ASIAN KUNG-FU GENERATION ‐‐Review‐‐

1996年に結成された日本を代表するロックバンドのひとつ。エモーショナルなロック・サウンドで人気を獲得し、自身でNANO-MUGEN FESを開催するなど最前線でシーンを盛り上げている。


ソルファ (2016)(通常盤)

ソルファ(2016)

 2016年でバンド結成20周年を迎えたアジカンが、2004年にリリースした彼等の代表作であり、最もセールスを記録した2ndアルバム『ソルファ』の再レコーディングした作品。僕としては「#私を構成する9枚」のひとつにこの作品を選んでいますが、1stアルバム『君繋ファイブエム』と共にかなり聴きました。大きな変更点は2004年盤では最後を締めくくった「ループ&ループ」が、再録Verでは3曲目に変更されています。

 比べると前Verはやっぱり勢いや焦燥感がとにかく出ていて、ゴシック体の太字で書くぐらいにエモーショナルという言葉が主張。それは「リライト」や「サイレン」の歌詞で出てくる”存在証明”を音楽を通じてかき鳴らす姿勢にも出ています。それこそが僕がアジカンを聴いていてカッコいいと感じていたところでもある。不器用だけど4人の今できる表現を使い、世の中に認めてもらうために歌ったり、叫んだりするその青臭さが良かったのです。

 そして、メンバーの年齢は20代後半から40手前に。この再録Verは円熟味を増した中で生まれ変わったこともあり、丁寧さが目立ちます。疾走感はそのままだけどもどっしりとした#1「振動覚」から厚みのある音になっていて(特に低音部)、後藤さんの歌は勢いのある曲でも聴かせようという意図がみえる。代表曲の#2「リライト」や#9「Re:Re:」ではライヴでのアレンジを活かした変化を加え、歳月とともに育まれてきたことを伺わせます。ところどころに細かいアレンジが入り、当時では使えなかった表現を用いることで全体的に洒落た上品な装いになっていますね。テンポや抑揚の付け方も経験を重ねたきたことでの回答という感じ。

 #4「君の街まで」以降はこちらの方が好きですね。落ち着きのある演奏や歌が曲の深みにつながっていますし、ちょっとした打ち込みや効果音にもハッとさせられますし。そして、ストリングスの導入で映画のエンディングのように壮大なラストを飾る#12「海岸通り」がまた味わい深い。その中でも変わらずに#8「サイレン」が1番かな。音がスッキリ整理されて鳴っている印象ですが、サビでは心の内側にさらに浸透してきたり、「サイレン#」をかぶせてくる憎い演出もあり、分厚い重奏を聴かせる終盤は特に感動的。

 思い入れのある作品だから物足りない部分はあるにせよ、年齢を重ねてきたことでのアップデートは予想以上に説得力があります。懐かしいよりも新しいの方を強く感じる辺り、再録の意義はあったかなと。

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