35007 ‐‐Review‐‐

オランダのスペース・サイケ・ストーナーロックバンド。Hawkwindとストーナー・ロックの邂逅が見事になされたサウンドを創り上げ、気持ちよく聴き手の意識を宇宙に飛ばしてくれる稀有な存在です。現在はおそらく活動してない様子だが、メンバーの一人はSUNN O)))とBorisの共作『Altar』に参加したらしい。


Liquid

Liquid(2002)

   オランダのスペース・サイケ・ストーナーバンドの3rdアルバム。宇宙にイケナイ電波を飛ばすかのようなシンセ/キーボードの音色にド迫力の生演奏が合致していくインストゥルメンタルが強烈に脳髄を揺さぶってくる。巨大な岩の様な重厚さ、スペーシーな浮遊感の両方をものの見事に表現した稀有な作品で、聴き手をあちらの世界へ完全に飛ばす。枯れたメロディを鳴らしたり、ストーナー風のリフから歪んだ轟音まで操るギターを主導にし、重たく力強いリズムと広大な宇宙空間を連想させるシンセが交錯し、それを整理されたサウンドスケープできっちり聴かせてくる。意識的な静と動の交歓、またその奇妙な構成を理知的にコントロールする手腕の凄さを感じさせると共に麻薬的な気持ちよさをきっちりと注入してくれる辺りはやってくれる。それも渦巻くサイケデリックな酩酊からポストロックに通ずるニュアンスを持ったラウドな轟音、そしてHawkwindばりのトリップ感までを操った上での手口でだ。10分を越える長尺曲#1、#4における現世を解脱する様な浮遊感は素晴らしいし、静謐なシンセによる宇宙空間を突如として猛然と吹き荒れるグルーヴの嵐が凄まじい#2、ラストで入ってくる妖しげなギターソロに持ってかれる#3のトリップ感もまた最高。エレクトロニクスの使い方と生演奏の組み合わせ方がスバ抜けて巧いのがとにかく印象的だし、煌びやかな美しさとドープな音色を共存させて、なおかつトランスめいた昂揚感までもたらすのは凄いとしかいいようがない。もはや宇宙に飛び立たない理由はどこにもない全4曲約38分の快作である。

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