Andrew Thomas ‐‐Review‐‐

ニュージーランドの電子音楽アーティスト。Pop Ambientのレギュラーとしてもお馴染みの存在。


Between Buildings & Trees

Between Buildings And Trees(2010)

 ニュージーランドの電子音響家による7年ぶりの2作目(過去作は未聴)。4トラックのカセットレコーダーで録音された作品らしい。といっても印象としては、イージーリスニング的な趣のある繊細なアンビエントといったところ。茫洋とした空間にほんのりと彩るようなシンセやノイズが控えめに入っていき、そこに幹となる美しいピアノが厳かに響くのが大きな特徴である。静かで儚い音の粒が淡々と触れあい、ほぼビートレスのゆったりとした展開が続く。それが9曲約41分で地続きのような感じ。ノスタルジックな感傷に浸れたり、環境音楽的なイメージやも浮かぶかな。彼の想い描く心象風景が繊細に音像になっている印象。それが鼓膜からすっと入っていき、意識を優しいまどろみへと連れていく。ただ、その音の層が物悲しく内省に迫ってくる瞬間もあり。厳かなレクイエムのような#4や重たいピアノの調べが印象的な#7からは前述の要素を特に感じる。しかしながら、ぶつっとしたノイズの上にシンプルなピアノの旋律が響く#2、個人的にTim Heckerの影響を感じた#6といった曲では、息を呑むような美しさを見せる。そんな安らぎと荘厳さの両方を備えたアンビエントの良作。

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