coldrain ‐‐Review‐‐

名古屋を拠点に活躍の場を広げている新世代メロディアス・ラウド・ロック5人組。07年の結成以降、右肩上がりで人気を獲得している。


The Revelation

The Revelation(2013)

 前作から2年ぶりとなる3rdアルバム。その間には、昨年に6曲入りミニアルバム『Through Clarity』を発表しているが、そちらは未聴。また、プロデューサーにはParamoreやKillswitch Engage等を手掛けた経験があるDavid Bendethを起用している。

 あれ、このバンドってこんなにもヘヴィだったっけ?という大きな驚きが一聴した時にあった。冒頭の#1「The War Is On」から海外市場を意識したであろう重厚なサウンドと強烈なスクリームが鼓膜に圧し掛かってくる。覚悟を決めたかのように力強くて重い。続くリードトラックとなった表題曲#2「THE REVELATION」ではガツガツと攻めながらも、サビでのダイナミックな歌唱とメロウさがかなり印象的。それこそ全体的にかなりメタルコアに接近した作風で、彼等が以前まで持っていたパンキッシュな衝動/疾走感を抑え目。今までの中でも一番ヘヴィな作品という意見を多く目にしたが、以前からのファンからしたらこの変化には賛否が分かれそう。でも、よりコアで激しい方向に進んでも、ファン層を拡大してオリコン7位を記録するぐらいだから、彼等の道は決して間違ったものではないのかもしれない。

 ただ、言うほど振り切れているわけではなく、ラウド/クリーンの一定のバランス感覚は失っていない。それこそ持ち味であるメロディアスなフレーズは随所に配置され、本作ではシンセによる効果的なアレンジも目立っている。一瞬の清涼剤となる美しい#5「NEXT TO YOU」、最終曲#10『Carry On』におけるMASATOの艶やかでエモーショナルな歌唱にはグッとくる人も多いことだろう。ラウド新世代の中核を担う、彼等が生み出した決意の一作だ。


The Enemy Inside

The Enemy Inside(2011)

 味噌帝国から発信されるラウド・ロック/スクリーモ・バンドの2作目。1stはちらっとチェックした程度で作品を通して聴くのは今回が初だけど、獰猛なアグレッションとメロディアスな感性の両方が引き立った良い作品だと思う。

 まずそのエッジの立ったサウンドに耳がいく。鋭く研いだリフに厚みのある重低音によるフィジカルなグルーヴが、その攻撃性を牽引。ハードでメタリックな切れ味が作品通して感じられるものとなっている。要となるスクリーム&クリーン・ヴォイスを巧く切り替えながら対比構造で奥行きを出しているヴォーカル・ワークもまた良い。バンドの持つ情感をここまで真っすぐに伝える事ができているのもこのヴォーカルに寄るところが大きい。音楽としては海外のスクリーモ勢とそこまで大きな差異はないと思うのだが、作品はかなり強力で#1からバンドのクオリティを十分すぎるほど感じさせる。心地よい疾走感でガンガンと体温も上昇していくし、随所に挟まれるギターソロもまた昂揚感を高めていく。随所に盛り上げ所を用意してラストまで力強く加速していく#6は本作でも特にかっこいい1曲だ。

 その一方でいい意味でのメジャー感も湛えていて、清らかなメロディもキラリと光を放つ。特に#5「You」はスケール感の伴った美しい楽曲として存在感を放っていると思う。#8のバラード調の曲も箸休め程度には終わらない大らかな包容力を持っている。単純にラウド一辺倒ではなく、叙情感も計算されてしっかりと構築しているのが心憎い。それがまた日本人らしいわびさびも意識しているのがさらに良いと思える所。 作品に程よく幅を持たせながら、肉感的に刺さる攻撃性と耳に馴染むキャッチーさをしっかりと同居させて全10曲を駆け抜けていく。今を突っ走る新星の頼もしさと熱気を感じさせる1枚だ。

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