Bibio ‐‐Review‐‐

イングランド出身のスティーヴン・ウィルキンソンによる一人ユニット。ボーズ・オブ・カナダのマーカス・イオンによって見出されたこの才能はやがてWARPに認められ、世界的に評価の高い夢見るエレクトロニカを作りあげている。


Mind Bokeh (WARPCD209)

Mind Bokeh(2011)

   ビビオことスティーヴン・ウィルキンソンの約2年ぶりとなる新作(過去作は未聴)。リリースはWarpから。夢想的な雰囲気を持ったエレクトロニカと牧歌的なフォークの感触、さらに感傷的な歌声が見事に溶けっていて、とても親しみやすい一枚に仕上がっている。

 煌びやかなシンセにヒップホップ系のビートを巧みに用いたドラックメイキングがメインとなっているのだが、ムーディーな歌や優美なメロディ、柔らかな生演奏を自在に織り込むことで素敵な空間を織り成す。この色彩豊かな音世界は聴き手を温かな光で包み込み、ノスタルジックな想いで心を一杯にする。加えて爽やかな清涼感と軽やかさ、ソフトな耳触りが作品の聴きやすさへと繋がっているように思う。のどかで素朴で抜けがあるようで、緻密でカラフルで多角的。不思議なバランス感覚で作品に秩序が保たれているように感じられる。アフロビートが入ってきたり、チープなディスコナンバーが登場したり、ハード・ロッキンな楽曲まで操り倒すので曲調は豊富、さらにサンプリングによる切り貼りやビートの自在な操縦も職人的で、眩いカラフルさと饒舌なまでのメランコリックさも特徴として挙げられるだろう。そして何より本作は、歌心に溢れている点が幅広い層に訴えかけるだけのファクターとなっている。自分は序盤に続くおもちゃ箱をひっくり返したようなドリーミィなエレクトロニカが好みだけど、軽やかに異空間へとに誘っていく楽曲群は魅力十分。聴いてるだけで懐かしさと楽しさがこみ上げてくる良作である。

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