【作品紹介】Leaving『Liminal』

 カリフォルニア州オークランド出身のドゥームゲイズ4人組。2021年から始動。Noothgrush、Amber Asylum、Graves at Sea、Lycus、Funeraryの現役/元メンバーを含む、主にドゥーム~スラッジ人脈で構成されています。そういった背景をもとにドゥームメタルとシューゲイザーの融合を図っている。

 本記事は2024年3月にリリースされた1stアルバム『Liminal』について書いています。

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作品紹介

Liminal(2024)

 1stアルバム。全6曲約32分収録。地元オークランドのレーベル、Transylvanian Recordingsからのリリース。タイトルのLiminalには中間という意味合いを含んでいるようですが、Leavingのドゥームゲイズは確かにドゥームもゲイズも五分五分の均衡が保たれています。

 作品に通底するのは重厚でいて幽玄たる雰囲気。出足を飾る#1「Slow Motion Collapse」からゆっくりとした進行を信条とする中で、slowdive系ともいうべき幻想性をまとっていきます。

 #2「Broken Flame」ではドゥーム由来の暗鬱と重みが併走するようになりますが、儚げなヴォーカルやクリーントーンのギターがまろやかさを担保。表題曲の#6「Liminal」の終盤では威嚇するようにヴォーカルが吠える瞬間もあれど、基本的にやわらかな聴き心地をずっと意識したつくりです。

 力士ばりのどっしり感とメランコリックな性質が互いに雰囲気作りをしているといいますか。何かのバロメーターが突出しているというわけではありませんが、ゆっくりとした音の満ち引きに精神的に揺らぐ。

 リリースインフォによると”寂寥感、憂鬱、孤独、内省、人間の精神に潜む影といったテーマを掘り下げている“とのことですが、さみしげで湿った空気感は確かにあります。それでも心の闇に向き合うよりもまどろみと安らかさの方が鎮座している時間は長い。#5「Hollow Ache」や#6「Liminal」は彼等なりのドゥームゲイズが特に発揮されています。

メインアーティスト:Leaving
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MUSIC VIDEO

LEAVING – L I M I N A L (OFFICIAL VIDEO)
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