D’espairsRay ‐‐Review‐‐

1999年に結成されたヴィジュアル系ラウドロック・バンド。「ダークと破壊」をテーマにしており、重厚なサウンドとVo.HIZUMIの強烈なシャウトが体と心を揺さぶる。また、活動初期から海外も含めた活動をしており、WackenやTUSKA OPEN AIRに出演経験あり。2008年にはTaste Of Chaosツアーにも参加している。バンドは5枚のフルアルバムを発表するが、Vo.HIZUMIの喉の回復が見込めないため、2011年6月を持って解散。それからおよそ3年後となる2014年7月29日に復活公演を行う事が発表された。

レビュー作品

> MIRROR > Coll:set


Mirror

Mirror(2007)

 前年には、ヨーロッパ最大のメタルフェスティバルである”Wacken Open Air”にも出場。そんな貴重な経験を経た彼等が満を持して放つ、約2年ぶりとなる2ndフルアルバムである。

 当然ながら、1stアルバム『Coll:set』で培ったものを成熟させた印象は強く、その上で歌もの感とポップさが増した。シングル曲#5「凍える夜に咲いた花」、#11「Squall」はまさにその狙いが反映された楽曲で、音響的な広がりを持たせる電子音の装飾や切ないメロディの配し方などが練られている。特に#11「Squall」のあっぱれなヴィジュアリズムは、その手の音楽を聴いてきた人の琴線に触れることだろう。HIZUMIの歌い方はシャウトよりもメロディアスな歌唱が前に出ている印象が強いかな。しかしながら、しっかりとヘヴィな音圧を堅持し、インダストリアル~ゴシックな旨味ものっけていて、冒頭を飾る#1「Damned」から#3「MIRROR」まではディスパ節全開である。特に、地が揺れるほどのヘヴィなリフで押しまくりながら小気味よく突っ走る#3「MIRROR」は、本作でも屈指の楽曲だろう。とてもかっこいい。

 どうしようもなくマンソン・リスペクトな#4「Sixty-Nine」は飛び道具としておもしろいし、ラストを飾る#12「kaleidoscope」も壮大なミディアム・ロックで味がある。全体を通しても骨太でありつつ、いい意味でスリムになったことで、メロディアスさと風通しを良くした作品に仕上がった。1stアルバムと並んで評価が高いのも頷ける。


Coll:set

Coll:set(2005)

 インディーズから発表した1stフルアルバム。インディーズ・チャート1位に輝いたシングル曲#6「Garnet」、#8「浮遊した理想」を収録し、人気曲のリミックスも収めた全14曲約64分という内容になっている。

  当時から「ダークと破壊」をコンセプトにしたヘヴィでダークな楽曲作りに定評があった彼等。ダウンチューニングを使用した重厚な音色に、シンセサイザーを交えたサイバーかつインダストリアルな味付け、ゴシックな装飾、ヴィジュアル系の流れにある艶やかなリリシズムなどが絶妙なバランスで組み合わせられている。この頃のヴィジュアル界隈は、Dir en greyやムックといったバンドの影響でラウドロック~ニューメタルの流れが来ていたと思う。その中でD’espairsRayは、BUCK-TICKやマンソン等の音楽の影響を上手く加味しながら、ヘヴィロックを自身の流儀で再構築したようにも感じられる。

 #2「Dears」はゴリゴリの重いサウンドと疾走感、V系ナルシシズムが効いた佳曲だと思うし、牙をむく激しいシャウトと荘厳ゴシックな曲調が昂揚感を煽りつつ、暗くも神秘的な雰囲気を作り上げている#6「Garnet」もかっこいい。アグレッシヴに攻め立てる曲が多い中で、ヘヴィかつメロウなサウンドの上でピアノが切なさを募らせていく耽美なミドルテンポの楽曲#10「灰と雨」がいいアクセントとして機能している点にも惹かれる。ライヴでの熱狂が浮かぶ#7「アベルとカイン」~#8「浮遊した理想」~#9「”Forbidden”」の流れも良い。既にこの1stアルバムの時点で、バンドの中で確固たる世界観というものが確立されている印象は強く、改めて聴いてもこのバンドのかっこよさを実感。早くから海外へも進出した実力派の原点を十二分に体験できる好作品なのである。

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