The Cribs ‐‐Review‐‐

英国出身のジャーマン3兄弟によるロック・バンド。UKでありながら至極真っ当なロックを地で鳴らして人気を博している。2008年には元スミスのジョニー・マーが加入したことも話題になった。


Ignore the Ignorant

Ignore the Ignorant(2009)

 ジャーマン3兄弟に元スミスのジョニー・マーを加えて4人体制となってからは初めてとなる4thアルバム。本作で初聴だが、非常にストレートなロックをぶつけつつも、メロディアスな風情がいい塩梅となっていて、厚みのあるサウンドの中でのしなやかさが光る。

 1曲目こそエッジの立ったサウンドで気持ちいいまでに駆ける疾走ロックチューンだが、それ以降は落ち着いた演奏で琴線を揺さぶる明快なフレージングや真っ当にツボをつく唄をしっかりと耳に残す。UKらしいしたたかな展開やインディらしいローファイなつくりも時折、顔をだして、キャッチーさと若者らしい蒼い情熱が滾っていることを証明している。誠実に鳴らされるメロディラインの美しさも特筆すべきで、感情的に聴かせる唄と融合した時のハーモニーには胸を焦がされてしまう。なぜかよくわからないが融合していった17歳も年上のジョニー・マーであるが、3人兄弟に老練な演奏力とカリスマの威光をプラス。決して自ら先頭切って引っ張るわけではなく、背中で語って引っ張るといった印象だ。

 躍動感に満ちたロックチューンから叙情的にキメる曲、等身大の若者の素朴な味が出た曲、泣けるバラード調の曲まで、幅広いけれど全体的にスムーズな風通しの良さを感じるのは、彼の影響が陰のコンダクターとなって起伏をコントロールしていることが大きいように思う。それを踏まえて、インディ・ギターロックという骨格にただならぬ重厚感と美が加わった一枚になっているのではないだろうかと個人的に感じる次第。まっすぐ胸に響く良さが本作にはあります。

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