Botch ‐‐Review‐‐

アメリカ・シアトルが生んだカオティック・ハードコアの大怪物。若さだけでは解決できない憎悪の炎が激烈なインパクトを世に残した。っが2枚の作品を発表した後にごく人間的な理由で解散してしまう。だが、その血はMinus the BearとThese Arms Are Snakesにしっかりと受け継がれている。


We Are the Romans (Dlx)

We Are The Romans(2000)

   シアトルの伝説ともいわれる殺戮激烈カオティック・ハードコアバンドBotchの2ndアルバムにして最終作。そんな本作はConvergeの「Jane Doe」と共にカオティック・ハードコアの究極の到達点と評されている傑作である。

 破滅の序曲である#1から血を見るような惨劇を繰り広げ、そこから一気に混沌の暴風域に突入。五臓六腑を問答無用で揺さぶる狂ったギターに暴発を繰り返すベース&ドラム、精神に異常をきたす憎悪が篭った半狂乱の咆哮が世界の崩壊を朱で彩っていく。故に決死の覚悟を持った者のみしか本作に手にとってはならない、激マザー●ァッカーな作品なのである。人間という生物が造った文明を否定するかのような破壊に次ぐ破壊、大地を焼け野原にしていくその様はこの世では拝むことのできない地獄絵図。怨恨の炎があちこちで燃え盛り、とんでもない殺気と狂気がヒリヒリと肉体を締め付ける。こいつら悪魔に魂でも売ったんじゃねえの?と思うぐらいの絶対的な威力を誇る音塊の猛威、凄まじいまでの負のエネルギーの放出には、こちらもお手をあげざるを得ない。かと思えば、殺伐とした静寂に震える#4、涅槃スラッジ的な#10辺りでは美徳、浪漫すら感じさせてくれる。激昂するカオティック・コアから幽玄的な音色まで、この若さにして操るとは末恐ろしいものである・・・とはいえ、本作を最後にバンドは解散してしまったのが至極残念。ちなみに自分が持っているのは07年に再発されたもので、これは完全リマスターに未発表曲やライブテイクを11曲も収録したボーナスディスクがついた大盤振る舞い。もし、買うとしたらこちらを逃すのはもったいない。

 両親が悲しむような常軌を逸した音楽をやっている割には、学業に就職と非常に人間的な理由でバンドは解散してしまう。しかしながら、社会、ひいては人類への憤怒を最大限にぶちまけた本作は今でも人々の心に欠かせないものとなっている。ちなみにその血脈はMinus The BearやThese Arms Are Snakesへと確実に受け継がれているので、そちらも是非とも聴いてみて欲しい。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でGrumble Monsterをフォローしよう!

スポンサーリンク


▼ フォローする