Creature Creature ‐‐Review‐‐

DEAD ENDのカリスマ・ヴォーカリスト、MORRIEによるプロジェクト。より深く濃く描かれるブラックホールは、しかるべき深淵の果てへと聴き手を導く。


PHANTOMS

PHANTOMS(2012)

 MORRIE御大のプロジェクトの2年ぶりとなる3rdアルバム。同年3月には、本隊のDEAD ENDでも5thアルバムを発売しているだけに制作に意欲的な年となったことだろう。脇を固めるミュージシャンは、ドラムのSakuraはアルバムに収録されているシングル2作を持って離脱したようだが、後任にはササブチヒロシや同じDEAD ENDの港などが叩いているし、レギュラーのHIRO(ex-La’cryma Christi)や人時(黒夢)は健在だ。

 他をまるで寄せ付けないMORRIEの創造性・構築力・オーラが本作にも当然のように発揮されており、まるで衰えは無い。DEAD ENDよりもプログレッシヴで多彩な曲調で、意外にもメタリックな要素が強まっている印象には驚かされたのだが、充実の作品といえるだろう。前作にも増して変幻自在で、アンサンブルは強靭。漆黒のヘヴィ・リフの応酬からサビでは凛とした美しさが花開く#3「Phallus Phaser」や奇怪に揺れ動くギターフレーズやMORRIEの錯乱したような歌などが、次々と悪夢を見せる#8「dead Rider」などはその最たるものか。まるで先が読めない独創的な展開の連続、哲学的な詩の数々など、孤高のヴォーカリストを中心にして時空を超えた禁断の異世界を見せてくれる。

 美醜の対比をつけながら、独特のフレーズで世界観を彩るHIROのギターは流石ともいうべきものだし、もうひとりのギタリストShinobu(ex-Guy’s Family)も劣らずの技術で応戦。ヘヴィ&メロディアスに疾走する#2「Fire Burns With Me」やシングルの割に一癖ある#4「楽園へ」と作曲面でも活躍している。もちろん重厚なサウンドを支える人時もそうだし、4人のドラマーがそれぞれの味で楽曲に推進力を与えていることも重要である。彼等の存在があるからこそ、Creature Creatureはさらに特異な存在として、その不思議な磁場を創り上げることができるといえるだろう

 ラストを飾る#11「Andromeda」では、MORRIE御大のドイツ人の妻がヴァイオリンとして参加。艶やかな美しさを持つ壮大なバラードに仕上げている。そんな本作は、これまでに発表した作品の中でもマニアック度は高く、DEAD ENDよりも敷居は高いかもしれない。ただ、一番癖になる作品でもあると思う。このカリスマ性の前にはもはやひれ伏すしかない。


INFERNO(DVD付)【初回限定生産盤】

INFERNO(2010)

  DEAD ENDのカリスマ・ヴォーカリスト、MORRIEによるプロジェクトの4年ぶりとなる2ndフルアルバム。サポート・メンバーが凄くて、ギターが元ラクリマのHIROと元ガイズファミリーのShinobu、ベースが元黒夢の人時、ドラムが元ラルクのSAKURAとなっている。

 1stアルバムではバラエティに富んだ楽曲と圧倒的なヴォーカル・ワークで凄まじい存在感を打ち立てていたが、本作もその流れを引き継ぎ、さらにはDEAD ENDの復活作『METAMORPHOSIS』とも近似した内容。重厚なアンサンブルと妖しい艶やかさと攻撃性を兼ね備えたMORRIEのヴォーカルが、耽美かつ怪奇な世界を築く。煉獄巡り、そして天へと駆ける物語は、絶対的な指導者(MORRIE)のもとで、饒舌に聴き手を楽しませてくれる。ヘヴィなリフが黒い炎を上げ、アタックの強いリズム隊ががっちりとバンドサウンドを支えているのだが、クリーントーンのギターやアルペジオが結構使われているのが特徴的。繊細な美しさやミステリアスなダークネスを湛えていながらも、#3に代表されるようにキャッチーな要素も秘めている。重厚にチューンアップされてはいてもメロディは美しく、ポップといえる部分も内包しており、”地獄”というタイトルながら輪廻転生といった意味合いもおそらく含まれているのだろう。それでも不気味でねっとりとした質感と奇妙な異界からの輝きはやはりとんでもない。非常に芸術性を感じさせる所も彼の手腕といえるだろう。

 DEAD ENDの復活作に比べると、よりヴォーカルに焦点をあてた曲作りだが、ライヴツアーもこなしたというHIRO、人時、SAKURAといったメンツがもたらす安定感は素晴らしいし、彼等が作曲にも関与してMORRIEのブレぬ世界観に精細に色づけして奥行きを与えているのもおもしろい。MORRIEの打ち震えるような唯一無二の輝きは言わずもがなだが、ソロというよりはバンドとしてのエネルギーを感じさせてくれるのも大変よい。とても刺激的な作品であり、DEAD ENDの復活作に感銘を受けた人は是非とも押さえておいてほしいものだ。

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