2014/11/21-22 DIR EN GREY「TOUR14-15 BY THE GRACE OF GOD」@ ZEPP NAGOYA

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 約3年4ヶ月ぶりとなる9枚目のフルアルバム『ARCHE』をリリースを控えたDIR EN GREY。そのアルバムの発売に伴った全国ツアー「TOUR14-15 BY THE GRACE OF GOD」名古屋2日間に足を運んだ。この時点では『ARCHE』は発売されておらず、先日に『空谷の跫音』のMVとアルバムの全曲10秒試聴が公開されたのみ。ほぼ断片だけが提示された状態で未だ全貌がみえてないのだが、そんな中で『ARCHE』の世界観をどう提示してくれるのか。凄く楽しみにZEPP NAGOYAへと向かった。ちなみに今回は2公演をひとつの記事にまとめてお届けします。


DIR EN GREY11/21(金)

 初日から。開演の19時から程なくしてライヴはスタート。まずは薫が1人で登場して煙たくノイジーなギターを鳴らし、次にDieが出てきてクリーントーンのギターでポストロック風に仕立てていく。さらにはリズム隊が加わっていく形だ。これがオープニング曲の「and ZERO」で(といっても曲名は拾ったセトリ参照しています)、終盤でスクリーンに【TOUR14-15 BY THE GRACE OF GOD】と映しだされた時には、一気に昂揚感が高まった。

 そして、『ARCHE』の幕開けを飾る「Un deux」でようやく京@右腕負傷中が登場する(という記憶だが、前曲の最後に出てきていたかも)。ミドルテンポの歌もので、やや地味といえばそうかもしれないが、意表をつくようなオープニングの曲であった。続いたのは、「お前らの声を聴かせてくれえ、ナゴヤァァァァッ!!」という煽りから入った「Sustain the untruth」。シンプルな曲調からは信じられないくらいに盛り上がり、8月に行われたGAUZEツアーで体感した時も感じたが、サビでの大合唱の一体感は無敵な感じすらある。スタジオ音源とライヴでここまで印象がひっくり返る曲も珍しいものだろう。

 

ARCHE arche

 本編中盤は当然のごとく新曲タイムであり、『ARCHE』を巡る旅の深奥に進んでいく。その中で「鴉 -karasu-」がセトリに入ってる辺り、不思議な感じもしたが。特に本日のライヴでは個人的に「輪郭」~「濤声」~「空谷の跫音」が印象深かった。美しいファルセットを中心に独特の音世界を広げていく「輪郭」に圧倒され、リリカルなアルペジオとしっとりとした歌から感情を爆発させるように展開する「濤声」は、ポストメタル的な要素も感じさせる。昨日にリリックビデオとして公開された「空谷の跫音」は、Dieのアコギが美しく彩りを添え、京が丁寧に歌い上げていく。灯籠のような映像も加わり、Anathemaチックな儚い淡光のドラマを奏でていくようでもあった。公開されてから聴きこんでいったこともあり、本日はこの曲が一番印象に残っている。『ARCHE』のアトモスフェリックかつメロウな感触が強いのは、こういった楽曲の影響が大きいからだろうか。

 後半からは、既存曲が多めになってくる。「「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨」、早くも繰り出されたアンセム「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」、さらには「OBSCURE」という楽曲たちだ。新曲どんなもんじゃい!? とやや静観気味(とはいえ、盛り上がるようなところでは盛り上がってる)の中で、これらの楽曲ではメンバーも前に出てきて煽りも多い。振り挙がる拳も多く、歓声も一気に大きくなる。本編の最後はやはり『ARCHE』からの曲で「Chain Repulsion」という曲を披露。Shinyaの特徴的なドラムからということで、聴いててGAUZEツアー名古屋編初日に演奏された曲だとパッと思い出したが、変則的なロックンロールっぽいノリで十分に決まっていた。

 アンコールは、最新の『ARCHE』の曲から13年前の『逆上堪能ケロイドミルク』までの時を駆け巡る。その中でも「Beautiful Dirt」から「DIFFERENT SENSE」の暴曲2連発はとにかく強烈であった。そして、ラストは「Revelation of mankind」を送り込む。この曲が『ARCHE』のメロディアスな作風という印象を覆すかのようなドラマティック爆走型で、かつての「ピンクキラー」のような立ち位置になるのかも。いずれにせよ猛烈な台風のようでもありつつ、サビではしっかりと聴かせるように設計。眩しいぐらいのストロボ攻撃も手伝って、熱狂の初日を締めくくった。


141122_0211/22(土)

 続いて名古屋2日目である。この日は前日とは違い、900番代なのでいつものように後ろで鑑賞した。土曜日ということもあり、客入りは本日のほうが良かった模様。確かに前日は、結構スペースがあったなんて声が聞こえてはきていたが。

  この日もほぼ定刻にスタート。オープニングの「and Zero」から「Un deux」までの流れは前日と同じだったが、京がこの日はメイクをしていたのが目につく(昨日はノーメイク)。そして、昨日は本編ラストで披露した「Chain repulsion」へと繋がっていったが、恒例の「オトコォォオオ!」を始めとして随分と煽ってくる。会場も前日に聴いたこともあり、盛り上がりをみせて大きくうねりだす。「Cause of fickleness」「禍夜想」といった曲でも着実に浸透していることを伺わせる。Toshiyaのベースソロ・コーナーをはさみ、ここでようやく既存曲となる「Bottom of the death valley」へ。昨日はここが「鴉 -karasu-」であったが、ダウナーなミッドチューンを持ってきているのは『ARCHE』の世界観に合わせているからなのだろう。

 昨日の個人的なハイライトだった「輪郭」~「濤声」~「空谷の跫音」の流れは本日も不動。メロディが染みわたり、美しい音渦に吸い込まれていくかのよう。「空谷の跫音」は先行公開されているわけだが、アルバムとしても核のような存在なのかという認識が、本日聴いてより一層強まった感じだ。

輪郭(初回生産限定盤)(DVD付) SUSTAIN THE UNTRUTH(初回生産限定盤)(DVD付) Unraveling

 昨日は前半に披露されていた特徴的なイントロから緩急と起伏にとむ「鱗」が一閃し、「暁」の最中には京がジャケットを脱ぐ。昨日は脱がなかったのに(苦笑)。正直なところ、全体的にメンバーのテンションが今日の方が良かったという感じはあったし、ウォーミングアップは前日に済ました的な感もあった。しかも今日のほうが格段に煽りが多いのも印象的だった。

 そして、本編は「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」と「Sustain the untruth」で大いに盛り上がって締めくくられる。とはいえ「激しさ~」では入りのサビを京が歌わず、客に歌わせようとしたのが失敗してたが・・・(最初はポカーンとしたが、持ち直せる辺りはさすがにディルのアンセム)。「Sustain the untruth」を終えると、最後は1人残ったDieが手でエフェクター芸をみせ(ギュインギュインいわしてた)、はけていった。

 アンコールは「Revelation of mankind」を除いて入れ替わり。「THE DEEPER VILENESS」と「Spilled Milk」と「AGITATED SCREAMS OF MAGGOTS」といずれも個人的に7、8年ぶりに聴いたが、湯沸し器のように熱い空間を演出。続いて「ナゴヤァァ、お前らそんな大人しかったかー。かかってこぉい!」と煽ってからの「羅刹国」で獰猛な地獄を現出させ、本日一の熱狂を生み出す。そして、この日も「Revelation of mankind」で終演。楽器隊の水かけタイムと餌巻きタイムのサービスが行われ、最後は珍しく残っていた京がお立ち台でフロアを何ヶ所か指差した後、胸をトントンと叩いて、深々とお辞儀して帰っていく。こんなこと今まであったっけ?という凄いシーンを見て、名古屋2日間は幕を閉じたのであった。

 2DAYSということで、前日にやってない『ARCHE』の曲を演奏するのかといえば、そうでもなく両日共に同じ曲が続いた。「Phenomenon」「懐春」などまだ5曲ほどが明らかになってないわけだが、ツアー後半に披露されていくことになるのだろうか。名古屋以降のライヴに行かれる方の続報を待ちたいところだ。

 肝心のニューアルバム『ARCHE』だが、個人的には前述したようにアトモスフェリックかつメロウな方面に振れているのかという印象を受けている。やっぱりsukekiyoからの還元もあるのかなあとも感じている。しかしながら、ライヴのラストに演奏した「Revelation of mankind」やおそらくライヴで披露してないが試聴段階のインパクトが大きい「The inferno」のように激しい曲も当然ながら完備。振れ幅の大きい作品にはなっていると思うので、とりあえず『ARCHE』の発売待ちということになるだろう。しかし、15年前の時空を旅したかのような8月のGAUZEツアーも新鮮だったが、今回の手の内が明らかになってない中でのライヴも新鮮であった。

2014/11/21 ‐‐setlist‐‐

01.and Zero
02.Un deux
03.Sustain the untruth
04.禍夜想
05.鱗
06.鴉 -karasu-
07.輪郭
08.濤声
09.空谷の跫音
10.欲巣にDREAMBOX あるいは成熟の理念と冷たい雨
11.Cause of fickleness
12.激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
13.OBSCURE
14.Chain repulsion

‐‐‐encore‐‐‐    
15.STUCK MAN
16.逆上堪能ケロイドミルク
17.Beautiful Dirt
18.DIFFERENT SENSE
19.Revelation of mankind

 2014/11/22 ‐‐setlist‐‐

01.and Zero
02.Un deux
03.Chain repulsion
04.Cause of fickleness
05.禍夜想
06.Bottom of the death valley
07.輪郭
08.濤声
09.空谷の跫音
10.欲巣にDREAMBOX あるいは成熟の理念と冷たい雨
11.鱗
12.暁
13.激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
14.Sustain the untruth

‐‐‐encore‐‐‐    
15.THE DEEPER VILENESS
16.Spilled Milk
17.AGITATED SCREAMS OF MAGGOTS
18.羅刹国
19.Revelation of mankind

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