Dungen ‐‐Review‐‐

スウェーデン出身のオルタナ/サイケデリック・ロックバンド。現在までに6枚のアルバムを発表し、レトロな感触が目立つサイケデリック・ロックで一部から人気を獲得する。2010年発売の最新作ではポップといえる境地にまで足を踏み入れてきており、バンドの新たな姿勢が垣間見える。


Skit I Allt

Skit I Allt(2010)

   P-VINEから国内盤も発売された5thアルバム『4』に続いて約2年ぶりとなる6thアルバム。前作ではやや整理された感のあるサイケデリック・ロックを鳴らして、脳内にお花畑を咲かせていたのが印象に残っているんだけど、本作ではさらなる洗練を図っていてポップといわれる境地にまで足を踏み入れてきた。

 ダウナーな空間へと変えていくファズギターは控えめで、美しいメロディ感覚を全面に打ち出している。情緒的なフルートの音色、麗しいピアノの調べ、懐かしさを覚えるようなフレーズから叙情的なメロディまでを多彩に奏でるギター、甘美な女性ヴォーカル、それらをポップの潤滑油として活用し、独特の味わいをもった世界観を構築。そのうえにレトロチックなギターフレーズやファズが効果的に差しこまれ、トライヴァルなリズムやプログレを下地にしたような展開と共に彼等らしい渋さを配している。時折アタック感の強くなるベースラインの蠢きも印象に残るし、アコースティックで牧歌的な空気を醸し出す曲も心地よく鼓膜を震わせてくれる所も良い。それらの組み合わせが非常にすっきりしていて、スムーズに聴きとおせるのがこのバンドの強みのように思う。凝っているとはいえ、それら全ての要素が巧くハマっているのはさすがの力量である。

 濃密なグルーヴの上をフルートが縦横無尽に駆ける#1のオープニングから、多彩な楽器と音色が融和しあう佳曲#2、プログレチックでありながらピアノによる上品な佇まいが印象的な#8と聴きやすいけれど、不思議な刺激と毒素を内包した曲が多いのも彼等らしい。サイケデリックという持ち味はあるにせよ、ポップという感覚を綺麗に織り込んだことでの変化が面白い内容で、やはり一種独特の個性が目立つバンドであることを再認識する次第だ。

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