THE DONOR ‐‐Review‐‐

血も涙も無い激化したエクストリーム・ミュージックで、 金沢から世界へ進撃するハードコア・トリオ。2014年6月に1stアルバム『AGONY』をリリースした。


AGONY

AGONY(2014)

 日本海を漆黒に染めるエクストリーム・ミュージックの極北。石川県金沢市の3人組であるTHE DONORの1stアルバムである。有象無象を物凄い勢いで蹴散らす#1「Fearless」からして馬力が違う。重戦車が時速300kmで突撃して来るかの如き。ハードコアを基点に、メタルやクラスト、スラッジ、グラインドコア等を練り込んで培養した壮絶なサウンドを轟かせる。それこそDEATHWISHやSouthern Lordといったレーベルからリリースされていてもおかしくないレベルだろう。TragedyやTrainreckといったバンドにも近しい感触を覚えながらも、大和激情エモーショナルを乗せて、あらゆるものを粉砕していく。

 74秒に渡る拷問劇#2「Flood Of Fury」、激走ハードコアの美学と殺傷力を詰め込んだ#3「Circle」という序盤の衝撃もさることながら、アルバムを通しての緩急の付け方も練られている。特に世の会いたいバカどもにドゥーム地獄を見舞う#6「Feeding by the worm」は強烈。スロウテンポと引き摺る様なリフの反復に脳味噌が掻き乱されてしまう。再び猛烈なスピードで畳みかける#7「Unforgiven」以降も圧巻で、”瞬・重・殺”を研ぎ澄ませた音が人々を狂乱へ陥れる。この暗黒重金属の波動は、最前線で戦い続けた漢たちで組んだバンドだからだろう。あまりにも痛快である。

 ラストの流れも圧巻だ。いきなりHR/HM的なギターソロを掻き鳴らす#10「Thousands Come」、それに本作の中で最も陽性のメロディとドラマティック爆走を聴かせる#11「Shine」にブチあがり、残忍極まりないドゥーム/スラッジ#12「Keshite」で記憶を全て消して奈落の底へ。12曲約36分という内容ながら、壮絶な音塊をとめどなく浴びせ続ける。血も涙も無い激化したエクストリーム・ミュージックの決定盤。

 ちなみにリリース・インフォメーションには、「DEAFHEAVENのサポートを務め」って記述してあるけど、あの伝説と化している「2012年、DEAFHEAVEN初めての名古屋(ドキッ、観客20人とのハードコア合戦)」に出演していたとは。当日は、2バンド目の途中から見たので、トップバッターのTHE DONORは見れなかったのだが、最前に誰もいない中で彼等が激音エクストリームを放出していたことを思うと、眼から汗が。でも、デイメアの総帥とこの時に少し話したけど、THE DONORは当時のサポート公募で唯一選んだバンドらしいので、その時点で実力は大いに認められていたわけだ。

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