Beirut ‐‐Review‐‐

ニューメキシコ州サンタフェ出身のザック・コンドンのソロ・プロジェクト。


Rip Tide

Rip Tide(2011)

    美しきメロディと端正なダンディズムの応酬。4年ぶりとなる3rdアルバムはシンプルながらもその中に深い味わいがある。彼の作品は1st『Gulag Orkestar』だけ聴いているが、多彩な楽器を用いた華やかな東欧音楽を奏でていたあの頃と比べると前述のようにシンプルでポップにまとめられている印象。けれどもアコースティック楽器の独特の趣、アコーディオンやストリングスを用いた豊かな音色の数々、それにダンディで艶やかな歌声が折り重なり、ベイルートの世界に引き込まれる。

 作品ごとに独特の旅情を持たせている彼だけど、あくまでもスタイルは堅持しつつ、ここまでポップで異国情緒溢れる仕上がりに持っていけるのはさすがというべきか。柔らかなアンサンブルと共に刻まれる#1「A Candle’s Fire」から始まり、どの曲も新しい明媚な風景を奏でながら9曲33分という時間が流れていく。エキゾチックな味わい、そして25歳とは思えぬ老練な構成の中に温かく郷愁を感じさせるのも素晴らしい。その中でも親しみやすい躍動感が心地よく響く#2「Santa Fe」や開放感と哀切を持ったサウンドが胸を打つ#6「The Rip Tide」が個人的には好み。ラストの#9を聴いていると本当に異国へ飛び立てそうなほど昂揚する。そんな密度の濃い9曲33分、ファンならずとも鷲掴みにされそうな普遍的な魅力を持った良作です。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!

スポンサーリンク


▼ フォローする