Celtic Frost ‐‐Review‐‐

スイスが産んだデス/ブラック・メタルのオリジネーターのセルティック・フロスト。1984年、1stアルバム「Apocalyptic Raids」を発表し活動を開始する。数々の作品を発表した後、1992年に解散してしまう。それでもリスペクトをするアーティストは数多く、ナパームデスやスリップノットなどにも影響を与えている。2001年に奇跡の再結成を果たし、2006年に入り再結成後発のアルバム「Monotheist」を完成させ、2007年「Extreme The Dojo vol.16」にて初来日を果たす。

レビュー作品

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Monotheist

Monotheist(2006)

   14年ぶりに地獄から帰還した魔王の結果的に最終作となったアルバム。どんなアルバムかといえば、黒に黒を幾度も重ねたおぞましい暗黒の世界を表現している。幾年もの時を重ねれば、普通の人間なら丸くなっていくんだろうけど、やっぱりこいつらは違う。過去最高値を記録するであろう憎悪の念が渦巻き、狂気が平穏を壊す。魔界ともいうべきほど底知れぬ闇を構築していて、魔の手がその世界に引きずり込んでいく。

 進行方向は深淵なる闇、その一方通行のみ。これは“Monotheistという名のドラッグだ”と表現したいぐらい凄まじい。以前のようなスラッシュメタル級の疾走感はほとんど無く、殺伐としたスラッジリフで脳髄を次々と殴打。そこに耽美なゴシック要素を交えて恐怖を煽り、断末魔のような叫び声が終末を予期させ、奈落の底へ突き落とす。悪逆非道、地獄への縮図、なんかそんなイケナイ表現ばっかり浮かんでくる。次元の違う精神作用と芸術性を兼ね備えた名盤だと思う。特に約19分に及ぶ組曲#10~12「Triptych」は邪気に満ちた念が精神に圧し掛かってくるので意識が何度なく飛ぶ、圧巻。この異常臭気は是非とも脳内に叩き込んで欲しいものだ。


Morbid Tales

Morbid Tales(1984)

   1984年に発表された1stアルバム。彼等のこのデビュー作はその壮絶なる暗黒芸術が描かれたものであり、後のデス・ブラックメタルに多大なる影響を及ぼすことに至ったエポックメイキングな作品である。#1「Human」はさながら断末魔の叫びとも形容でき、その怨恨が一気に襲いかかってくる#2「Into The Crypts Of Rays」でもはや屈服寸前。異様な破壊力と暴虐性を本作が兼ね備えていることが既にこの時点で理解させられる。どの曲もシンプルでありながら不思議なグルーヴと闇の要素を醸しだす雰囲気はまさに圧巻。混沌を渦巻きながら、ひたすら闇の深淵へ向かって突き進み、悪を絶対肯定する姿勢は異常者と認めざるを得ない。もはや地球までもが震え上がってしまう、恐怖の音楽。一部ではサタニック・スラッシュメタルなんて呼ばれ方もされていたみたいだが、やっぱりこれは強烈で病みきっている。免疫の無い人間に聞かせたら間違いなく引かれてしまうだろう異臭を放つ名作。

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