2012/09/10/ RINGO DEATHSTARR @ 名古屋今池HUCK FINN

アメリカ・オースティンのシューゲイザー/ノイズ・ポップ3人組、リンゴ・デススターの来日公演にお邪魔してきた。マイブラな音楽性に、紅一点ベーシストのアレックスの存在もあって、日本でも人気はうなぎのぼり。昨年は、フジロック・ホワイトステージへの出演を始め、一時期のモグワイ並みに頻繁に来日公演を行った印象があります(確か3回来日してる)。でも、ライヴのMCで言ってたように名古屋はお初。動員はかなり心配されたけれども、20時という遅めの開演時間と話題性も手伝って結構な人数が集まっていた。

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ライヴ感想

ライヴは、20時10分ぐらいからスタート。タワレコ限定のワンコイン・シングル『RIP』発売記念&まもなく発売のニューアルバム『MAUVE』のお披露目という意味合いが強いといえば強いライヴなので、初っ端からいきなり新曲披露。パワフルなドラムを下地にうねるギターが鼓膜を劈く。この曲だけではなく、新作から披露された曲はジザメリっぽいノイジーさが強まったのかなと個人的に感じる事が多かった。

予想以上にパンキッシュ&ラウドだし、痺れるよう なフィードバック・ノイズも自在。加えるとフジロックで見た時よりも力強い印象もある。これは、敬愛するスマパンと一緒にツアー廻って鍛えられたのかなあ と。ただやっぱりポップという要素は鮮やかに息づいていて、エリオットとアレックスの男女ヴォーカルも息ぴったりでメロディも冴えている。

ちなみに序盤で演奏した甘酸っぱさと疾走感が心地よい「So High」では、途中でトラブったりするハプニングもあったり。かと思えば「ドウイタシマシテー」とエリオットが唐突に言葉にする場面も(笑)。アレックスはその仕草ひとつひとつが野郎どもの視線をもっていく(手を振ると、普通に返してくれるんだよね)。こうしてみるとリンゴ・デススターは音楽もそうだけど、人間的な親しみやすさがある。なによりメンバーが楽しんで公演に臨んでいるなあというのが凄い感じ取れてこちらも見ていて嬉しくなってくる。特に「Do It Everytime」が演奏された時は、会場が飛び跳ねるほどにハッピーな雰囲気に包まれていた。

中盤の「Shadow」ではアレックスがギターに持ち替え、彼女の麗しいコーラスとエリオットのパンキッシュな叫びの掛け合いが独特の雰囲気を演出。美 麗なノイズ・ポップ「Two Girls」は単純に心地よかったし、視界が揺れる「Chloe」ではエフェクターを駆使した中間部のギターが印象的で、続けての「Sweet Girl」ではラストで一心不乱に演奏に没頭。

シューゲイザー愛はもちろんだけど、それだけにとどまらない要素が色々と散りばめられている。春風と陽光に 包まれたかのようにパッと明るくなる「STARRSHA」から美しい轟音ノイズに浸った「SWIRLY」という本編の締めくくりも意表を突かれた感じで良 かった。

アンコールでは、「NEW WAY」からスタートして攻撃的なギター・ノイズをかき鳴らしかと思うと、名古屋だけ特別(と言ってた気がする)という新曲「Girls We Knew」を披露。ラストはアップテンポな「Some Kind Of Sad」で80分強のステージを終えた。全体の印象で言えばフジロックで見た時よりもさらに力強くなってて頼もしいですね。

帰りに物販でTシャツを買ったけど、商品を買うとサイン会に参加できるらしく、整理券もせっかくいただけたのでサイン会にも参加することにした。サインしてもらうものがないよ!?と悩む。ほとんどの人がアルバムのブックレットとかTシャツだから違うものにし ようと思って、iPhoneケースとiPhone本体に自分はサインをもらうことにした。

しかし、メンバー3人ともライヴで疲れていて大変なのに、サービ ス精神旺盛で素敵な笑顔と共にお客さんとの交流を楽しんでいる。音楽性ももちろんだけど人間的な魅力もね。とにかく素敵な夜だったということです。リ ンゴ・デススターと関係者様、ありがとうございました。 

お読みいただきありがとうございました!
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