2014/11/23 isolate 「ヒビノコト Release Tour」@ 今池HUCK FINN

 isolate

 イタリアの激烈ハードコア・バンドのThe Secretの招聘した経験があり、今年リリースした待望の1stアルバム『ヒビノコト』が好評であるisolateが、5年ぶりに名古屋に襲来。発表当初は前述の『ヒビノコト』のリリース・ツアーという告知であった。だが急遽、デンマークのブラッケンド・ハードコア・バンドのHexisの来日最終公演も兼ねることになった。しかも久しぶりの復活となるカリフォルニア meets NAGOYAの雄・DOIMOI、金沢からはTHE DONOR、東京からはasthenia、山梨からはbirthが共演に名を連ねる。福澤朗が「ジャストミーーット!」を連呼したくなるラインナップが辺境地・名古屋で実現したのだ。本当によく揃えたなあと感心するが、故に客入りも良いと素直に感じた。

Materials Science themore Dialectic And Apocalypse

 トップバッターを飾るのはまさかのDOIMOIである。初っ端からまさかの外タレ(仮)である。約1年数ヶ月ぶりぐらいの復活祭だ。僕自身は見るのは、kamomekamomeの3rdアルバムのレコ発以来で3年ぶりなんだけども(苦笑)。

 さて、ライヴの方はというと待ちわびたファンが多かったこともあり、結構な盛り上がりぶりである。初っ端の「遺跡」から彼等の名刺代わりの代表曲「円群」でグングンと熱気が上昇。重くて鋭いリフ、変則的な展開、ところどころのキメとアンサンブルは冴え渡る。「郷愁YEAH」のみんなで一緒に拳をあげて叫びたくなる感じも変わらず。ああDOIMOIよ、怒胃漏威よ。この情熱のロックを待っていたのだよ。決してこちらのDOIMOIではない。しかし、Vo&Gtの二村さんってメガネだったと思うけど、この日はコンタクト(とりあえずメガネしてないと言いたい)で若返った感じがした。あとのメンバーは相変わらずの風貌だったが。SUGIYAMAさんのENGLISH MC(日本語まじり)も変わってない。あの外人がカタカナで読むような日本語のしゃべり方にやっぱり笑いが起こる。かわしきれてない感じなんだよなあ(笑)

 「誓い」からのラストスパートも強烈。痺れるようなリフが特徴的な「誓い」は、DOIMOIの楽曲でも特に好きだと改めて実感。最後はマットガファリばりの超重量級曲「オリンピック」を叩きつけて、終了となった。いやあ、お見事。カリフォルニアからお疲れ様でした。全部のバンドを通した感想を先に書いちゃうのも変な話だが、DOIMOIが一番湧いていたと思う。

‐‐‐setlist‐‐‐
遺跡 / 円群 / 郷愁YEAH / 静かな庭 / 小鳥 / 誓い / 誰が傾いているか / オリンピック

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 2番手には、astheniaが登場。8月にblue friendと共にCalculatorを招聘した経験を持つ5人組である。ちゃんと音源を聴いたことがなかったので、先のDOIMOIからかなり激情系~カオティックなハードコアに振れたので面食らった。1曲目からギタリストがドラムに乗り上げたり、ドラマーが着ていたシャツを客席に投げる。さらにMoss Iconのシャツを着ているヴォーカルが、喉が擦り切れるように叫び続ける。叙情的な儚いパートも各所に用意しているとはいえ、それを一気になし崩すような激しさと瞬発力があり、展開も奇抜だ。盟友のblue friend、さらには京都のNone But Air辺りを思わせる部分もある。激情系ハードコアからエモヴァイオレンス辺りを上手く自身の実にしているというか。そんな音楽ゆえに、メンバーも頻繁機敏にステージを動きまわって、ヴォーカルはステージとフロアを行き来して叫び続けた。

 しかし、MCはベーシストの方が担当するようだが、礼儀正しい挨拶と紹介が続いたためにさっきまでの喧騒が嘘のように爽やかな空気に変わる。そこでは「Caluculatorを呼んだのも大変だったので、是非Hexisの物販へ」という言葉も聞くことができた。経験則から出てくる彼等の言葉だからこそ、重い想いが乗っている。また、メンバーの丸刈り率が多かったのもご愛嬌。時間の流れが早く感じた20分強で、彼等もまた熱かった。

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 そして、3番手にbirth。弊サイトが大変お世話になっているTokyo Jupiter Recordsさんとも親交が深い山梨のハードコア・トリオである。「山梨県甲府からきました birthです。よろしくお願いします!」と挨拶してから始まったが、彼等もまた心を揺さぶるハードコアで会場を湧かす。印象としては、もっとエモ寄りなのかなと勝手に思ってたら、予想以上にヘヴィで激しい。激情系という言葉がリンクするサウンドであり、三人のアンサンブルが波のような大きなうねりを生み出す。また哀愁に加え、不器用で後ろめたい感情も孕みつつ、全てをぶつけるように歌い叫ぶ姿勢にはこみ上げてくるものがある。情熱的でいて土臭くもあり、20分ほどのステージには強いインパクトがあった。トラブルもあったため、する気のなかったMCをしたそうだが、今度はMCなしでヴァンフォーレ甲府の要塞守備盆地ばりの魂のロックを是非。12月6日には、mynameisとツーマン企画を行う模様だ。

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 そして、ここから3LA色が強くなってくる後半戦。4番手には金沢のTHE DONORだ。今年リリースした1stアルバム『Agony』の迫力で並の人たちではないことはわかっていたとはいえ、曙太郎が時速300kmで突進してくるかのごときサウンドは強烈以外の何物でもなかった。ライヴだとさらに勢いとエモーションが過剰になっていて、瓦割り50枚もイケそうな破壊力へと昇華。基本はハードコアにスラッシュメタルやデスやクラスト等を交えた感じなのだが、激しさ、重さ、スピード感と研ぎ澄まされている。さらに代わる代わるギターとベースの方がヴォーカルを取るのも熱い。そこにはスラッジ・メタルの拷問も待ち構えており、速遅の両方で恐ろしい空間を演出。

 その割にドラマー(メイクして全身タトゥーだらけ)の方は怖そうな容姿とはギャップのあるぐらいに饒舌に喋り、isolateとの馴れ初めから12月の金沢でのライヴ企画について話し、空気を和らげてくれた。個人的にはアルバムの中で一番好きな「Shine」を中盤に演奏してくれたことに歓喜。ラストの「Fearless」まで 作戦を「ガンガンいこうぜ」に設定した感じで、攻めて攻めて狂暴に噛みちぎるようなライヴでありました。

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 5番手に、自称世界最強FWを輩出したデンマークからやってきたHexisである。3LAの水谷氏の尽力によって初来日を果たした彼等は、前日までの8日間で6公演をこなしてきており(まんだらけも堪能)、各公演で五感に焼きつくようなインパクトを残している。既に語り草にもなっているが、EXTRA SHOWとして急遽決まったここ名古屋が本当に千秋楽。多くの人たちがそのステージに胸をふくらませていた。

 そして、ライヴは始まる。HUCK FINNの照明が全て落ち、自前?の照明機材によるストロボのみが光となる中、隙間なく音に埋め尽くされていていく。獰猛なブラッケンド・ハードコアの新星として名高い彼等だが、洪水のようなトレモロ、痛快に打ち込まれるドラム、全民族の怒りを乗せたかのようなヴォーカルの叫びが肝となっているとはいえ、そのサウンドは音壁のように鼓膜に圧し掛ってくるようだった。緩急は巧みにつけているが、残忍で激しくて重いというのに特化している。 全てが『暗黒だ』と言いたいかのごとし。

 思い出されるのは、3年半前に同じHUCK FINNで見たCelesteである。しかしながら、Hexisは人と人とがふれあい、血を通わせるようなライヴをする。その大きな理由がVo.フィリップだろう。前日までの体験談では、フィリップがステージにほとんどいない、客に絡みまくる、みんなで空中遊泳するなどの話が散見された。現場検証した結果では確かにその通りだった。名古屋ではステージとフロアには半々ぐらいで居た感じではあったが。それでも知らない人からすれば、つの丸先生のマンガのキャラクターみたいな顔であっけにとられたことだろう。

 暗黒激音放射が延々と続く中で、終盤には水谷さんへの感謝を述べていたのも印象深い。ラストは速度を落としてスラッジ黒海に押し流される。そう、今はHexisが誘うままに OH 溺れるしか無い。気づけば暗闇の中で、「Thanks So Much」という言葉が聞こえてきて、終わっていた。

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Hexis宇宙開発 白光の旅のご様子

 Hexisのライヴ、何よりびっくりしたのが、1人だけデスメタル~スラッジ系バンドにいそうな巨漢ギタリストが左手の薬指に指輪をしていたこと。ってことはそうなんですか。そうなんですよね、きっと

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 トリを飾るのは主催のisolate。まずは主催者として本日出演の全バンドに賛辞を送ってから、ライヴがスタートする。オープニング曲は「解纜」でいきなりのシューゲイズ風の轟音が立ち上がり、一気に加速。その後もツインギターが美と激を奏であい、ブラストを交えながらの高速で心身に衝撃を与えていく。間髪入れずに曲は続き、SoundCloudで公開されている「航路の先」まで斬鉄剣のごとき切れ味が続いた。その中でVo.Ando氏は、メガネを取ったら人格が変わるのかというぐらいに叫ぶ、とにかく叫ぶ。声もそうだが、体全体から絞り出してエモーションを放出しているかのようなパフォーマンスは見ていて、熱くさせられた。

 後のMCでも述べていたが、今宵は実に5年ぶりとなる名古屋公演。さらにはここまでの5バンドがそれぞれに爪痕を残しただけに気合も十分過ぎるほど入っていたことだろう。「懐かしい曲をやります」といって始まった昨年のEPに収録の「塗り重ねた虚像の果てに」ではインストのheaven in her armsのような暗美の音像を築き上げ、「狂う影にあわせて」のスピードと狂気で一気に突き崩す。その後の「ヒビノコト」からの出典も一切の手加減はない。殺気、激情、怒気、暗鬱、性欲などのあらゆる感情を全部乗せトッピング(隠し味:希美まゆ)で掻き鳴らすエクストリーム・サウンドである。

 「屁理屈」から本編ラストの「終末まで」をフルスロットルで駆け抜けると、ベーシストの方が天に召されかけたかのように見事な感じで倒れこんでしまった。メンバー4人がはけていっても、ベーシストはうつ伏せで倒れたまま。なんという倒れっぷり。「1人死んじゃったけど、1曲アンコールやります」といったら立ち上がりましたけどね(苦笑)。その最後は、前EPからの「落日」。残りの力を全て振り絞って音に込め、会場を狂乱へと落としこむ。Ando氏は客席に乗り込み、共演者の何人かに抱きつきに行き、フロアに倒れこんでまで叫び通した。壮絶。

 

 

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isolateラストシーン一歩手前ぐらい

‐‐‐setlist‐‐‐(Vo.Ando氏 ご協力感謝!)
解䌫 / 閉ざされた中で / 航路の先 / 塗り重ねた虚像の果てに / 狂う影にあわせて / 裏側の微笑
屁理屈 / 歪 / 終末 / En.落日

 


 

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  こうして6バンドによる激夜は終演を迎えた。しかし、改めてこのラインナップが名古屋で見られたということに感謝したい。isolateの名古屋場所にふさわしい、またHexisの来日公演千秋楽にふさわしい激しさと熱さを帯びた夜だった。そして未確認物体であったデンマークのHexisは、無茶苦茶熱いヤツらだった。

 終演後に3LA水谷さんとお話したけど、今後もいろいろとリリースが続くそうなので期待して待っていて欲しいとのこと。彼はこれからも激音好きの光となってくださることでしょう。っていうかHexisの国内盤のSpecial Thanksのところに、自分の名前入ってて恐縮です。こちらこそいつも感謝しています。そして、最後は敬意を表してこの言葉で締めくくりたいと思います。

 【唖薔蘿憮】

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