2011/05/05 heaven in her arms with CELESTE @ 名古屋HUCK FINN

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 こどもの日にハードコア!! と、こうして叫ぶ日がまたきたのをまず嬉しく思う。というのも僕がheaven in her armsを初めて見たのがちょうど3年前の5月5日で、その時はニューヨークの激ハードコア・バンドのOFF MINORの日本ツアー(これが最後のツアーで解散との話だったが、撤回したとの噂も)だったからだ。さらには、ここにKillieやLITEやBALLOONSもいて熱いライヴが繰り広げられたのが今でも心にも身体にも焼き付いている。それ以来のheaven in her armsのライヴになるのだが(去年の『幻月』のレコ発ツアーでは名古屋飛ばしやがったし)、今回はフランスの暗黒激情ハードコアのCelesteを招聘してのジャパン・ツアー。これは燃えないわけがないでしょう!というわけで参戦してきました。開演8分前に会場のHUCK FINNに到着したときには15人もいなくて驚いたけど(最終的には40人ぐらいはいたかな・・・ぐらいの人数)。チケットぴあで発見した時は、お早めにの△マークになっていたけど(機械のきまぐれだと思った)、案の定ガラガラだったのには笑った。

空洞(クウドウ)

1. COHOL

 しかし、このガラガラの状況であまり時間をおすこともなくトップバッターを飾ったのは東京から参戦のCOHOL。前日まで長野、京都、大阪とツアーに同行していることからもその実力は窺い知れる。ブルータリティ溢れる突進性と攻撃的に富むサウンドはアジア圏でもウケているらしい3人組だ。高速のリフと加速度抜群のドラムでひたすら畳みかけてくる。ベースもあの速さをフィンガーピッキングでこなしていたのに驚きで、この人がヴォーカルも兼任していてさらに驚く。ブラックメタルを多分に含んだハードコア、いやその逆(ハードコア寄りのブラックメタル)と受け取ることも可能だが、黒い竜巻が巻き起こるかのような音はひたすら圧巻であった。その激情の狭間にメロディアスな感性も見せる妙技も。ただ、やっぱり最終的にはエグく狂気的な絶望空間に確実に叩き落とす。けど、そんな残忍な攻撃性が持ち味なのにMCはとても紳士的。これには好感を持ってしまった。トップバッターとしては申し分なし。

joy to the world. ep microcosmos

2. OVUM

 続いてはOVUM。なんでこのメンツの中にいるのと?マークが浮かんだ方も多いだろう東京のインストゥルメンタル・カルテット。けれども僕は彼等が08年に発表した1stアルバム『microcosmos』は結構気に入った作品で、今回初めて見られるのを楽しみにしていた。でもまあ、体験してみた感想を言うともろにMONOだった。静から動へ激しく轟音バーストする流れもそうだが、2人のギタリストが両脇で椅子に座って真ん中がベーシストが陣取るという布陣もまたMONOに影響を受けているように思える。ツインギターの優しい旋律がたおやかに響き、太いリズムに先導され、やがては空間を埋め尽くす轟音へ。そのアンサンブルは既にかなり完成の域に達しているように感じられ、長時間をかけてひとつの大きな絵を描いていく作業は職人レベル。轟音に至るまでのアルペジオやメロディ等のポストロック的なアプローチから盛り上げていく手法はそれこそ教科書通りといえば、教科書通りだけど、しっかりと終局の洪水の如し轟音で応えてくれる辺りは、彼等が確かな力をもったバンドである事を示すには十分だ。またそこに至る構成/投げれもまたしっかりとしている。ただ、MONOという大きな存在が個人的にはどうしてもチラつくので、その壁を打ち破る事を期待したい。ちなみにライヴは新曲から始まって、1stからではない2曲かまして終わった。

First Live at HUCK FINN"Rest In Peace...AI" [12 inch Analog]

3. BLACK GANION

 Black Ganionはもうすでに5回以上見ているので、そんなにガツガツと書くことも無い。といっても見るのは昨年の東京の邂逅フェス以来になるのかな、3分しか見てないけど(苦笑)。これまたHUCK FINNということもあって持ち味を存分に発揮していて、ファストに畳みかけ、呪術的に圧し掛かる変化の妙を生かした黒い混沌世界は強烈。エグく切りこんでくるリフにぶちあがりの絶叫、やっぱり威力は高い。スロウテンポで見せる奈落も、ハイスピードでみせる狂気の宴も、彼等の成せる業。久しぶりに見たけど、緊張感と迫力に圧され、じっとりとした汗が体中から出てきた。フロアはかなり盛り上がっていて、地元の利も上手くいかしたステージであった。

被覆する閉塞 幻月 Heaven in Her Arms / Aussitot Mort - Split EP

4. heaven in her arms

 そして、お待ちかねのheaven in her armsでございます。ちょうど3年ぶりとなるので、本当に楽しみにしていた。少し転換に時間がかかっている様子だったが、初っ端の「縫合不全」からもうヤバイ。物悲しくも美しいギターが鳴り、ポエトリーリーディングが心拍数を高めていく。そして、哀しみを降り積もらせながらカオティックな結末へ。絶望の深淵へ埋め、そこから解放されるかのように光に導かれる。3年前の記憶はもう薄くなっているのは事実だけど、このバンドが放つエネルギーの巨大さ、深さは他のバンドとは一線を画す。今日みたいな個性派メンツでもその存在感は際立っていた。ライヴはその後もhihaの効力を強め、彼等の空気に隙間なく支配されていく。間髪いれずの「声明」~「痣で埋まる」のコンボでは、激しさと狂気を増して会場を一層熱く盛り上げる。特にケント氏のヴォーカルはブラックメタルに接近するぐらいの迫真性に満ちていて、恐ろしいぐらいに鼓膜に重く圧し掛かる、と同時に感情的な演奏も含めて胸の奥底までを強く強く揺さぶられる。特に最新作の『幻月』でもハイライトを飾った「ハルシオン」からの「螺旋形而蝶」での激情と悲哀の壮絶なコントラスト、深く重たい一大長編詩は刺さるほど心に来るぐらいで、ライヴでも凄まじい迫力であった。トリプルギターの美しく絡み合いながら、混沌の濁流に呑まれるようなクライマックス、これには震えた。ラストは希望と絶望が鬩ぎ合いながら美しく飛翔していく「赤い夢」で締めくくり。もう去年のレコ発で名古屋来なかった事を本当に恨むぐらい、いいライヴであった。ってか照明使ってて驚いたけど、蛍光灯だけでライヴするのはもうやめたんでしょうか??

–setlist– 1.縫合不全 2.声明 3.痣で埋まる 4.反響した冷たい手首(short ver?) 5.ハルシオン 6.螺旋形而蝶 7.赤い夢

Misanthrope(S) Morte(s) Nee(s) Nihiliste(s)

5. Celeste

 ラストはCeleste。彼等のスタート時が10時40分ぐらいでかなり疲れてたんだけども、フランスのハードコアの雄は、そんな事もいわせないほどの迫力で畳みかけてくる。照明は一切なしで、頭に赤いランプをつけるのみ(たまに盛り上げ所で足元の蛍光灯っぽいのが光るぐらい)。そして、スモークをたいているのでステージ上はあまりしっかりとは確認することはできない。ただ、ひたすらカオティックな演奏で音の激流が氾濫していた。ギターの高速リフにドラムが圧倒的なスピード感を加味し、ヴォーカルはブチ切れモードで咆哮を上げる。ほぼこのスタイルで、音源を聴いていて思った通りにライヴでもあまりどの曲も差異は感じない(苦笑)。だがブルータルな地獄絵図に叩き落とす絶大なるパワーを誇っている。有無を言わさず圧倒されてしまうこの感じ、凄かった。ブラックメタルもカオティックもオルタナティヴも全て飲みこんだ強烈な激情ハードコア。問答無用のかっこよさですね。案外、演奏時間は35分程度と短かったけど、十分におなかはいっぱい。ちなみに彼等の作品は、レーベルのDenovariでフリーダウンロードできます。気になった方は是非。

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 帰りにはcelesteとheaven in her armsのTシャツを購入。今日の素晴らしいライヴの記念品。

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