Akimbo ‐‐Review‐‐

シアトルに拠点を置くヘヴィ/ジャンク/ストーナー・ロック・バンド3人組。現在までに6枚の作品を発表しており、マイペースに活動を続けている。

レビュー作品

> Jersey Shores > Navigating the Bronze


Jersey Shores

Jersey Shores(2008)

 リリースとしては約1年ぶりながら、前作と同時期に製作されたという6thアルバム。1916年にニュージャージで起きたサメの連続食害事件を題材にしたコンセプトアルバムとして製作されている。

 とはいえ、死へと直結しそうな重苦しくヘヴィなグルーヴを主体にした爆音の宴によって生き血を啜り、赤い紅い血の海を形成するグランジ系ハードコアの姿勢は変わらず。Melvinsをもっと極悪にしたかのような始末の悪さで、地獄の残虐さを肌に刻み込んでくるところにやはり惹かれる要素がある。穏やかな日常もこれ効いただけで悲劇へと模様替え。緊張感のある静と動の対比によって過去の惨劇を滑稽なほど淡々と表現し、そこまでの説得力を持たせているのはさすがである。

 前作ではドラムソロの曲を入れるなどアイデアと遊びの部分が効いていたという印象があるが、本作では荒くれ者が狂気の淵を彷徨いながら創り上げる野蛮な音世界が全て。真っ暗な谷底へと落下していくかのような静寂では妙に耳が痛くなるし、狂気を喚き散らす轟音には興奮を禁じえない。所々ではやけに70’s辺りを思わせるロックンロールをかましている部分はあるが、総じて小汚い鳴りで倦怠感を滲ませ、豪腕巨大グルーヴで快楽をリードしていく様は圧巻。だからこそ、極悪の音色に引き摺られるようにあの世へトリップしちゃうし、血の味の美味さを覚えるのには最適な作品かと。戦慄が全身を駆け抜けていくかのようなスリルがたまりません。


Navigating The Bronze

Navigating the Bronze(2007)

   シアトルに巣食う暴虐ハードロック・トリオAkimboの5thアルバム。今回はゲストプレイヤーを迎えて4人体制でつくられたものだそうだ。

 死の裏側を見せるような豪傑のヘヴィ・ハードコア。“耳にしたものは真っ逆さまに地獄へGO!” そんないかがわしくデンジャラスな薫りを放つ。とはいえ、聴いた感じではMelvins辺りを思い浮かべちゃうぐらいの馬力と奇天烈っぷりを備えている。引き摺るようなギターリフの応酬にラリってるモード入りっぱなしの絶叫、臭みたっぷりのベース、重苦しく荒々しいドラムが渾然となったグルーヴが生み出す野蛮なダイナミズムがインパクト大。CDを流した直後から空気の質が変わり、過激な臭いが充満してくる。救いようのないぐらいに汚れております。その上に文字通りに音を圧するゴリゴリとした重量感、異様なストーナー/ドローンのエキスも盛り込んでいるのでどうにもできない破壊力も抜群。その音の無情な炸裂感とささくれだった狂気に頭蓋ごと持ってかれ、体の水分はからっから。間違いなく病むしかないだろ、こんなん聴かされたら(笑)。とはいえ、時にはブルージーなソロを弾いたり、#5ではドラムソロのみで構成していたりという意外性もみせていたりする。そういった奇天烈な部分も含めて、抜きん出た暴虐性に平伏さざるを得ない本作に異様な衝撃を受けてしまったのだった

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