Clean Of Core –Review–

東京を拠点に活躍するマスロック/プログレ・インスト・トリオ。変拍子をふんだんに取り入れ、予想もつかない乱飛行を繰り広げるそのサウンドを特徴に現在成長中。ヨーロッパ・デビューも果たしている。


Paradox

Paradox(2010)

   東京を拠点に活躍するマスロック/プログレ・インスト・トリオの2作目のミニアルバム。

 サウンドとしては兄が所属するLITEやTera Melosなんかに代表される変拍子の応酬と複雑怪奇な展開を自在に操りながら、激しくリリカルに音符を叩きつけテクニカル・インスト・マスロック。鋭く切れ込みながら熱や寂寥感を撒き散らすギター、そのギターにバトルを挑むかのようにユニゾンプレイも光るベース、さらには迫力満点のローリング・ドラムと個性と正確性は聴いていると十二分に伝わる内容である。その性急に絡むアンサンブルでぐいぐいと引っ張っていくのが最大の特徴だが、前述のバンドと違うのはゲーム音楽っぽい(と個人的に感じてる)シンセが猛烈な変拍子の上でワルツを踊っていることだろうか。冷徹な金属音の連射によるスリリングな狂騒に、気づけば華やかさとダンス・ミュージックの空気感を纏って効いてくるところも新鮮に感じたりする。それがやたらとメロディアス故に心地よい弛緩となっており、揺さぶりとしても仕掛けとしてもシンセが本作の武器として有効に機能していることは明らか。

 また、写真をつなぎ合わせたかのように次々と移り変わる展開の凄まじさもClean of Coreの持ち味だろう。例えば#2「Incorreect War」はポストロック的な徐々に熱を帯びていく展開を基調としながらもマスロックのエッジで切り裂いたり、ポストクラシカルな崇高美麗な佇まいを見せる場面までの振り幅を見せている。他の曲にしても展開を自在に操りながら、聴き手を自らのマスロック/プログレ・スパイラルに巻き込んでいくエネルギーは並じゃない。前述したようにダークな色気や70年代辺りのプログレ色をこの手のバンドと比較すると如実に感じられる辺り、差別化につながっていてその辺をバンドの個性としてもっと打ち出していくと面白いと思う。今後も期待したいバンドのひとつ。

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