄りのサウンドに最初は別バンドか!?という戸惑いは覚えるほどの変化を本作で遂げてきた。シーケンサーやシンセが鮮やかに彩る煌きの電子音をメインに据えており、トランシー&ダンサブルな昂揚感を高めた”ハイブリッド・ロック”ともいえそうな仕様で、確信犯的に刺激的で踊れる作品を創り上げてきた。煽情的なギターが控えめになったのに寂しさを覚えてしまうけど、豪快に暴れまわるドラミングとそこに絡みつく脅威のベースラインが生み出す半端ない苛烈なダイナミズムは本物。ロックらしいダイナミズムとダンス・ミュージックの快楽性を見事に同居させた新機軸は単純に気持ちよく、ただならぬ興奮と中毒性に体が嬉しい悲鳴を上げる。新機軸が今までになかった魅力を引き出している作品で、これまで彼等を例える上でついて回った“モグワイ+エイフェックス・ツイン”という形容を置き去りにする秀作だと思います。

 Determinism of Morality

 第14位 Rosetta『A Determinism Of Morality』

フィラデルフィアの宇宙をテーマにしたポストメタル・バンドの3作目。天文学/宇宙空間への興味・憧憬はさらに増したのか、本作は洗練の度合いが非常に進んでおり、繊細なギターやリズム隊のかもし出す浮遊感が強まっている。ポストメタル的なスケールの大きな空間描写の中で、ロマンティックで艶やかな風情や麗しさというものが静けさの中に感じられ、ふわっとした柔らかさなんかも強靭なグルーヴの中に落とし込まれている印象。壮麗なる美と威圧的な轟音が緻密に編みこまれながら、母たる大地と宇宙をリンクさせてしまうRosettaのスペース感覚はここにきてさらに極まってきている。新鮮な印象と美学の深まりの両方を聴き手に与える一枚だと思う。

 Lucky Shiner

 第13位 Gold Panda『Lucky Shiner』

日本にも在住歴があるUK人トラックメイカー/リミキサーの1stアルバム。インストのエレクトロニカでありながら非常に歌心を感じさせ、美しいサンプリングはセンチメンタルかつ温かく耳を包み込む。それにヒップホップ~ミニマル・テクノ~ダブステップを精微かつ巧みにブレンド、なおかつおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさに溢れている。無垢な煌きを持ったシンセと人懐っこいメロディの柔らかな反復がダンスミュージックの快楽と躍動感と混ざり合って形成されるとても自由で優雅な世界。それが本当に美しく、心地よい。美しいエレクトロニカ/ポスト・ダブステップの前にひたすら琴線をくすぐられては創り手の悪戯な遊び心に胸が弾む。ロマンもユーモアも兼ね備えた詩的なサウンドは、近年のテクノ・エレクトロニカと共振しながらも独自性と摩訶不思議な引力を持っている。

 Eve Lp [Analog]

 第12位 Ufomammut『Eve』

イタリアが生み出したハイパー・スペース・スラッジ/ドゥーム/ポストメタル3人組の5作目。震度8クラスの大地震を確実に引き起こすであろう凶悪で超重い大轟音に戦慄が走る。Electric Wizardをも脅かす激重リフと空間を圧す強力なリズムの鳴りが希望の無い宇宙へとずるずると引き摺っていくこの感覚、異様なまでに恐ろしい。徹底的に追求した激遅激重による地獄沼、個人的にはそんな言葉が浮かんでくる。圧の威力の半端なさ、妖気を存分に纏ったサイケデリック、摩訶不思議なスペース感覚、宇宙にも天国にも地獄にもいけそうな危険なトリップ感、どれもが凄まじいインパクトを残す。そこからは、Electric WizardとHawkwindを合体してさらに魔神化したなんて印象も浮かぶほど。押し寄せる超大な音の前に抗う事は決してできず、黒々しく破壊的なグルーヴに脳も身体も蝕まれて闇の彼方へ放り込まれてしまう。5曲約45分の凶悪な轟音による儀式で確実に圧殺される強力な作品。

 Go

 第11位 Jonsi「Go」

シガー・ロスのフロントマン、ヨンシーのソロ初作。静謐で澄んだ音色の連鎖からアイスランドの原風景ともいうべき壮大なる景色を描き出すシガー・ロスよりも、多幸感と色彩感に溢れた作風で、春が訪れ方のような温かさと命が芽吹くような強さが音に宿っているのが印象的。絶妙な華やぎを与えるストリングス、郷愁とファンタジーの翼を広げていく管楽器のざわめき、瑞々しさとハッピーな陽気を湛えたビート、中性的なファルセット・ヴォイスで楽曲の情緒を限りなく引き出すヨンシー、それらが無邪気に戯れながら有機的に強く結びついてシガー・ロスにも負けない桃源郷を形成している。『GO』という前向きな姿勢がもたらせた、エヴァーグリーンの景観に豊潤なイメージ、そして瑞々しい躍動感。その極彩色の福音が歓喜と祝祭の光が差す温かい時間に浸らしてくれる傑作。これ聴いてたらホントに妖精さんの国にいける。

 Pyramid of the Sun

 第10位 Maserati『Pyramid of the Sun』

名ドラマー、ジェリー・フュークスの死を乗り越えて完成したアセンズのインスト・バンドの4作目。本作でも3rd、スプリット盤から続く流れにあってグルーヴ感の強化、NEU!やマニュエル・ゲッチングやホークウィンドといったクラウトロックやサイケ/スペース/ミニマルの昇華、さらにはコズミック/プログレ色の強いディスコ・クラブ要素を煌めかせて、徹底的なアップグレードを図っている。ストイックなまでに美学を貫き、昇華させたサウンド・サケープは実に見事。強力すぎるリズム隊を軸とした圧倒的な牽引力に、シャープに研ぎ澄まされた美しいギターとシンセ・フレーズが交錯することで増幅していく音の力が、稀有なる深宇宙を描く。よりグルーヴィに、よりダンサブルに。生楽器と電子音の巧みな連携によって、エンドレスに沸々と増していく昂揚感と開放感は、マセラティというバンドの個性を十二分に物語っている。ジェリーの意志が乗り移ったラスト曲は地から天へ、天から宇宙へ、宇宙から無へと帰結していく名曲。

 Marrow of the Spirit

 第9位 Agalloch『Marrow of the Spirit』

USオレゴン州の自然崇拝フォーク・ダーク・メタルバンドの4作目。”冷雪降り積もる闇夜の森の深奥で大覚醒した初期Ulver”と勝手に表現させてもらったが、悲哀と絶望を背負いながら掻き鳴らされるメロディ、予想以上にアグレッシヴな陰惨なトレモロとブラストビートの対比構造が深い。Katatoniaのようなダークな叙事性とノルウェイジャン・ブラックメタルの狂気を併せ持ち、プログレのような複雑な展開の中でドラマティックに物語を描く巧さは底知れず。、サウンドの緩急・美醜に細心の注意を払いながら、コンセプトに挙げる母なる自然へと調和を示しつつ、超大なるスケールの物語を奏でている。壮絶なコントラストの果てに拡がる絶望感は半端ない。それでいて耽美性にも意識が向いていて精巧な美しさも共存しているのが本作の凄いところだ。ほぼ10分を越える楽曲ばかりだが、緊迫した空気感と深遠な表現力が発揮された全6曲65分、聴けば聴くほど深みに圧倒されていく。枠に収まりきらない超大なスケール感とアート感覚、とてつもない作品である。

 Happy Rebirthday To You

 第8位 kamomekamome『Happy Rebirthday To You』

新メンバーを迎えて制作された2年半ぶりの3rdフル。1stで聴かせた百花繚乱のプログレの重々しい大海源をメシュガーの変拍子ポリリズムの炎が焦がすことで大胆にビルドアップを図った前作を踏まえ、本作ではさらなる切磋琢磨がラウドで情緒的に、また直情的な疾走感を伴うことで作品を更新。大地を力強く踏みしめながら全速力で走り、過剰なまでのドラマ性を伴って耳を劈く爆撃のようなサウンドは、局面を変幻自在に打開しながら巨大な一撃としてぶちかまされている。轟音・叙情、変拍子・ポリリズム、そういったフレーズが浮かぶ卓越した演奏陣は非常にソリッドに収斂しており、精度も威力も熱量も増大してストレートな力感を打ち出すことに成功。けたたましい咆哮から情緒的に歌いあげる部分まで、とかく感情を奮い立たせることに長けた向井氏のヴォーカルもまた、刺々しくもメロディアスで魂を揺さぶってくる。人間の神経を直に刺激する多彩な感情表現、それゆえの巨大な衝撃・・・、果て無き激情と混沌の渦へと放り投げるkamomekamome、彼等の創造と破壊がもたらした決死の10曲35分の本作は、ハードコアの新たな指標となりうる傑作。

 Suburbs

 第7位 Arcade Fire『The Surburs』

カナダのモントリオールの7人組ロックバンドの3作目がこれまた素晴らしく、下半期にかなり聴いた作品だ。穏やかでノスタルジックな曲調が耳からすっと染み入ってきて、まるで鮮やかな緑と柔らかな光が包み込んでいくかのような心地よさを覚えてしまう。インディ・ロックとしての骨格にオルタナ、クラシック、シンフォニックといった趣を精微に組み込み、ストリングスやアコーディオンといった楽器が絢爛な装飾を施していく独自性の強い音楽を奏でているのが特徴的だが、重々しい世界観が特徴的だった前作に比べて本作ではより牧歌的でリリカルに世界を彩っている。全16曲約1時間がバラエティ豊かな曲調で彩られていて、底をたゆたうように流れるメランコリーの美しさ、語りかけるように紡がれる音のひとつひとつの深い味わい、情感豊かなハーモニー、どれもが心地よくもしっとりと胸に残る。ポップで素朴な中に壮大さや多彩な音色が収斂した作品であり、普遍的な魅力とバンドの懐の深さを示したと思う。

 The Dark

 第6位 The Third Eye Foundation『The Dark』

“ブリストル音響派”の代表格として君臨するTTEFの10年ぶりの新作。過去作は全て未聴だが、これには聴いていて鳥肌が立った。感情を掻っ攫う負の濁流、黒に黒を塗り重ねていくかのような崩壊の暗黒神話に然るべき闇の深淵へと導かれる。神経を不穏に駆り立てるドラムンベース/インダストリアル・ビートを軸にアブストラクトに揺らめく幻想的なうわもの、靄のかかったドローン・ノイズ、荘厳に鳴らされるヴァイオリンやチェロ、クラシカルな趣と宗教的な雰囲気を加味する聖歌が精微に絡み、ループし、5曲43分の絶対的世界が生まれていく。極めてディープな空気感と毒素を伴った本作は、万物の根源にある負を片っ端から拾い集めて創りあげたかのよう。Neurosisが表現する涅槃の景色が描かれているように感じたし、ポーティスヘッドが10年経て創り上げたトリップホップの暗黒大典『Third』にも音のニュアンスは違えどイメージは重なる。ジャンルを越えて圧倒する力と存在感を示した逸品。

 Écailles De Lune

 第5位 ALCEST『Ecails De Lune』

全世界を涙でぬらした傑作の1stに続いての2ndアルバム。フランス語で”月の鱗”と題された本作から漂ってくる雰囲気は温かみと生命力が漲っていた 1stアルバムとはかなり感触が変化していて、シューゲイザーの要素や神秘的な美しさを湛えた作風は踏襲されているが、深い陰りを帯びたメロディが憂げた闇を形成し、そこを淡く照らす月光が微かな希望を差し込ませている。壮絶な絶叫やブラストビートといった過激なブラックメタル・パートが一部の曲で復活しており、Amesoeursのサウンドがこちらにも随分と持ち込まれた印象。しかしながら、幻想的なギターワークやネージュの深遠な表現力が生きるVoも非常に計算されており、その美学に基づいた構成力には脱帽するほかない。明暗の濃淡、情感の緩急もまた、曲のドラマ性を見事に引き立てていて、神秘と幻想に包まれた独自のロマンチシズムへとつながっている。悲しみや憂いを拾い上げながら、人の心を直接撫でるアルセの音楽は本当に底が知れない。郷愁・幻想・神秘・狂気といったものを投げかけ、あるゆるジャンルを乗り越えていく。本作も前作に引き続いての素晴らしい傑作だ。

 Eparistera Daimones

 第4位 Triptykon『Eparistera Daimones』

ついにヴェールを脱いだ元Celtic Frostのトム総帥による新バンドの1stアルバム。作品を聴く限りその業火は未だにどす黒く邪悪な色で燃え続けている。Celtic Frost『Monotheist』の延長線上といえる内容だが、大作志向が強まり、10分を超える2曲を始めとして9曲約72分という重たい構成。故に憎悪・怨念の濁流は超肥大化し、おぞましい世界が構築されている。曲調もミドル/スロウを中心としたドゥームに近いものが多く、重厚すぎる鈍色のリフと地を揺らす強靭なリズムが破壊的グルーヴを支えており、修羅の如しトムのヴォーカルも恐ろしい限り。この生々しい狂気と地獄の質感は闇に漬かってから帰還したのかと思えるほどで、圧殺の地獄ドゥームは闇の深さを雄弁に物語っている。6月に行われたEXTREME THE DOJO VOL.25で魅せた暗黒ドゥーミーの世界も、失禁寸前の恐ろしいステージであった。加えて、半年後に発売の『Shatter EP』もまた独特の闇の美意識を貫きつつも恐るべき禍々しさと重厚さを有していて、身をキリキリと痛めるような力が備わっていた佳作。

 White sky / ホワイト・スカイ

 第3位 NETWORKS『WHITE SKY』

〈楕円運動のダンス音楽〉〈最終的に祈祷になること〉といったコンセプトを基盤に、クリエイティヴな音楽を創造する東京発(元は関西の結構名の知れた人たち)の3人組NETWORKSの1stフルアルバム。その音符の配置ひとつ取っても、変拍子・ポリリズムを織り交ぜたリズムにしても卓越したテクニックと演者の知的センスが垣間見れると思う。ドラムの変拍子が渦巻く精妙なリズム構築の上を愛らしいキュートさと極彩色の光を放つシンセサイザー、呼応するように宝石のようなメロディを散りばめるギターが、美しいグルーヴとなって聴き手に多幸感と快楽をもたらす、インストゥルメンタル・ミュージックである。ロックとジャズの中間のような骨格の中で、地球が自転・公転を繰りしてその姿を変えていったようにミニマルらしい反復を繰り返しながら小刻みに変相を遂げていく。叙情の波紋を広げ、テクノ/トランスらしい感覚を呼び覚まし、最後には別世界から召還したかのようなドリーミーなオーラで地上を覆う。3人という少数精鋭でありながらも見事な螺旋を描く素晴らしい作品である。

We're Here Because We're Here

第2位 Anathema『We’re Here Because We’re Here』
   
UKの6人組の7年ぶりとなる8作目。過去作は全て未聴だが優しいメロディが鼓膜を震わせ、マイルドでウェットなヴォーカルが骨の髄まで染みわたるように伝わる作品で、気品高い美しさを纏い、崇高な光に大地が艶やかに照らされていくようなそんな感覚を持っている。麗しい女性Voや上品で流麗なピアノ、ストリングスにオーケストラ・アレンジが細心の手つきで施され、儚く神々しい世界観を確立。ゴシックの船出からオルタナ~プログレを経由しつつ、シガー・ロスやEfといったポストロック勢との親和で確実に彼等の世界は拡がりと深みを増している事を印象付けている。洗練に洗練を重ねた美しさ、どこまでも穏やかに広がる感動が胸を満たしていく。聴けば聴くほどに作品に夢中になってしまう。柔らかな音と明確なストーリーの基で汲みあがっていく世界は壮大で、昇天の音色が詰まっており、そっとリスナーに手を差し伸べ、優しく微笑んでくれるこの包容力もまた格別。それこそAlcestが1stアルバムで成し遂げたことを再び具現化するような神々しさと美しさを纏った作品だと個人的に思う。

Anthropocentric

第1位 The Ocean『Heliocentric』『Anthropocentric』

ドイツのプログレ/ポストメタル/スラッジ鬼才集団による2枚に及ぶコンセプト・アルバム(通算4,5枚目)。前編では”太陽中心主義(地動説)”をテーマに神の存在を投げかけていたが、後編の本作では”人間中心主義”を謳い、キリスト教のあり方をテーマにしている。コンセプト云々は頭の悪いわたくしに全部は理解できないのだが、ピアノやストリングスに女性コーラス等も交えて内省にじっとりと潤いを与える静パート、獰猛なリフと激しいリズムと鬼神の如きスクリームで無残に切り刻む重厚激烈パートの理知的かつダイナミックな組み合わせが異様に緊迫とした世界を描く。前作を聴いた時はISIS、GYBE!、Meshuggah、OPETH辺りが組み合わさり、さらに巨大な質感を伴ったオーケストラと表現したのだが、本作は2枚ともコンパクトな収録時間(2枚とも50分程度)で膨大な情報量を捻じ込んでいて、空間軸と時間軸を巧みに操ることで聴き手を圧倒してくれている。前編・後編で相互補完しながら幾重にも重なり、ひたすら宇宙をも飲み込むほどに巨大化を図る世界観は驚異的と言うほかなく、極めて前衛的な音造り、コンセプトをきっちりと具現化していく深遠な表現力と演奏技術、寸分の狂いもなく統率のとれたアンサンブルはもはや凡百のバンドには到底追いつけないだろう。

==感想==

 今年も新譜を200枚超は聴いていると思うので、思いきっていつもの30枚から50枚へと増量したものをお届けした。毎年そうだが、入れる入れないの取捨選択の作業がかなり難しい。今年も数を増やしたとはいえ難しかった。当サイトの読者の方々からするとあれが入ってないとか、普通にあると思うが最終的にこんな形に収まったと理解していただければ幸い(でも、本当に入れ忘れているのが確実にあるけど)。

 でも、選出傾向はあまり変わってないと思っている。ポストロック、インディー・ロック、エレクトロと手を出してはいるけど、結局のところ上位を占めるのはヘヴィ系なとこ(笑)。そんな中、作品として印象に残ったのはやはりThe Ocean、Anathema、Triptykon、Maserati、Alcestと上位を占めたバンドのものになる。特にThe Oceanの連作2枚は後編の2枚目の中身の詰まりに詰まった音楽性に圧倒された。初聴だが、ANATHEMAの新作もまた素晴らしくこの包容力がたまらない。シューゲイザーとブラックメタルの融合で独自性を切り拓いたAlcestはAmesoeursと同化する事でまた深遠な世界を提示したし、トム・ガブリエル・フィッシャーが新たに率いたTriptykonの邪炎は憎悪を燃料に黒く黒く燃え上がっていた。そして、3位に挙げたNETWORKSも声を大にしてお勧めしたい作品だ。LINUS RECORDSさんのベストアルバムにも挙がっていたが、〈楕円運動のダンス音楽〉をコンセプトにキラキラと美しいグルーヴと天へと昇り続ける様な昂揚感が半端ない逸品で、ジャンルを問わずに聴いてほしい一枚である。

 他にも紹介したい作品はやまほどあるのだが、各自レビューページにてご参照していただきたい。感想を書かずに積み上がっていくCDももちろんあるが、来年どれだけ消化できるかは不明。できるかぎりがんばるつもりです。

Liva at Roadburn ALIVE AND RISING Holy Ground: NYC Live With the Wordless [12 inch Analog] GO LIVE -来日記念盤-完全生産限定盤 バーニング(DVD付)

 上記の作品はライヴアルバムということで、ランキングには挙げませんでしたが気に入っている作品たちです。左の3枚は上半期でもご紹介しましたが、ライヴでこそ真価を発揮するモグワイの初ライヴ・アルバムの威力は映像も含めて鳥肌ものだったし、ヨンシーの神々しさ¥&華やかなさは『Go Live』を見るとより堪能できます。Moritz von Oswald Trioの世界限定2000枚というこの作品もまた、不思議な心地よさに包まれる作品でしたが、メタモルフォーゼで見れなかったことを余計に後悔させられた一作です。


2010年BEST LIVE10選

rc

■ 01/11 MUSE @ 愛知県体育館
■ 03/06 Isis, Baroness @ 渋谷O-EAST
■ 04/03 The Album Leaf @ 名古屋クラブクアトロ
■ 04/10,11 KAIKOO POPWAVE FESTIVAL’10 @ 東京晴海埠頭
■ 04/19 MONO @ 大阪鰻谷SUNSUI
■ 06/03 Extreme the DOJO Vol.25(NILE,Tryprikon,OBSCURA) @ 名古屋クラブクアトロ
■ 09/04 METAMORPHOSE 2010 @ @ 静岡・伊豆サイクルスポーツセンター
■ 09/26 METALLICA(+Fear Factory, The Sword) @ さいたまスーパーアリーナ
■ 11/23 envy @ 池下CLUB UP SET
■ 12/02 Jonsi @ 名古屋ダイアモンドホール

 毎年毎年、ライヴへ足を運ぶ回数が増えているけど、今年も去年以上に足を運ぶこととなった。その中でも上半期でも一番印象に残ったアイシスの現時点での日本ラストライヴ。名古屋→東京と2公演に足を運んだのだが、とりわけ東京のライヴはアイシス初見時(07/01/30)を大きく上回るパフォーマンス。轟音、静寂が有機的に結びつき雄大な音塊、ダイナミズムとして聴き手を本能から揺さぶってくる。五感のみならず第六感までもを震わせるようなとてつもないステージに畏怖の念を覚えた。解散は残念であるが、絶頂に到達した故での決断であり、各自のソロ活動をまた追っていきたい。

 そして、静岡は伊豆の自転車の国という偏狭な場所で開催されているメタモに初めて行ったのだが、モグワイ、マニュエル・ゲッチング先生、オマー・ロドリゲス、アルバム・リーフ、65daysofstaticと次々とわたくしの心揺さぶるアーティスト達が出てくるこのフェスは本当に素晴らしかった(難癖つければ、モグワイの音量の小ささと時間の短さ)。直近では、まさに天使のような佇まいから神々しい世界を築き上げていったシガー・ロスのフロントマン、ヨンシーのステージに感動しっぱなし。

 高校生の時以来7年ぶりに対峙したメタリカのド級のパフォーマンスは楽しくも感動的だったし、新年1発目のライヴ及びフジでもその華やかなロックを存分に押し広げたミューズのライヴも凄く印象に残っている。同じく4月の単独&メタモと2回ライヴを堪能できたアルバム・リーフの視覚にも聴覚にも余韻を残すパフォーマンスも良かった。他にもManu Chaoは初見の僕にも訴求力の高いエネルギッシュなステージだったし、大阪まで行ったTaste of Chaos、Between the Buried And Me、Heaven Shall Burnといったメタル勢のライヴもまた良いものだった。そして、KAIKOOと大阪と2公演も足を運んだ敬愛するMONOのライヴも貴重な体験。


2010年 旧作BEST10

Zirconium TB RESUSCITATION (REISSUE) パラダイスK [紙ジャケット仕様] [ボートラ付] Precambrian juki2nd

Frames (Bonus Dvd) Bergtatt Inventions for the New Season FOREVERNEVERMORE Strangely Isolated Place

 2010年に聴いた09年以前のアルバムを10枚選出(番号はついていますが、順位ではないです)。左上から右に向かって、順に紹介しますと・・・。

 01. Patrol『Zirconium』    
 02. Hardfloor『TB RESUSCITATION』
 03. 割礼『PARADAISE K』     
 04. The Ocean『Precambrian』
 05. juki『2nd demo』     
 06. Oceansize『Frames』
 07. Ulver『Bergtatt』     
 08. Maserati『Inventions For The New Season』
 09. Moodymann『Forevernevermore』     
 10. Ulrich Schnauss『Strangely Isolated Place』

 上段5枚は上半期BESTにて記述するので割愛。まずは今年出た新作のまろやかな感触が印象に残った06.Oceansizeから述べたいが、申し訳ないけど新作よりも段違いにこの3rdアルバムの方が良くて静動・緩急・陰陽が絶妙なバランス感が精巧な世界観を創り上げていてある意味では神がかっている。年間ベスト10位にも挙げた新作でハマっていっきに全作を揃えた08.Maseratiも正直、こちらのアルバムの方が好き。ポストロックを下地に音楽性を高め、上塗りした本作が持つ昂揚感は筆舌しがたいぐらいだ。

 また、今年もブラックメタルらしいブラックメタルはあんま聴かなかったけど(Burzumの新作は買ったが)、ポスト/シューゲイザー・ブラックメタルといわれるものはそれなりに漁った。中でもその教典のような存在であるUlverの1stアルバムは、大いなる自然とブラックとの邂逅を果たした先見・革新的な一枚で素晴らしい限り。これは聴き逃してはいけない名作。MoodymannはTheo Parrishと共に今年に再発が出まくったので結構聴いてた。再発されたばかりだが、この『Forevernevermore』の俗に言う黒いグルーヴは極上の旨みが備わっている。Ulrich Schnaussの名盤と呼ばれる本作もまた聴いていて惚れ惚れする優しく幻想的な音の調べ。同時に虹ジャケのリミックス盤も購入しているのですが、趣が若干違うこちらもまた楽しめる作品でお世話になった。

 来年も新譜中心だろうけど、少しずつでも吸収していきたいもの。今年はテクノ系を結構開拓した(つもり)けど、余裕があれば違うジャンルにも挑戦してみたい気はある。


2010年を振り返り・・・

 上半期BESTの項でも書いたけど、まずは1~3月までサイトを閉鎖しててごめんなさい。色々と疲れたということやtwitterによる気軽な発信に可能性を模索してみたけど、結局サイトのように長文を残すことを選択したので戻ってきました。今のところ来年も続ける予定です。

 今年は特に私生活でも変化はなく、継続の1年だったように思います。その上で上積みがあったかはわかりませんが。とはいえ、去年以上に今年は音楽を聴いているし、色々と動き回ったような気もしてます。関東・関西、新潟、静岡と少し違う土地にも行って新鮮な気分を味わえたし。フェスは4月のKAIKOO、7月末のフジロック、9月頭のメタモルフォーゼといった本数は去年の3つと変わってませんが、今年の方が充実しているかな。ただ、もっと現場で体感しなきゃいけないというのは肝に銘じているので、来年は50本ぐらいライヴに行って、生で演者の情熱や音を感じてみたいものです(今年が35本ぐらい)。

 残念なニュースといえば、アイシスの解散が一番大きいですね。自分が神と崇めるバンドであり、僕の音楽観の幅や深さを大きく広げた存在。3年前の1月30日、名古屋クラブクアトロで最前列で体感したアイシスのライヴが僕の新たなスタート地点であり、彼等に出会う事がなければ今の自分の音楽ライフはちょっと想像がつかない。”アイシスが全ての道に通じていた”と知り合いの人に言った事があるけど、それぐらい自分にとって重要なバンドなのである。3月の来日公演、3本全部行けばよかったという後悔は大きいし、もちろん6月のラスト公演も海を越えて見に行きたい気持ちはあった(金は無いし、英語話せない)。けれども渋谷O-EASTで見た奇跡のようなライヴは今でも心に焼き付いている。何年先になるのかわからないが、またアイシスとしての活動再開を願うのみだ。それまでは才人アーロン・ターナーの活動を中心にメンバーのその後を追っていきたい。

 来年もどうぞよろしくお願いします。

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