2010/09/10 Enemies Japan Tour 2010 @ 名古屋K.D.japon

We've Been Talking アルファ・ウェーヴス

 昨年6月に行われたtoeのツーマン・ツアーにおいて予想以上のステージを目の当たりにし、とてつもない興奮を味あわされたアイルランド産のインスト・ポストロック・バンド、エネミーズのライヴへ再び足を運んできた。今回のツアーは今年6月に発売された1stフルアルバム『We’ve Been Talking』のレコ発で、招聘はアルバム発売元のSTIFF SLACKさんが行っている。そのSSのお膝元である名古屋では特別にワンマン公演を行う!ということで十分すぎるほどエネミーズのライヴを堪能することができた。

 予定時刻より15分押してのスタートで、初っ端はギタリストの一人がちっこいドラムを叩くツインドラム編成となって挨拶代わりの鋭角/爆音セッションをぶちかましてウォーム・アップ。それからいつものツインギター、ベース、ドラムという編成に戻って曲をスタート。っがその曲名がなんなのか思い出せない、携帯でメモったにも関わらず曲をはっきり覚えてないから、正しいかどうかが不明なので記せない。

 とりあえず1stフルの曲をやっていたのだけど、歯切れのいいマス系の鋭いツインギター、低音から高音まで滑らかに行き来しながら心地よいリズムの拍動を打つベース、そして危なさそうなデコ~頭髪が気になるドラマーは変拍子をものともせずにこのパワフルなドラミングで気づかぬうちにノせていく。タッピングをふんだんに用いたギターも鮮やかに眼を奪いさるが、特にベースの出音が大きい印象で、張力のあるベースラインが非常に心地よく体に響いてくる。また所々で放たれる北欧の叙情を醸すメロディが絶品で、マス系の尖鋭の中で差し色として機能していたのも印象深い。

 音楽性はPeleやtoeの1stのころを思い浮かべてもらうとわかりやすいが、彼らよりももっとフックを加えてひねた感じであるけど美しい叙情性が根底を流れている辺りは親しまれる要因として挙げられるだろう。しかしながら、やや抑制されたスタジオ作品やスマートな外見とは裏腹なパワフルなステージはこの日も健在で、ミニマルな展開からの爆発力や強弱・明暗のメリハリをきっちりつけたライヴは、昨年よりもさらに進化していることを伺わせた。セットは、1stフルアルバムの曲を中心に、1st EPからは「Two Lads」や「For One Night Only」を織り交ぜたものであったが、特に「Two Lads」の美しいギターの音色が鮮やかに輪舞する感じ、また「Backaches & Cardigans」の反復と躍動感にグイグイと引っ張られていく感覚は体に心地よかった。。本編最後はおそらく(これも曲を覚えてないからもしかしたら「Creamist」だったかも)、「Morse Code」だったと思うが叙情のカーテンで覆う前半からギアを入れ替えて一気にスパークしていく展開がツボだった。

 アンコールは、一番の代表曲に格上げされてるっぽい「Nag Champa」の1曲だけ演奏。ツインギターの滑らかな遷移から徐々に熱をおびえていき、中盤で虚空に火柱を打ち立てるように一気に爆発。ラストはその熱を昇華するように華やぎと飛翔感のあるクリアなギターが琴線を靡かせながら、鮮やかに締めくくった。この後、観客からもう一度アンコールを要求されたけど、STIFF SLACKの方が『おわりです』の一言。21時くらいに終了したので約75分ぐらいというところだが、前作よりもたくましく力強さを発揮したステージに満足度は高い。これで1st EPから「Deas *3」や「Out of the C」辺りも演奏されるとなお良かったが、確実な成長を伺わせるいいライヴであった。また、すぐに来てほしいな。

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