Arctic Monkeys ‐‐Review‐‐

00年代以降のUKでは最大のヒットを飛ばしている4人組ロック・バンド。ここ日本でもサマソニでのヘッドライナー、フジロックへの出演などの活躍をみせている


Humbug

Humbug(2009)

 彗星のように登場し、全世界を揺るがせたUKシェフィールド出身の4人組の3作目。そのエネルギッシュな勢いで世界を制した1st、それを基盤にゆるやかな進化を見せた2ndときているが、今作はいかにも玄人好みしそうな渋くてヘヴィな作品に仕上がっている。

 それもこれも亡きKyuss、現QUEEN OF THE STONE AGEのジョシュ・オムをプロデュースに迎えていることに関係しているのだが、まるでUKのバンドが出す音とは思えないほど暗鬱とした空気感を醸しだしているのが面白い(そこまでストーナーしてないのであしからず)。砂埃にまみれながら、猿たちは地平を切り開いたということだろうか。逆に地味といえば地味ということもいえるだろうけど。ただ、1stの蒼い衝動に燃えることが無かった自分としては(っつーか音楽的にこういう方面が好きというのもあるけど)、この重厚なスロウ・ミドルチューンの連打、ダイナミックなグルーヴの応酬が肝の今作は結構好みだったりする。

 それに不穏なリズムの中で転調を挟んだり、メロウで浮遊感あるパートを絡ませたりと、重みのあるアンサンブルの中でのアイデアも目立つ。#4や#7のように味のある曲も多い。その中でアレックスの艶やかなヴォーカルの魅力をより引き出し、作品に深い陰影をもたらしているところも惹かれる要因だ。メロディにしても遅効性のある毒素みたいでじわりと神経を持っていくところも憎い。弱冠#9だけ大衆に迎合する意識が見受けられるが、総じてダークで不穏なムードに染まった作品である。個人的なレーダーがこのバンドには今まで反応しなかったんだけど、本作にはじっくりと楽しませてもらえた。ここまでの変化を見せるこやつら、確かに只者じゃない。

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