2012/01/09/ 心SP 3rd ~あの衝動をもう一度~ @ 名古屋

 名古屋でのライヴなのに、なぜか名古屋のバンドがひとつもいないが凄く素敵なイベントである。同日には、BO NINGENの名古屋ライヴがあったのだが、僕としてはこちらの方が断然惹かれるメンツが集まっていたので、7年ぶりとなるMUSIC FARMに降臨してまで見に行って参りました。もちろんお目当ては、良デビュー作を発表した東京酒吐座であるが、前々から興味津々だったkaninaや久 しぶりのOvumも一緒に見れちゃうっていうんだから個人的には凄くお得なイベント。藤が丘駅からふらふら彷徨いながらやっと辿りついたMUSIC FARMでの一夜を追った。

a short story

 スタートは17時からだけど10分ちょい押して、kaninaが登場。昔は関西、現在は東京で精力的に活動を続ける2人組で、音と映像で綴る儚い叙情詩 が胸を打つ。ギターをボウイング奏法で弾きながら揺らぎのある音像を構築し、そこにyukinoさんの凛としたピアノと歌声が添えられていく 「forget me not」は、彼女を主役にした映像もまた印象に残る。そして2曲目にして最後の曲は、09年に発売した『a short story』の第2話にあたるものが披露された。題材は前作に続いて少年の旅路。スクリーンに映し出された柔らかなタッチの手描きの絵(上記のジャケ写を 参照に)と繊細に奏でられる音がリンクして物語を綴っていく。フルートの音色から始まって、打ち込みのリズムにストリングスやシンセの音色が折り重なり、 歌とピアノとギターをメインに少しずつ展開。その物語はオーケストラのような拡がりも伴って、哀しみ、切なさ、楽しさ、歓びを運びながら美しい軌道を描 く。そして、最後には耳を劈くような大音響が温かく希望を鳴らして終幕を迎える。まあ、こう書いてはいるが最初は長いだろうなあと思ってボーっと見てたん だけど、うさぎさんが亡くなった辺りからストーリーに見いってしまって、最後に向かっていくにつれて感動が押し寄せてきてこの30分超の楽曲の深みを感じ る結果に。また近いうちにライヴを堪能できればいいなあと思う。

 2番手はOvum。昨年のこどもの日に行われたcelesteとheaven in her armsのライヴで見て以来(多分、彼等が名古屋へ来るのもそれ以来)だが、本日のメンツの中でも特に抜きんでた”ライヴ力”を感じるステージであった。両脇にある椅子に座ってギタリストが演奏して真ん中にベース、後ろにドラムという演奏者の布陣、そして静と動を基調としたインストゥルメンタルであることから前回の感想でも述べたようにどうしてもMONOがよぎってしまうんだけど、やっぱりあの凄まじい轟音が鳴らされると問答無用でビクンと反応してしまう。1曲目が始まってすぐのあの大轟音、あれで完全に会場を掌握してそれ以降は彼等のインストがドラマティックに研ぎ澄まされていった。個人的には2曲目にやった新曲かな?が少しマス系の薫りを漂わしながらギターのユニゾンで小気味よく畳みかける感じがかっこよろしい。これからも色々なタイプのインストを集約しながら飛躍していきそうな予感。最後の曲の轟音クライマックスは圧巻だったし、前述したように前回見た時よりも彼等のライヴの巧さを大いに感じたステージとなった。今年発売するという新作に期待。

 続いては京都のGUSANOS。全く予習せずに臨んだら、サウンドチェックの時から確かスレイヤーを弾いてて、お、なんだこのバンドは!?と不意を突か れて始まったら思いっきり体育会系。みんなで体動かしてロックを楽しもうぜというノリ。音楽的にはFuneral For A FriendやSilversteinみたいなキャッチーさを持ったスクリーモって感じだけど、Voはほぼ絶叫メインで、さらにメタリック&ドラマティッ クに仕上がっている。ドラムの人がtoeのTシャツ着てたけど、そっち系の叙情性や小気味良さも楽曲に反映しつつ、タッピングなんかのテクニカルな事もさ らっと入れてる辺りがおもしろい。まあでも、良くも悪くも今時のバンドかなあという印象なんだけど、メタリックなリフとか入ってくるとやっぱり体が反応す る。イベントがイベントだけにアウェイ感の中で戦っていたが、「音楽という帰れる場所を大切にしたい」というMCも含めて彼等はナイスガイであった。ちな みに京都には誰も住んでないらしく(大学が京都だとか)、メンバー2人は関東にいて屈指の遠距離バンドだそう。

 インパクトだったら4番手に出演したmojaが一番凄かった。フロアの中央で演奏するのに加えて、ベース&ヴォーカルにドラムというデュオ編成はライト ニング・ボルトを思いっきり彷彿とさせる。けれども、あそこまでネジはぶっとんでなくて、もっとわかりやすいノリでダンサブルな昂揚感とトランス的な快楽 まで加えながら身体に直接訴えかけていく。特にザック・ヒルに影響受けたと思しき凄まじい手数を繰り出す女の子ドラマー(スカートで叩いてんだぜ!)には 圧倒された。そこに歪みまくったベースとイっちゃってる系のヴォーカルも交錯して混沌の渦へと放り投げる。「この押しまくった時間をハイスピードで巻き戻 します!」という頼もしい言葉と共に駆け抜けた30分にも満たない時間は、確かな衝撃を与えていた。帰りに音源買えばよかったとちと後悔。3月にはアナロ グオンリー(MP3ダウンロード付き)で新作出すようです。こちらは是非ともチェックしたい。

 そしていつの間にか出演者に名を連ねていたLAZYgunsBRISKY。3年前のフジロックのちっこいステージでゲリラ的にライヴしてたのを覚えてる けど、ちゃんとライヴを通して見るのは初めてかな。メンバー全員女性のロックンロール・バンドで、ベンジーがかつてプロデュースしてたりする。僕の好みか らは外れるんだけど、オールドスクール、ガレージな感じもするロックンロールでそういったのが好きな人からすればかなりツボにはまりそうな音楽だと思う。 ガーリーな可愛らしい要素もまぶしながら、かっこちょいかわいいみたいなステージを披露してたけど、彼女たちも物凄くアウェイの雰囲気で大変だったかと。 あと、個人的にはゴッドタンの曲が聴きたかったな、これしか知らなかったので(苦笑)。

japan shoegazer as only one crystallize turnaround

 最後は東京酒吐座。1曲目がまさかのカバー曲でびっくり。シューゲイザー・アンセムのひとつのマイブラ「Only Shallow」やられたらシューゲ・ファンはみんな歓喜ですよ。あのうねるギターが鼓膜を劈き、女性ヴォーカルが・・・聴こえてこないよ。あの甘美な ハーモニーが聴きたかったのにとは強く思ったけど、今回のライヴは全体通してもヴォーカルが音量的にほぼ死んでて(あえてそうしているのかもしれんが)、 轟音ギターの中で埋もれていたのが個人的には残念だったな。ただ、やっぱりライヴ自体は職人達の集まりで非常にプロフェッショナルなものだったと思う。お 遊びで最初集まったはずなのに、あまりにガチすぎるシューゲイザー・サウンドに、轟音ポストロックまでを見事に鳴らしながら会場を魅了。特にトリプルギ ターによる迫力はたまらないものだったし、ササブチ氏のドラムも流石でございました。アルバムでも好きだった『Just Alright』や『Bright』は心傾いたし、本編ラストの『Back To My Place』はササブチ氏の力強いドラムの先導と共にクライマックスで音圧を増して登りつめていく様が凄まじかった。ここが本日のハイライト。アンコール では完売となったEPの曲を披露して、当初の60分セットから50分程に短縮せざるをえなくなった名古屋のレコ発公演を締めくくった。

 終わってみれば23時ちょうどぐらい。藤が丘という遠い場所での開催ということもあって、素早く会場を後にして帰宅の途へ。無事に帰宅はできたのでその 点は安心。もちろん6バンドも出演して、それぞれの持ち時間が基本40分だったので長丁場になることは覚悟していた。っが多少の押しは仕方ないにしても、 あそこまで時間が押していたのはしっかり管理してくれよと思うのが本音。いや、トリのバンドに時間のしわ寄せが来るなんて基本的にありえないことですから ね。今回のイベント自体は、幹となる部分をしっかり提示しながらバラエティ豊かなメンツが揃った凄く良いものだったので、前述の点を反省してもらってまた いいイベントを主催者にはこれからも組んでいただきたいものです。個人的には時間の問題以外は概ね、満足してますし、新しい感動を得る事が出来たと思って ます。

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