Convex Level ‐‐Review‐‐

結成から実に28年にもなるという京都を拠点に活動するオルタナ・トリオ。山本精一率いる羅針盤にも参加するベーシストを擁しており、関西の重鎮としてその名を轟かせている。2014年に通算6枚目となる『donotcl』をリリース。


donotcl

donotcl(2014)

 結成から実に28年にもなるという京都を拠点に活動するオルタナ・トリオの通算6枚目。山本精一率いる羅針盤にも参加するベーシストを擁しており、関西の重鎮としてその名を轟かせている彼等。10年にも及ぶリリース空白期間を経て、2008年からはコンスタントに作品を発表しているそうだが、2014年に発売の本作「do not cl(コンベックス・レベルするな!という意)」はその実力を大いに知らしめる出来栄えとなっている。

 「寓話と暗喩に彩られた、ポップでプログレッシヴな13曲62分に渡る不思議な旅。人情SFロック」という秀逸なコピーがつけられているが、言い得て妙だなと思う。確かに”ポップかつプログレッシヴ”という形容が、聴いてて真っ先に頭の中を駆け巡った。先読みのできない複雑な展開をベースにしつつ、燻し銀のメロウさで彩りながら、さらっとやってのけるアンサンブル。今でいうtoe系統のポストロックのフィーリングを感じる場面は多いが、70~80年代音楽への懐古の情も調味料として交え、素朴ながらも情緒的な歌からは坂本慎太郎っぽい感触を覚えることもある。実験的で幾何学的。まさにそんな本作であるが、ギター、ベース、ドラム共にいい意味で肩の力が抜けていて、熱っぽさを感じさせない涼やかさと柔和さが本作のポイントでもある。

 例えるなら、オルタナティヴ、ニューウェイヴ、ポストロック、エモ、プログレ等のスクランブル交差点。聴いていると、小気味良いインストゥルメンタルから、たそがれた哀愁の歌ものまで、45を超えるオッサンたちの熟練の技が堪能できる作品に仕上がっていると思う。前述の羅針盤や坂本慎太郎に、ブッチャーズ、toe、Borisといったバンドが浮かんでくるので、こういった方々のファンにオススメしたい。

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