22-20s ‐‐Review‐‐

UKのブルース・ロックバンド。04年に発表した1stフルアルバム『22-20s』は各地で絶賛されたことで快活な滑り出しで瞬く間に世界的な人気を得るが、それが結果的に不幸をもたらすことになり、バンドは我を見失い、06年に解散という道を選ぶ。しかしながら08年の半ばに再結成して以降は順調に活動を続け、2010年には6年ぶりとなる2ndフルアルバムを発表。ここ日本でも7月にフジロックへの帰還を果たし、10月には単独ツアーを成功させた。

レビュー作品

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Shake Shiver Moan

Shake Shiver Moan(2010)

   解散を経て再び歩み始めた22-20sの6年ぶりとなる2ndフルアルバム。当時からはギタリストが一人増えて4人体制となっている。まずは復活してくれてありがとうという感謝を述べなければならないと思う。

 しかし、大人びたUKロックって表現できそうな作品を作ってきたなあという印象が残る。ブルースと表現されることに嫌気が差したことが影響してるのだろう、根幹にはかつての蒼いブルースの炎が儚げにゆれているものの、それよりもUKロックに寄り添った音楽性へ変化。前作の残り火のような#1で生々しく尖ったギターが炸裂することもあれど、タイトル曲の#6に象徴されるように洗練されたメロディと繊細なアンサンブルで、噛めば噛むほど味が染みてくるような曲を多く並んでいる。張りつめた緊張感や噴火した初期衝動はここでは感じられないが、全体的にもマイルドになっていて聴かせる印象の強い作品だ。軽妙でポップ、それでいて深い味わいがある。特に印象的なのは、歌への比重が高まっていること。伸びやかなヴォーカルにコーラスワークが絶妙に絡むこともあれば、男の哀歓を醸し出すような歌もあり、軽やかなポップさと湿っぽい哀愁の表裏を楽曲によって巧く使い分けて、引き立たせている。#2、#7、#9などは聴いていて聴くほど味が出てくる感じがするし、しめやかに締めくくる#10も過去とは違った姿を見せたいことの表れ。いい意味で自然体で音楽と向き合っただろう本作は、心機一転の意欲作であることはもちろんだが、2枚目のデビュー作と表現してもいいような気がする。


22-20s

22-20s(2004)

   世界に衝撃を与えた1stフルアルバム。当時はトリオ編成でまだ20歳そこそこの年齢だったそうだが、この若獅子達が掻き鳴らす荒々しいロックンロールは、かつてのハードロックやブルースやガレージを燃料にして、ひたすら熱く熱く突き進む。これが非常にかっこいい。単なるロックンロール・リヴァイヴァルという言葉で片付けるのは惜しく、ルーツへの敬意を滲ませつつも本質を明確に捉え、レトロ要素を現代のUKロックに巧く培養して、メディアから表現された”ネオ・ブルース”というレベルまで発展させている。それは非常に鮮烈。しかも渋さや哀愁をしっかりとさらしながらも、あくまで荒削りで力強いロックであることを証明しているのが好感を持てる要因だろう。程よいポップ感覚が備わっている事もまた本作の成功の架け橋となっている。ひたすら荒々しく攻撃的に鳴るギター、骨太なベースライン、躍動的なドラム、心揺り動かす歌が若々しいエナジーを発しながら折り重なって生み出される熱気渦巻く世界には、熱くならないわけがない。そして、このピリピリとした緊張感とロックのダイナミズムが魂を底から震わせてくれるのもよい。冒頭からガツンと一撃ぶちかます問答無用の名曲#1「Devil In Me」に始まり、イントロのギターを合図に熱のある演奏が未来を赤く染めていく#2、独特の渋さを浮き彫りにするとともアンサンブルが徐々に広がりと熱をもたらす#6、艶やかなメロディを巻きあげながら力強いグルーヴを形成する#7など佳曲は多し。聴く側を圧倒するようなエネルギーを確かに感じる衝撃のデビュー作である。

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