Amorphis ‐‐Review‐‐

フィンランドはヘルシンキで1990年に結成されたメタルバンド。1994年、メロディック・デス・メタル史上に残る傑作「TALES FROM THE THOUSAND LAKES」リリースして世界的に評価を受ける。

レビュー作品

> Skyforger > Silent Waters


Skyforger

Skyforger(2009)

 約2年ぶりとなる通算9枚目の作品。フィンランドの民族叙事詩”カレワラ”をテーマに創り上げた作品ということだが、やっていることは前作「Silent Waters」の延長線上にある慟哭のメランコリック・メタル。相変わらず言葉が出ないくらいに、このサウンドや唄が琴線に揺さぶりをかけてくる。

 本作ではさらにそのメロディが洗練された印象だ。勇壮なメタルサウンドから激しい咆哮をも交えた獰猛性に、リリカルな音色を巧みに奏でて切なく聴かせる叙情性、そして慟哭と煽情のうねりを帯びてどこまでも胸を締め上げる儚き哀愁。それらが絶妙なバランスで折り重なることで、美醜のコントラストを綺麗に描き、この世のものともない翳りのある神秘的で美麗な世界を演出している。デスの字も無くなった感のある激性は余計後退気味になりつつも、洗練された哀愁あるフレーズを弾くギターやしっとりとした唄メロが説得力を増し、ピアノやフルートの儚き音色がより民族的な薫りを放つことで、聴かせる造りがさらにうまくなっている印象。持ち味の多彩な音色とドラマティックな寂寥が聴き手のハートを射抜くための精度を増したというべきだろうか。メロディはもちろんのことだが、激しい咆哮でさえもどこかしらの美しさというのを感じてしまう。深層にまで訴えかけるような叙情性と多彩な表現力がついにはSentencedと肩を並べる辺りまで到達していることを示唆しているようなそんな気も。とにもかくにもこの慟哭の哀歌は聴くほどに惹きつけられることだろう。


Silent Waters

Silnet Waters(2006)

 北欧メランコリック・デスバンドAmorphisの通算8枚目となる作品。暗闇を優しく照らす満月、静寂に包まれる湖畔に一羽の白鳥。見事なまでにそのジャケット写真とマッチした慟哭のメランコリックサウンド。メロデスなんて面影も無いほど、深く哀愁に満ちたメロディと壮大なドラマを演出する直情型の楽曲に心底、魂を揺さぶられる。当初購入して聴いた当時はメロデスと言われているのに肩透かしを喰らった感じがしてあまり好きになれなかったが、何度も聴いているうちに効果的なキーボードの音やギターフレーズが山脈から流れ落ちるメロディの清流みたいに感じるようになって、少しずつ心がその清流に洗い流されていった。#1なんて役不足なオープニングナンバーに感じたが、#3から始まる叙情メランコリックメタルの連続ドラマに砕け散るほどの深い悲哀を刻み込んでいく。特にオススメしたいのは#3,#5,#7,#10の4曲。琴線に触れるサウンドが心拍数を高め、涙腺を緩めてくれます。劇的なドラマを持つ世界観と美しいメロディの渦に支配されたこの作品、メタルというジャンルに留まらない個性を持っているといえる。これからもこの叙情民謡フォークデス路線で突き進んでいっちゃってもいいのでは、と思わせてくれるそんな作品だ。

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