Archives ‐‐Review‐‐

2008年に惜しくも解散したスコットランドの激情ハードコアバンド。


decline
Decline(2009)

   スコットランド・ダンディーの5人組激情ハードコアバンドArchivesによる解散直前にレコーディングしていたラスト音源。お馴染みのTokyo Jupiter RecordsとスコットランドのDizzy Storm Recordsとの共同リリースという形で500枚限定発売される運びとなった。

 繊細美麗で突進激情。初っ端から思いつく単語を重ねて表現してしまったが、叙情派ポストロックが鳴らす透き通るような美しいメロディ、それとRaeinのような突進力と激情性が興奮の坩堝へと放り投げる。炸裂する絶叫、脳天をぶち抜く轟音ギター、大地のようなどっしりとした重みから性急に畳みかけるリズム、そして白熱のエモーション。それは穏やかな凪と猛烈な嵐が交互にやってくるかのようで静動、速遅の対比を目まぐるしく行いながらしっかりと起承転結のドラマで巻き上げる。そんなポストロックの叙事性と激情ハードコアのエモーショナルな破壊力が見事なまでに結実し、聴き手の心を燃え上がらせる事に成功しているといえるだろう。Funeral Dinerをより壮麗な方面に傾かせた#1にまず惹かれ、#2における美しいアルペジオを背にカオティックな絶叫が木霊する場面には鳥肌が立つ。Raein系列のバイオレンスな激情で畳みかけたかと思えば美しいメロディが花開く#3も完備し、さらにはフルスロットルの爆発からenvyのような壮大な展開が繰り広げられる#5でもバンドのポテンシャルを凄く感じさせる。また、哀愁のインディー系ポストロックに盛大なコーラスが入る#6にも個人的には驚かされた。

 激しさと美しさを共立させた6曲約32分は間違いなく必聴もので、本作を持ってバンドは解散してしまったが、確かな痕跡を刻んだ事を裏付ける佳作である。

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