Broken Social Scene ‐‐Review‐‐

カナダのトロントを拠点に活動する大所帯の実験派音楽集団。1999年の結成当初は、ケビン・ドリューとブレンダン・キャニングを中心に活動していたが、徐々に肥大化。今では様々な要素を吸い上げた先鋭的なロックを刻み、カナダのロックバンドとして世界的な地位を築いている。


Forgiveness Rock Record

Forgiveness Rock Record(2010)

 カナダの至宝とも呼ばれている大所帯ロック集団の実に5年ぶりとなる4thフルアルバム。プロデュースにジョン・マッケンタイア(トータス)を迎えての意欲作である。ちなみに私は過去作は未聴です。

 常にメンバーが入れ替わり立ち代わりで作品を制作してきたらしいが、本作でもその流動的な体制で作られたらしい。とはいえ、数多の楽器が対話しながらオーガニックに交わり、それから多幸感を降らせる楽曲群は十二分に充実しているように思える。全編においてインディらしい薫りを放ちながら、ポストロックやエレクトロニカ、オルタナティヴにカントリーっぽいニュアンスまでを自在に横断することで、沸々と昂揚感が湧き上がる先鋭的なロックを展開。音の端々は素朴なんだけど、それが楽器陣が緻密に折り重なることでスケール感を肥大化させているといえるだろうか。多彩な曲調とアレンジを施しながらも、柔らかいタッチで鳴らされる演奏からは牧歌的な温かさが伝わるし、勇壮に芯のあるサウンドを奏でたり、不穏さを煽るような場面もある。

 また、不思議な温もりのある電子音や華やぎをもたらすストリングスも優雅に作品を彩っており、様々な楽器を駆使して曲毎に数々の表情と濃い演出を見せながら、ポジティヴな躍動感と温かいポップネスを表面コーティングしているのが特徴的だ。頭の#1~#3の流れは引き込みには十分なほどの麗しい華やぎとダイナミズムがあるし、歓喜が空から零れ落ちてくるかのような#4や#9を聴くと瑞々しい生命力を感じとれる。ジョン・マッケンタイアのプロデュースによる弛緩と緊張の絶妙なバランスが、程よく心地のいい熱を生み出していることも特徴にあげたい。時に鮮やかに、時に優しく胸がすくイマジネイティヴな感性を見せ付けた意欲作。

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