‐‐‐ 2014年上半期BEST ALBUMS 13 ‐‐‐
2013年12月30日~2014年6月30日までに発表された作品の中で、個人的に気に入った作品を13枚選出しています(アルファベット順)。
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「やっぱりボク、ブラックメタルやーらない」とネージュ君の言葉が聴こえてくる、ポストブラックの旗手の4作目。個人的に1stが大好きなんでこの路線は歓迎なんですけど、他のシューゲ・バンドと変わらん、没個性とかいう意見もわかるっちゃわかる。しかし、穏やかな風が春の香りを運ぶ#2「Opale」に単純に心打たれます。まあ、選出にあたって4月の来日ライヴ補正も大いにあるけどね。ちなみにシューゲイザー四天王の一角であるSLOWDIVEのニール・ハルステッドも参加。 Best Track #2. Opale |
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しみじみといいバンドだなあと思う。ポスト・プログレッシヴと括られる事が多いけど、こんなにも万人に薦めたくなるバンドってやっぱりAnathemaを抜いてほかにないわけで。壮麗なる音の調べ、優しくも情熱的な歌声、流麗な曲展開で完成度が高く感動的な楽曲を本作でも揃えている。特に#4「Ariel」、泣けます。あと、メンバーが日本のテレビで口に出したみたいだし、早くフジロックに連れてきなさいよ(笑)。 Best Track #4. Ariel |
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頭のお固い方々の「けしからん」の声を意にも介さず、世界へと突き抜けた少女達の1stアルバム。メタルとアイドルの融合よりも、もっと広義の意味合いのロック周辺をリスペクトも込めつつ取り込んで、様々な人々に刺さる曲を次々と提供したわけだが、結局、彼女たちほどポップ&エンターテイメントに昇華して、突き抜けた存在はなかったわけで。今回の1stもアイデアの豊富さ、捻りの効いた本格派の楽曲、可愛いのトライアングルで持っていった。そんな何もかもが揃った信じられないBABYMETALの快進撃を僕はとても楽しんでます。っていうか1stの時点で既にBABYMETALをジャンルにしちゃったのは本当に凄いと思う。 Best Track #5 紅月 |
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「光さん、さようなら。漆黒さん、よろしくお願いします」。の煉獄入門編。The Haxan Cloakが完全プロデュースを務めた本作は、重々しくも禍々しいドゥーム/スラッジに、病み切った雰囲気を持ち込むプログラミング音だったり、インダストリアルちっくなノイズだったりが悪意を持って幾重にも重なる。ディープな中毒性に殺られて、脳死。 Best Track #4. Hail To Thee, Everlasting Pain |
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流し目で微笑のイメージの強いBorisが、ついに!と表現したくなる集大成の逸品を完成させた。まさしくPitchforkのいう「膨大なディスコグラフィへの挑戦」であるが、様々な音楽面へアクセスする多様性とマニアックさを持ちながら、それでいて普遍的な作品に昇華。Atsuoさんが某インタビューで「これから聴き始めてくれる人がいるとしたら“1枚目にどうぞ”っていう感じのアルバムが出来た。」っていうんだから間違いない。 Best Track #7 Quicksilver |
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The Caution Children / And Baby / Safe Crusades / No Judgements 新たに5人編成で制作となったフロリダのポストハードコア・バンドの3作目。かのJack Shirleyが助力しているからか、Deafheaven的なシューゲイズ+ポストハードコア音像を築きあげていて、個人的には”コンパクト・Sunbather”的な力作に仕上がっていると思う。そして、こちらの絶対に笑ってはいけないTCCヴォーカル編にご挑戦あれ。 Best Track #8.Knowing About Bombs |
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Cloud Nothings / Here And Nowhere Else 若者はロックンロールに夢を見る。インディ界隈で一番かっこいいバンドって相変わらずCloud Nothingsだと納得させられた傑作で、アルビニのプロデュースでは無くなったが、初期衝動に任せた勢いや騒がしさが全く損なわれていない。火の玉のような勢いで潔く突っ走り続ける全8曲約30分に、ロックンロールの醍醐味が詰まっている。 Best Track #3 Psychic Trauma |
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ポストメタル系だとAmaltheaの新作も印象的だったが、やはり前作に引き続いて、激と美のとてつもない振り幅で奏でる耽美系ポストメタルが強烈だったGrown Belowの新作を推したい。どこか廃墟を思わせる退廃的な薫りと芸術性、圧巻のダイナミズム、彼等もまたIsis亡き玉座を狙う有力バンドのひとつでしょう。2013年12月30日リリースなので、小細工してランクインさせてます(苦笑)。 Best Track #1 New Throne |
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Nothing / Guilty Of Everything 低評価を下したPitchforkにファッ●ンと中指立てるモダン・シューゲイズのデビュー作。元DeafheavenのNick Bassettを擁するわけだが、初期のWhirrをも超える甘美なシューゲイズにオルタナ~グランジ系の波動を融解させたサウンドはお見事。#2「Dig」が誘う白昼夢にどうぞあなたも。 Best Track #2 Dig |
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DIR EN GREYのフロントマンである京を母体とした5人組バンドのデビュー作。耽美でダークなアンビエントへの傾倒とめくるめく和情緒の融和、全てがsukekiyoならではの個性に溢れており、1stにして傑作を生み出した。初回盤の豪華リミックス集、それに作品以外での企画性(喪服限定ライヴ等)も好奇心に溢れていて素晴らしい。 Best Track #14 鵠 |
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還暦のおじいちゃんたちが、未だに先鋭的で創造性に溢れてんだから世界はおかしいし、おもしろい。なんでこの年になってこんなにもバイタリティがあるのか。復活2作目となる前作同様に、2枚組の怒涛の大作を世に送り込み、数多の賞賛を得ている。究極のロック/ドローン現在地。あまりにも重すぎる。 Best Track Disc2-#5 To Be Kind |
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先代の恨み晴らすべしと言わんばかりの極悪無慈悲スラッジから一転して、バファリンでも呑んだのか、少し優しさと叙情味を取り戻した一作。しかしながら、重音リフを振り落としてのスロウな反復が地獄を見舞うのでご安心を。全10曲約75分にも及ぶあまりに長大で禍々しい魔物語。 Best Track #1 Free Will |
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Vampillia / my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness 関西のブルータル・おもしろ・オーケストラの数年前からの出す出す詐欺からようやく脱した1stアルバム。アイスランド録音に加え、悪ふざけせずに真面目ぶってる分、おもしろさは少量になっているが、血が騒ぐ激烈さや繊細な美しさといったVampilliaたらしめる要素が集約したアルバムに仕上がっている。ちなみに海外盤はミックスと1曲目の内容が違うのでチェック推奨。もちろん企画盤「divine move」もね。 Best Track #2 Ice Fist |
次点でこの辺りをあげておきます。
・Amalthea / eureka
・discotortion / 暴妖
・lynch. / GALLOWS
・Thee Silver Mt. Zion / Fuck Off Get Free We Pour Light on Everything
・Tycho / Awake
まだいろいろと聴けてない作品が多いし、あんまり捻りのない上半期ベストとなっている気がしますけど、上半期はこんな感じで。下半期ももちろん素敵な作品に出会いたいですね。
‐‐‐ 2014年上半期BEST SONG10 ‐‐‐
今年になって発表された楽曲から10曲を選出。なるべく上記のベストアルバムと被らないように選出しています。
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BUCK-TICK御大の”胸を裂く 死ぬほど美しい”バラード。もう経験と重みが違うなと改めて実感する名曲ですね。 |
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殺戮の音が鳴る、GODFLESH is BACK |
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「此処に生きて 此処に死ぬ」と決意を胸にした天空を焼き払う炎の如きお耽美系メタルコア。 |
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「死んでほしい、死んでほしい」と怨念込めてシャウトで連呼するような楽曲だと思ってたら、驚くほどに美しいバラード・ナンバー。メッセージ性が強く、かつ優しさと温かさに溢れている。 |
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The Pains Of Being Pure At Heart / Simple and Sure 青春へと時間を引きもどす、甘く切ないネオアコ/シューゲイザー・バンドの心地よい昂揚感を誘う1曲。ブレないねえ、この人たち。 |
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1 曲約23分で聴かせる天空と奈落。これを1曲というのもどうかと思うけど、以前のデモ作「dottrue」を遂に完成させた作品であり、近未来のArt Of Life + 美しい深化を遂げたKayo Dot的なあまりにも強烈な1曲に仕上がっている。デモではアッティラのみ参加だったが、本作ではツジコノリコさんが参加。 |
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Suis La Luneに触発された激しくも儚いハードコア・スタイルに磨きをかけてきた、スウェーデンの激情系ハードコアのEPからの1曲。タイトで力強いリズムと轟音シューゲイズ・ギターを基調に怒りのスクリームが幾重にも折り重なり、ドラマティックに盛り上がっていく佳曲でございます。アルバムが近々出るとか、出ないとか。 |
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喜多村英梨 / Greedy;(cry) ヴィジュアル系メタル声優のシングルのカップリング曲。Leda神(ex-DELUHI)、IKUO、淳士(SIAM SHADE)という手練を手なずけ、謎のデスメタルをぶちかましてて、もう笑うしかない。 |
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美麗な旋律を基調に重厚なサウンドへという展開を持つ、黒夢流ポストメタル。個人的には再結成後で一番の楽曲だと思う。 |
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名古屋の期待の若手の2枚目のEPから、ジザメリ直系のノイジーな轟音が空間を歪ませ、Kawaii女子歌唱で魅了するこの1曲を推します。 |
‐‐‐ 2014上半期BEST LIVE 5選 ‐‐‐
「赤い夜」「黒い夜」とXをリスペクトしたタイトルが冠された、日本武道館2DAYS公演。カワイイ3人の少女達、卓越した演奏力を持つ神バンド、そしてKOBAMETAL等が作り上げた巨大魔法陣での奇跡は、本当に素晴らしいエンターテイメントでした。武道館で聴いた「紅月」の素晴らしさを僕は忘れない。
■ 04/14 Alcest @ 名古屋池下CLUB UPSET
Vampilliaが変わらずにいい仕事して連れてきてくれた、僕達のAlcestの1年半ぶりとなる来日ツアー。「Shelter」を引っ提げてのツアーということで、そのアルバムにフォーカスを当てた内容になっていたけれど、ポストロック/シューゲイズの恍惚感と郷愁を誘う美、やはりポストブラック的なのももちろんあって、前回以上にボリュームのある内容でとてもよかった。あと、最後の触れあいタイムでファンを大切にする姿勢も好印象。京都法然院のアコースティック特別公演(通称:寺cest)も足を運びましたが、こちらも番外編で別の味わいがあって良かったです。
久しぶりにライヴの醍醐味/楽しさを存分に味わった。いきなり中日ドラゴンズネタ(燃えよ!ドラゴンズ)からスタートした時点で笑ったけど、FiNALモードに突入したBiSと研究員のぶつかり合いは壮絶でもあり、美しくもあり、笑えるものでもあり、とにかく現場が楽しかったのです。特に井端コールを様式美に仕立て上げた研究員達は凄かった(笑)。
清春のソロ公演には2度ほど足を運んだことあるが、この年になって初めての黒夢ライヴ。それがまさかの20年以上前の再現となる「地獄の三夜」なる特別公演になろうとは。もちろん三夜全てを見てこその黒夢再検証になるわけなんだけど、2日目「脱皮」はまさに黒夢の暗黒を象徴する世界観が見事なまでに広がっていたし、演劇的+ライヴ感もバッチリ。地獄の一部分に過ぎないかもしれないが、20年前の追体験以上の衝撃と感動があった。
2年半ぶりとなるNadja再降臨は、Mick BarrのMossenekの参加に、Vampilliaの1stアルバムのレコ発ツアーも兼ねた全国巡業。この日で3カ月連続で見たVampilliaはもちろんバカやってたし、Nadjaは神々しい轟音でスピーカーをぶっ倒し、MossenekはなぜかSax Ruinsとセッションするとかいう前衛音楽詰め込み教育のお時間でございました。
‐‐‐ 2014年上半期 旧作BEST5 ‐‐‐
2014年に聴いた2013年以前のアルバムから5枚選出(番号はついていますが、順位ではありません)。左から右に向かって、順に紹介しますと・・・。
1. The Appleseed Cast / The End of the Ring Wars
2. Cowpers / Lost Days
3. Ictus / Complete Discography
4. Oneohtrix Point Never / R Plus Seven
5. STORM OF VOID / STORM OF VOID
今年に入っても90’s EMO/ポストハードコア系を適度に漁る旅は続いていて、前述のAppleseed CastやCross My Heart辺りに楽しませていただきました。American FootballやMineralが再結成を果たし、Sunny Day Real Estateが新曲を発表とこの界隈も仕掛けてきて、何がなんでも食らいついてくしかないのは嬉しい悲鳴。その中でCowpersやNAHTといった日本勢に触れたのも良かったかな。去年に各地でベストに挙げられていたOneohtrix Point Never、それに日本のハードコア重鎮達がタッグを組んだSTORM OF VOIDを遅まきながら今年に入って聴いたけど、両者ともに評判以上の内容で頷ける佳作だったと思います。
先に4枚の紹介をしましたが、その中でもスパニッシュ・ネオクラストの伝説的バンド、Ictusの再発は大きな事件でした。手掛けたのは大変お世話になっている3LAさんですが、たくさんの方々の協力が後押してして、こうして入手困難であった作品が完全ディスコグラフィー盤として蘇り、彼等の音楽が再び伝播することに意義がある。体中に電撃が走る”ネオクラスト最高峰”の苛烈なサウンド、極上の地獄が見れる完全無欠のディスコグラフィー盤に改めて喝采を。
‐‐‐ 2014年上半期を振り返って‐‐‐
去年みたいに「リニューアル」とかいう一大イベントは無いですが、何とか続いています。続けています。絶対にみなさまの期待に沿ってない形で(笑)。Facebookページではちょっとした文を書いたのですが、幣サイトは運営を始めてから、今年で一応ですけど10年を迎えたことになります。あるサイトに憧れた結果、infoseekにてGrumble Monsterなるサイトが始まり、それから10年もやってるなんて信じられないですが、月日は早いものですね。近年は、とりあえず色々なものを並列に並べていくというのがテーマにあっ
それにしても今年は、僕の青春のヴィジュアル系バンド達が凄く活発でして、個人的にもその辺りを懐かしんで聴いています。自分の中で勝手に一週した感があって舞い戻っているのも、その要因かな。だからサイトでも取り上げる事が多くなっている。10年前からすると本当に信じられないことが現実として起こっているし、今後もLUNA SEAや黒夢、DIR EN GREYの『GAUZE』ツアーに足を運ぶんだけど(PIERROTは行かないです)、とにかく楽しみですね。
ん、10周年だから何かやれって? 考えてたこともあったりするけど、何もやりません。今のところ、本当に何もないです。下半期、仕掛けたいねと思うけど、アイデアが何もないんで。そんなサイトなんですが、温かく見守っていただければ嬉しいです。
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