Decoder Ring ‐‐Review‐‐

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オーストラリアを拠点に活動するポストロックバンド4人組。作成した楽曲全てに映像作品が存在するなど、シネマティックな世界観を武器に、美しい楽曲を数々作成。カンヌ映画祭で絶賛された映画「Somersault」や「Jewboy」という映画のサウンドトラックなどを手がけるなど、多方面での活躍が光っている。


They Blind The Stars, And The Wild Team

They Blind The Satrs, And Wild Team(2009)

 Coldplayの前座にも抜擢されたというオーストラリアのポストロック4人組ザ・デコーダー・リングの日本デビュー作(多分通算2作目)。聴いているど、圧倒されるというよりは吸い込まれるといった印象が浮かんでくる。

 洗練に洗練を重ねただろうメロディの純度の高さ、切ない美を表現しつくす創造力、シガー・ロスを思わせる温もりのある空気。そのどれもが流麗に絡み合いながら、オーガニックで美しいサウンドスケープを形成している。息を呑むぐらい美しいとはこのことか。おぼろげなギターノイズやキーボードで艶やかに空間を彩りながら、ドリーミーな音色や浮遊感をかもし出し、壮大な物語を描いている。そこから眼前に描き出す圧倒的にシネマティックな世界は、現実と夢の狭間を彷徨っているかのような感覚だ。映画音楽をも手掛けている深みのあるサウンドは、このバンドならではの特権だろう。容赦なく美しさを抽出している。

 また、モグワイやMonoを彷彿とさせるようなロック的ダイナミズムも時には顔を出し、エモーショナルな静と動の遷移が聴き手の心を熱くする場面もあり。加えて、音のひとつひとつに込めた感情表現の巧さも憎いぐらい。ただ、個人的にはもうちょっとロックロックしてくれていた方が好みではあるし、インパクトや起伏といったものもそれほどない。ただ、安らぎや温もりといったものを求める方にはうってつけではないかと思う。無重力の中を漂うような浮遊感と神々しいまでの輝きを放つ光は癖になりそうな魔力がある。真摯な音作りから成る祝祭の音色、それが聴き手を陶酔へと導いてくれる、そんな作品なのだ。

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