2014/02/09 drowned in desire @ 鶴舞DAYTRIP

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 昨年、幣サイトのインタビューに応じていただいた、東京のアンビエントコア・バンドのGlaschelimの2年半ぶりとなる名古屋公演に向かった。ちなみに前回、名古屋に来たのがあのポストロック・エレクトロニカなどを主としたライブイベントのsound of silenceの記念すべき第1回だという(ちなみに僕は、虚弱。が出演した第3回に行ったことがある)。その時から名古屋には好印象をもっていたそうで、昨年に1stアルバム『Perfect Cradle』をリリースしてからは、ずっと名古屋でライヴしたかったそうだ。ここまでひいきにしていただいていいのだろうかとも思うけど(笑)。

 しかしながら、前日の大雪による交通規制に加え、事故渋滞も重なって、彼等が会場の鶴舞DAYTRIPに到着したのは20時過ぎ。15時半過ぎてもまだ川崎付近を車で走行しているという話を聞いた時は、本気で驚いたし、最悪の場合はキャンセルもありえるとまで話していたが、まずは彼等が無事に到着した事にホッとした。

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 4番手のAudio Boxingまでの公演が無事に終わり、時刻もいよいよ22時過ぎ。「今日は会場に遅れてしまい、ライヴハウスのスタッフの皆様や共演者の方々にご迷惑をおかけしました。」というお詫びの言葉を述べてから、Glaschelimのライヴはスタートした。

 茫洋としたドローンっぽいアプローチながらも儚げな余韻を残していく「Shadow On Me」から、Pelicanばりの轟音が押し寄せる「Drift」がたちまち会場を掌握にかかる。空間を押し潰すような山口のヘヴィなリフ、そして雷神を思わせる広瀬のパワフルなドラミングが非常に強烈で、その震動がビリビリと全身に伝わってくる。ズッシリとくる重低音の凄みは、スタジオ音源の比では無い。またそれが彼等の実力を雄弁に物語っているようにも感じられた。代表曲といっても差し支えない「Nuclear」では、美麗な旋律を重ねながら天上へと昇っていくようなメランコリックさと激しさに持っていかれる。このJesuにも似た美重音のカタルシスは、なかなか味わえるものではないだろう。

 「雪が凄くて・・・。本当に参っちゃって・・・。でも、クリームがいっぱい入ったシュークリームを食べたら凄い元気になって。(中略)普段はしゃべんないんですけど、今日は変なテンションですみません(笑)」と普段は全く話さないというバンドが、何かに取りつかれたようにしゃべっている。イメージ崩れそうだけど、良いのだろうか・・・。しかもこの後には、シンセ担当の三友までMCをするという奇跡的な出来事まで起こったので、今回の名古屋ライヴは本当にレアなのかもしれない。

140209_6 「空気を変えてロマンチックな曲をやります」と1stアルバムの表題曲となる「Perfect Cradle」では、彼等のメロウな側面を堪能。思わずうっとりとするようなギターとシンセの音色が満点の星空を描くような絶景を奏でていく。アンビエント~エレクトロニカの柔らかさや煌びやかさも内包する彼等のサウンドの広さを感じた人も多いと思う。といっても夜遅かったので、お客さんはもう結構帰ってしまっていたけど(苦笑)。

 新曲もあるけど、アルバムの曲をいっぱい聴いて欲しいとのことで最後に演奏したのは1stアルバムの2曲目に収録されている「Prizma」。低音の効いたエレクトロ・ビートに生演奏のダイナミズムを加味することで、強烈な振動をもたらしていたのが印象的であった。しかも、終盤にはスタジオ音源には無いメタリックなパートが加算されていて、予想以上の破壊力に悶絶。あとで、本人から伺ったけど「Prizma」の本来の姿はあれです!と言われてびっくりのクライマックスでした。

 長距離移動の疲労・心労の上に、直前入りのためにリハも無かったので、最悪に近いコンディションであったと思うが、十分すぎるライヴを披露してくれたと思う。決して諦めずに名古屋に来てライヴしてくれたことに本当に感謝したい。ちなみにいうと、実はGlaschelimの面々はアンコールを待ってたらしい!?ので、申し訳ないことしてしまったなあと反省しています(苦笑)。自分ももう1曲やって欲しかったのでね。

‐‐‐setlist‐‐‐
Shadow On Me / Drift / Nuclear / Perfect Cradle / Prizma


 ここからは、他の出演者についても振り返っておきたい。到着が遅れてしまったので、MANDAMは2曲ほどしか見れなったけど、ジャーマン・プログレチックなものに人力の躍動感が強く押し出されていたのが印象的。近い存在をあげるならZOMBIじゃないかなあと個人的には思った。この日は2人編成だったけど、本来は3人で活動しているらしい。

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 2番手がサクラショック! [HARDCORE]とプリントされたTシャツを着た金髪ロン毛ヒゲメガネのGt/Voの男性と何事も蹴散らすパワフルな女性ドラマーの2人組(最初、女性ドラマーだと気付かなくてすみません)。風貌に似合わずシューゲイザー系だったんだけど、仕事先のパートのおばちゃんに「あんた、この年まで何してんの?」と憐れみを言われたらしいギタリストが、そのやるせない感傷を乗せて炸裂させるフィードバックが強烈過ぎて、僕も人生を見つめ直さなければいけない衝動に駆られるほどだった。ちなみにこの方、終演後にマイブラのMBVのシャツを着てたな。

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 3番手は、mitoaoto_という男2女2の4人組。一言で表現するならば「幻想と芸術と・・・」。しっとりとしたピアノの音色、軽やかなギター、屋台骨を支えるドラムの上に儚い女性ヴォーカルが折り重なる。流れ星に願いを込めるかのような幻想系サウンドは、VJによる映像喚起も加わることで高い芸術点を完全に狙いにいっていたが、これがじっくりと聴きいってしまうようなもので心地よかった。表現したい世界を丁寧に創造している点、やたらとドラマティックな曲構成なのも印象に残っている。しかし、ヴォーカルの女の子の不安定なMCが狙ってそうで狙ってない感じだったのは仕様なのか。

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 4番手がAUDIO BOXING。今回のイベントの主催バンドでいいのかな。kilk recordsからアルバムのリリースを予定しているらしく、先頃リリースされた先行デビューEPでは、Glaschelimがリミックスで参加している(ツジコノリコさんをフィーチャした曲もあり)。柔和なエレクトロ・ミュージック、滑らかなベースライン、リズミカルなツインドラムによる三位一体がダンサブルな昂揚感で満たしてくれた。聴き心地がとても軽やかで、あの反復のリズムが何も考えずにノせてくれるんで単純に気持ち良かったなあ。

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