Animal Collective ‐-Review‐-

アメリカに拠点を構える奇天烈ポップなクリエイティブ集団。

レビュー作品

> Merriweather Post Pavillion > Strawberry Jam


Merriweather Post Pavilion

Merriweather Post Pavillion(2009)

   奇天烈ポップな先鋭クリエイティブ集団、Animal Collectiveの1年半ぶりとなる9thアルバム。去年3月の来日公演と同じ3人で製作されたという本作だが、当然といわんばかりに独創アニコレワールドが惜しげもなく広がっている。フリーフォークを主体に、エレクトロニカ・シンセが複雑なテクスチャーを織り成し、プリミティヴなビートと多彩な表情をみせるヴォーカルが気持ちよく躍動する、という鮮やかなマテリアルが数多く散りばめられたサイケデリック異世界音響空間。完全に突き抜けたその変質度の高いサウンドは前作と比べると幾分かエレクトニクスの占める割合が増しているが、キラキラとした煌きはさらに光沢がかかり、磨かれたポップネスが耳にやんわりとした刺激をもたらしている。相変わらず憎たらしいぐらい無秩序なのに、ここまで完成されたものを創り上げるってのは彼等にしかできない芸当ではないだろうか。全くもって掴みどころは無く、全光景を把握することができない。それなのにえらく自然と耳に馴染む感触がするから不思議。この奇妙奇天烈・摩訶不思議ワールドはこちらの想像力を遥かに超えた産物であり、“無秩序が織り成した芸術” これはやっぱり凄い。軽やかな刺激と遊び心が満点の一枚であり、音の楽しさが凝縮されているといっても過言ではないだろう。だが、個人的には初聴きだった前作のほうがインパクトが強かったかな。そりゃあもちろん、独創的な音楽だけに初聴時のインパクトが大きいってのが要因なんだけど。ちなみに作品名はリーランド州コロンビアに実在するコンサート会場の名前らしい。


Strawberry Jam

Strawberry Jam(2007)

   先進的なポップさを比べるレースをしたらこのバンドに適うのはいないのではないかな。そんな印象を抱いた奇天烈ポップなクリエイティブ集団、Animal Collectiveの8thアルバム。ジャンル的には個人的に未開拓なアシッド・サイケ、フリー・フォークなんていうとこに入るらしい。そうはいうものの、聴いた感じではエレクトロニカ、ノイズの打ち込みサウンドが入り乱れる中、バンド名どおり野生的なヴォーカルとドラムがアクセントをつけて、なんとも奇天烈なサウンドを生み出している。こんな文章だけ読むと非常に難しい音楽なのかなあ?と思われるかもしれないが、決してそうではない。やっている本人達はイマジネーションとセンスを相当捻出していると思うが、聴き手である私達は何も考えずに心が躍動し、自然と体が揺れ、心地よい気分になってくる。それぐらいユニークな楽曲が多い。彼等の音楽は7色のカラフルな眩い光に包まれ、ポップで鮮やかな世界が目の前に広がっていくかのようである。夢路を歩いているかのような不思議な世界。何とも解放的で自由な音の戯れ、キラキラとした音の煌き、心に響くノスタルジー。最後は音楽という言葉に行き着くと思う。“音を楽しむ”なんて読み下すけどまさに本作にはその言葉通りの親しみがある。バンド自身の遊び心が溢れた作品であると思うし、リスナーである我々もこの作品に触れると本当にハッピーな気分になれるだろう秀作だと思います。

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