The Body ‐‐Review‐‐

ポートランドを拠点としているベース&ドラム編成による暗黒スラッジ・デュオ。脳味噌が真っ黒になる尖鋭的な拷問ドゥーム/スラッジ・サウンドで世界を制圧にかかっている。


I Shall Die Here

I Shall Die Here(2014)

 ポートランドを拠点としているベース&ドラム編成による暗黒スラッジ・デュオのおそらく5枚目となるフルアルバムである。Thrill Jockeyから発表した前作『Christs, Redeemers』で、Pitchforkを始めとした各誌から高い評価を得ていた彼等。そこからさらなる暗黒を造形すべく、昨年にリリースした『Excavation』で世界中から話題を集めたThe Haxan Cloakが完全プロデュースを務めた本作を送り込んできた。

 その万全の布陣で制作された本作は、とてつもなく強烈である。光をも飲み込む循環する暗黒。根幹となっているのは、重々しくも禍々しいドゥーム/スラッジである。SUNN O)))ばりに極端なまでのヘヴィさ、それにおぞましい怨恨が込められた叫びや呻き声が重なるこのサウンドは、独りだけ闇に取り残されたかのように救いが無い。反復の昂揚感よりも、ディープな中毒性を重視したかのようで、病み切った雰囲気を持ち込むプログラミング音だったり、インダストリアルちっくなノイズだったりが悪意を持って幾重にも重なって息が詰まるほど。時折入ってくる謎のパーカッションがもたらす宗教感も嫌らしいことこの上無いし、アブストラクトな幻想的揺らぎも用いているとはいえ、ただただ不穏さを煽る効能にしかなっていない。全ては「くだらない、神は死んだ」と言わんばかりに暗黒へとズブズブ沈めていくという形に集約している。

 Andy Stott等のModern Love系列に連なるダビーな音飾も成されているが、それもやはりどん底への転落の幇助というべきもの。混沌とした阿鼻叫喚のオープニング#1「To Carry the Seeds of Death Within Me」、鼓膜を完全に殺りに来ている切迫感に満ちたノイズ地獄#4「Hail To Thee, Everlasting Pain」、漆黒のアンビエントから激重拷問スラッジを叩きつける#6「Darkness Surrounds Us」と脳味噌が真っ黒になるほどえげつない。ジワジワと嬲り殺すのも、一思いに鉄槌を打ちつけてやることも厭わない、完全なる人でなし。しかしながら、ドゥーム/スラッジ方面からこういった発展性を持つ音楽が出てくるとはね。音楽の極北を行く2つの個が合わさることでの恐ろしさと革新性を実感する衝撃の傑作でしょう。

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