V.A.『DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-』 ‐‐Review‐‐

DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-

DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-(2013)

 DEAD ENDのメジャー・デビュー25周年を記念してのトリビュート・アルバム。10年以上も前から、トリビュート盤の話は何度か持ち上がっていたそうだが、実現には至らず。関係者の尽力によって2013年にようやく実現する運びとなった。「本当に好きな人だけにトリビュートへの参加をお願いする」というコンセプトを基に(こちらのインタビュー参照)、DEAD ENDの遺伝子を受け継いで、大輪の花を咲かせたLUNA SEA、L’Arc-en-Ciel、黒夢、Janne Da Arcなど総勢50人を超える豪華メンバーがここに集結している。

 本作の特徴はというとトリビュートでは珍しい形式で、個人単位の招集によってオールスター・バンドを形成していることだろう。出足の#1「Embryo Burning」からHYDE、HIRO(La’cryma Christi)、岡野ハジメ、Shinya(DIR EN GREY)という布陣に驚かされ、その後も通常では絶対にありえないだろう夢のような組み合わせが、9曲・9バンドも実現(cali≠gari、Borisはバンド単位の参加で、清春のみ単独で1曲を担当)。また、選曲は、昨年に発売された現時点での最新作となる『Dream Demon Analyzer』を除く5枚の作品からバランスよく行われた全12曲を収録している。

 基本的に演奏に関しては、プレイヤーの個性が出ている部分もあるによせ、個人参加という形式を取ったためにオリジナルに忠実。その分、豪華すぎる個性派ヴォーカリスト達が自らのカラーへと染めていく形といえるだろうか。MORRIEが憑依したような完コピぶりのHYDEの#1「Embryo Burning」、問答無用のRYUICHI節が貫かれる#2「I Can Hear The Rain」、清春らしい妖艶さや陰りが伝わってくる#3「The Godsend」、この序盤の3曲の流れだけでも満足度は高い。

 その中で、意表を突かれたと思うのが、ALI PROJECTの宝野アリカが歌う#5「Serafine 。唯一の女性ヴォーカリスト参加となったこの曲では、楽曲の持つ耽美さや幻想性が丁寧な演奏陣(SUGIZO、TOKIE、ササブチヒロシ)と共にさらに引き出されているように思う。また、GASTUNKのBAKIが参加し、異色なまでのパワフルさを感じさせる#9「Perfume Of Violence」もインパクト強し。ほとんどの楽曲に言えることだが、各ヴォーカリストが自らの個性にあった曲を選んでいるのも重要なポイントといえるだろう。けれども、僕の凄く好きな#8「Dress Burning」だけは、MAKOTOには荷が重かったと感じる内容(演奏はいいんだけど)・・・。BUCK-TICKの櫻井さん辺りにお願いできなかったのだろうか。

 cali≠gariらしいNW色を強めて再構築された#10「Blind Boy Project」、しんみりとした哀愁や美しい轟音を織り交ぜながらドラマティックに駆けあがっていくBorisの#12「冥合」とバンド単位での参加となった2組の楽曲は、特に素晴らしいと思う。この2組に関しては本作品の発売前のDEAD END主催『四鬼夜行 -五喰-』において、印象的なパフォーマンスをしているので全く心配はいらなかったが、こうしてパッケージされたものを聴くと期待以上の仕上がりといえる。また、錚々たるメンツが揃う中で、Borisが最後を飾っている点も感慨深い。

 DEAD ENDが与えた影響の大きさや揺るぎない存在感が、本作を通して伝播していくのは間違いないだろう。聴いていて何よりも感じるのは、参加アーティストのDEAD ENDに対しての愛情。それが微笑ましいぐらいに感じられるのが良い。ただ、過剰なリスペクトが遠慮に繋がっている点も否定はできないのだが、個人的には総じて満足できる内容だった。

 ここまできたら次は、DEAD END主催のフェスティバルを期待したいところ。

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