2010/11/04 ARch 2010 -KTL Japan tour in Nagoya- @ 名古屋アポロシアター

ktl2010
 FESTIVAL/TOKYOでのジゼル・ヴィエンヌの舞台「こうしておまえは消え去る」の音楽を担当する事となったKTLが10月末から11月上旬に急遽来日。東京と京都の舞台公演に携わるようだが、その合間を縫ってなぜか名古屋公演が実演することとなったので足を運んできた。KTLを体感するのは実に3年ぶり。Pelican/envy/KTLというタッグでの東名阪ツアー以来である。その時もSUNN O)))譲りのドローンギターの反復に、PITAの不思議な電子音が交錯し、凶暴かつ不気味な世界を築き上げていたのが記憶に残っている。最前で見たあのライヴは凄まじいスモークの演出と轟音によって一種の臨死体験を味わったといえるかもしれない。ま、結局、その後はenvyとPelicanでそれ以上の興奮と感動を味わったわけなんだけども。

 この日はKTLが22時半とかいう時間から出演だったことや他のメンツに興味が無かったので、21時30分をちょこっとまわったところで会場に到着。すると、ちょうどCutsighが準備中だった(しかもなぜかモグワイの『Burning』がずっと流れてた)。うーむ、噂のAmetubさんぐらいは見てみたかったのだが・・・。しかしながら、この寂れ感半端ない。TORCHEのライヴを思い出すぐらいで、キャパ200ぐらいに対して30人もいたかどうかレベル。出演者が多いことを考えると、多分半数以上は関係者だったのではないかと思う。それなりにでかい会場を抑えていたが、至る所が封鎖されて少しでも中央に集まる努力が成されていた。

 そして、なぜか物販は一切なかった。結局、トリ前のCutsighからの拝見となったわけだが、これがまた艶やかなギターとノイジーな轟音の両方を操る感じで、迸る赤と瑞々しい蒼の両極を表現しているように感じた。一人でステージに立ち、エフェクターを小刻みに踏みながら物悲しいフレーズを響かせ、湿っぽい叙情を鳴らしたりと静かに情熱を掻き立てるような演奏。時折、ライヴはみたことないけど、James Blackshawのギターがちょっぴり浮かんだりも。フレーズをループさせながら、その上にまた積み重ねたりと小難しい事を一人で黙々とこなす。その収斂はやがてポストロッキンな轟音像にまで発展して刺激的になっていくところに興奮を覚える。なかなかに興味深いライヴだった。しかしながら、彼の演奏中に後ろで大声で話していた馬鹿男2人は本当に消えろと思った。

   
Ktl 2 IV(紙ジャケット仕様)

 10台近いアンプの数を見て、久々に味わうなあこの感覚と既に身構えてしまっている自分がいた。オマリーとピーターが黙々と準備している中で、おぞましい緊張感がじわりと足元からやってくる。KTLでは3年ぶり、SUNN O)))ではleave them all behind以来1年半ぶり。異種なライヴ、間違いなくKTLはその範疇にはいるだろう。初っ端は静かにうねるギターがどんよりと空間を包みながら、次第にピーターの電子音(マックをいじってたのかな、あれは)が味付けを施しながら、空間を圧し支配する凶器にも近い轟音へと変わっていく。細かくエフェクターやアンプをいじりながら精微にかつ大胆に音色を変えていくオマリーは前回見た時よりも職人的な感じ。ピータも然り。

 去年出た作品はジム・オルークがプロデュースしているし、舞台音楽も手掛けているからか、以前よりも音響としての振れ幅があるようにも感じられた。3年前はそれこそ大量のスモークの中でドローンギターによる悶絶級の轟音と電子音の対峙がおぞましい世界を創り上げ、オマリーがカオスな絶叫を入れまくってマイク投げ飛ばしたりしてたので阿鼻叫喚なイメージが強かったが、今回は2人とも終始座って緻密だけども凶悪さを忘れない音響空間を生み出していた。途中でイカレた電子音が響きだし、音圧が一気に上がってからは圧巻でアンプから放出される轟音にひたすら身を任せるしかない状況。スイッチ入ってからのあの音圧はさすがで、耳が幾度も痛みを覚えていた。人によっては天国であり、地獄でもある40分だったが、やはりKTLは凄い存在感を示すのであった。

 演奏終わったら、PITAさんが「アリガトゴザイマス、アリガトゴザイマス」といいながら、数少ない客ひとりひとりに11月下旬に行われるフェノバーグ(ジム・オルーク+フェネス+ピータ・レーバーグ)のフライヤーを手渡し。個人的にはフェノバーグも行こうと思っているので(その次の日のenvyも行くけど)、握手してもらったり(関係なし)。ちなみに3年前はKTLのシャツを買ったときにオマリーに握手してもらった(すげー強く握られて驚いた)。物販がなくてすぐに帰っちゃったけど帰宅途中、耳の感覚がちょっとイカれてるなあと感じる辺り、KTLを体験したんだと実感。なぜか名古屋でライヴしてくれたけど、こんなイベントを開催してくれた主宰者に凄く感謝している次第です。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!