40 Watt Sun ‐‐Review‐‐

元Warningのメンバーが中心になって結成されたUKのドゥーム・メタルバンド。


Inside Room

The Inside Room(2011)

   元Warningの面々を中心に結成されたドゥーム・バンドの初作。前身バンドは結構なレジェンド的存在らしいが、勉強不足でまるで聴いたことなし。

 地が揺らぎ、空気が震える激重リフとゆったりとした強靭なリズムによるドゥーミーなサウンドを軸にして展開。それこそ本作がMetalbladeからリリースされているというのを忘れるほどの重厚さで構成されていて、スラッジ/ストーナー要素の薄いほぼドゥーム色で貫かれている。その巨大なグルーヴはElectric Wizardにも通ずるものがあると思うほどだが、相反するように研ぎ澄まされた叙情感が全編に渡って発揮されており、地下ヘヴィロック界に留まらないポップなニュアンスを持ち合わせているのが特徴的だ。10分超にも及ぶ#1、#2の連続でこの独特の世界観がお分かり頂けることだろう。オルタナ系の艶やかで渋い歌い回しやアコギの旋律、美麗なシンセ、穏やかなメロディが重い壁の中でたゆたう。そしてこの歌と演奏の狙いすましたミスマッチ感がサイケな感触や酩酊感を高めている。

 重厚なサウンドで絶望の淵を見せているにも関わらず、これほどの穏やかさ、これほどの温かみ。このアプローチの仕方で思いだすのはやはり、Jesuである。ヘヴィ・ロックをポストロックやシューゲイザーのフィルターを通すことで世界一ヘヴィなポップミュージックを鳴らす事に成功した彼に倣ったかのように、40 Watt Sunはドゥームの中に驚くほどの耽美と安らぎを獲得した。終曲の#5「This Alone」はそのJesuに通ずる豊かなメロウさが通底し、恍惚の世界へと繋がっていく。曲によってはUKロック~ゴシック的な感触も含んでいるし、アピールポイントは多い。何よりも独創的な音像を1stアルバムにしてきっちりと表現しきっているところが凄い。天国的な癒しをも持った耽美なドゥームは、PitchforkやPopMattersの年間ベスト・メタル編に選出されるのも納得である。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!

スポンサーリンク


▼ フォローする