2012/06/24/ Anrietta @ 下北沢ERA

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さて、高速バスではるばる遠征して、Anriettaを見に行って参りました。個人的に推してる期待大の都内のドリームポップ5人組。jukiとのスプリット作品でその存在を知ったわけなんだけども、彼等が生み出す叙情的ででファンタジックなサウンドはとても素敵で、初めて聴いた時からかなり惹かれた。それが昨年1月ぐらいの事で、先月に発売された1stアルバム『Memoraphonica』はさらに魅力的なバンドに進化。その作品は個人的な上半期ベストアルバムに選出するぐらいにとても気にいっている一枚だ。某サイトではメール・インタビューもさせていただき(1stアルバムのレビューもあります)、ちょっとしたご縁もある。今回出向いたのはその御礼というのが少なからずあるが、単純に今、絶対に見ておきたいバンドという思いが強かったからという方が大きい。共演がmiaouにOVUM、cokiyuという贅沢さもその気持ちに拍車をかけてくれた。こちらも非常に楽しみである。

 しかし、下北沢は何回も東京に向かってるわりに今回で初めて訪れたのですが、自分が田舎者すぎて泣きたくなった。オシャレな街に右往左往。街の雰囲気には飲まれ、だからか会場の下北沢ERAに行くのにかなり迷ってしまったし・・・。

ascension microcosmos joy to the world. ep
1. OVUM

 というわけで迷った末になんとか到着したが、15分ぐらい遅刻した(苦笑)。入った時には、既にOVUMのビューティフル轟音インストゥルメンタルが炸裂しておりました。静から動へ。ある意味、様式美なんですけどその鉄壁のアンサンブルできっちりと形に昇華し、感情へと訴えかけてくるのは流石。ベーシストの方は、1月に名古屋藤が丘MUSIC FARMで見た時と変わっていたが、音を聴いてる感じだと溶け込んでいるようには感じられた(西の方に住んでるので1年に1回見れるかどうかですけどね)。ライヴは多分、全部が新曲っぽかったけど、前述した1月のライヴで聴いた時にいいなあと感じたマス系ちょい入った小気味よいギターロックっぽいのはやらなかった。けれども、膨れ上がる轟音に何度となく至福を感じる壮大な最後の曲にはやっぱりグッときたなあ。そろそろ新作が出るとは思っているので期待して待ちたい。

New World Line

2. fha’na

 はい、わたくしの疎い分野がきましたよ。というわけで、ボーカロイドとかアニメとかそっち系の未知にも近い音楽。本当にこの方面は弱いんです・・・。このユニットの紹介見るだけでもインターネット新世代やニコ動、初音ミクとか手強い単語が並ぶわけでございますが、キーボードやラップトップを主体としてつくられたであろう楽曲に、今回はバンド・セットというわかりやすさも手伝って、非常に親しみやすいサウンドが鼓膜から浸透してきた。ドラム(キンモクセイの人)やベースにサポートを入れ、最近出たアルバムの楽曲でゲスト・ヴォーカルとして歌っていたtowanaさんというかわいらしい方が伸びやかな歌声で加勢。壮麗なアレンジもバッチリと効いていて、キラキラと瑞々しく、また爽快感のあるポップスが単純に心地よいものだった。じっくりと聴かせる歌ものから駆け抜けるような疾走感のある曲まで魅力は十分。普段行くライヴでは出逢う確率は少ないので、こういった発見を頂けたこともまた、時間かけて出向いてきてよかったなと思えましたね。さよならポニーテールの曲のリミックスもやってるらしいよ。

The day will come before long All Around Us The Night Will Come Before Long
  

3. miaou

 アルバムは2作品ほど聴いてるけど(去年出たアルバムはまだ聴けてない)、意外にもこの日で初めて見るmiaou。3月のRadical Faceとのツアーは行きたかったんですけどね・・・都合上行けなかった。しかしまあ、熟成した味のあるライヴというか。力強さ、しなやかさ、美しさ、そのどれもが見事に組み合わさっているパフォーマンス。鉄琴やサンプラー等の多楽器を使ったバリエーション豊かな展開に引き寄せられ、またそのハーモニーの美しさに酔いしれる。1曲目から巧みなアンサンブルで組みたて、熟練した者だけが味あわせてくれるライヴという印象を与えていた。彼女達の音楽からはポストロック~エレクトロニカといった単語は浮かんでくるけれども、日本人らしい情緒や息遣いが楽曲から感じられる。郷愁のメロディにほっこりと温められ、そして力強い轟音が感性を大いに刺激。精巧に組み合わさっていく音の数々は、本当に美しい。特にラストはmiaouの楽曲の中でも一番好きな「Hello World」が演奏されたので、心が傾きましたね。でも全4曲約30分は短いので、もっと長い時間じっくりと見てみたいところ。

Your Thorn Your Thorn remixes Mirror Flake

4. cokiyu

 4番手はcokiyuさん。ラップトップとシンセ(多分)、多重録音される声、そしてVJと共に創り上げる儚くも優しい世界が絶品でしたね。幻想的なエレクトロニカ~最近のベッドルーム・ポップとも近い印象はあるけど、声を丁寧に重ねながら独特の空間を生む手腕にうっとり。いつまでも続いて欲しい癒しの音色は時に儚く、そして優しく。それがVJと合わさることで視覚的な美しさも加味され、多幸感が増していた。MCも可愛らしい人柄が出てて良かった(笑)。2ndアルバムの曲だったかな、それがTBSのチョイ番組で使われているらしいので要チェック。

Memoraphonica anrietta2nd lakshmi

5. Anrietta

 そして本日のお目当てのAnriettaは21時半から。もちろん、1stアルバムを聴いた時から彼等に対する期待は大きかったわけだが、せーので最初に解放された音からは十分すぎるぐらいの気迫が伝わってきた。VJの演出(by yuma saito)と相まっての渦を巻くような轟音。。ベースでボウイング奏法!?とそこにも驚かされたが、あらゆる感覚を奪ってしまうぐらいの迫力やエネルギーを感じずにはいられなかった。

 そこからいきなり1stアルバムの名曲「Grassky」へと突入していくんだから、さらなる驚き(いきなりこれやっちゃうのかよ!?)。じっくりと聴かせる様な美しいイントロを抜けると、切なくも力強いkokkoさんの歌唱が感情に訴えかけていく。そして、静と動のドラマを際立たせた非常にダイナミックな構成が、ライヴだとさらに効果的。楽曲の表情をまるで一変させる様な終盤からの轟音の嵐には、飲みこまれるかと思ったほど。いやはや、生ではこれほどの体験をさせてくれるとはね。そして、軽やかにワルツを踊る様な鍵盤の調べから、幻想的なポップスを響かせる「On the way across the rainbow」へと続いていく。特に今回見てて驚いたのは、kokkoさんのヴォーカルで、インストとしての聴き応えもあるAnriettaのサウンドに、生命の息吹や彩りを吹き込むような歌の存在感が際立っていた。CDでは歌と演奏のバランスが良いバンドだと思ってたけど(むしろ演奏の方が惹かれる部分は多かった)、”歌のバンド”という印象に僕の中では大きく塗り替えられたかもしれない。

 3曲目には個人的には彼等の曲ではかなり気にいってる「amaranthine」を演奏。オーケストラルなアレンジと相まってその音の分厚さ、豊かな詩情がライヴだとなお輝きを増す。光のカーテンに包まれていく「thaw」は、男女ヴォーカルの掛け合いのような序盤から、エンディングで訪れる轟音がまた凄まじい印象を残していた。本編はアルバムでも最後を飾る「Story of circle」をしっとりと歌い上げて終了。

 twitterの感じから頻繁にMCをするのかなと実は思っていたけど、世界観を守るためなのかそうでもなく、アンコールで出てた時に感謝を述べるにとどまった。ここではgenki君が話していたが、メンバー全員に少し安堵した表情も見受けられたので、いかに集中して本編の演奏に臨んでいたのかがわかる。そのアンコールで披露されたラストの曲は、彼等自身がAnriettaの名刺となる1曲だと自負する「aqua」。素敵な夜を壮麗に締めくくる美しい1曲が、Anriettaの可能性を物語っていた。

–setlist–
1. Grassky / 2. On the way across the rainbow / 3. amaranthine / 4. thaw / 5. Story of circle
Encore. aqua

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 終演後には、genki君(一瞬だけkokkoさんも)とご挨拶できてよかったです。100円のステッカーを500円で買わされそうにはなりましたが(苦笑)。いろいろと聞いてみたいことがもちろんあったけど、それは彼等がいずれ名古屋に来た時にでも聞いてみようと思う。ただ、今のところは名古屋でのライヴ予定は無いらしいので、どなたかが呼んでくださることを願う。画像は本日のライヴで配布された3曲入りのCDの『Another Memoraphonica』、そして物販で購入したステッカー(パソコンに貼りましたw)。CDには、メルマガで配信したribbon。on the way across the rainbowのギターと歌バージョン。Aquaのピアノと歌バージョンが収録されているようです。こちらは演奏がかなり削ぎ落されているけど、歌がじっくりと堪能できる内容でまた良いですね。

 長々と述べてきましたが、この日は本当に行って良かった。素敵な夜に感謝。

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