バルト三国のひとつである、ラトビア共和国を拠点に活動するインストゥルメンタル・カルテット。2014年初頭に1stアルバム『Mitau』をリリースした。
Mitau(2014)
バルト三国のひとつである、ラトビア共和国を拠点に活動するインストゥルメンタル・カルテットの1stアルバム。ご多分に漏れず、彼等も昨今のインスト業界の慣習に倣ったつくりではあるが、静と動の鮮やかなコントラストをプログレッシヴな構成で表出してみせる。
音楽的に近いのは、Russian Circlesだろう。重厚なユニゾン・リフで押しまくる#5「Bermondt」はモロにやっちゃっているわけだが、アンビエント、スラッジ、マスロックといったものを放り投げて抜群のコンビネーションで醸成しきっている。ちょっとヘヴィ過ぎやしないかという印象を受けつつも豪快な轟音インストを掻き鳴らす#1「1944」、Caspianばりの明媚な情景が広がる#2「Petrina」で掴みは十分。クリーントーンとメタリックなヘヴィさを対比させながら、スリリングな展開も手伝って、緊張感のある空間を造形している。美しいツインギターの染み入るように広がっていく一大叙情詩#6「Valdeka」は感動的だし、優美なアンビエンスをくぐり抜けた先に轟音プログレッシヴの大河に突入する#8「Courland Aa」も痺れる楽曲。全10曲を通して奏でられる重く美しいインストは、現在活躍しているバンド達に負けない光を放っている。
ラトビア共和国には、Tesaという激情系ハードコアの大先輩が存在するわけだが、それに次ぐ存在になれるのか。今後の活躍に期待したいところである。
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