恵比寿マスカッツ ‐‐Review‐‐

テレビ東京系列の深夜番組「おねだりマスカット」から誕生したセクシー女優&グラドル混成の逆走アイドル軍団。初シングルの発売から3年の活動で、9枚のシングルと2枚のアルバムをリリースし、日比谷野音やZEPP TOKYOなどでライヴも行っている。しかしながら、2013年4月の舞浜アンフィシアターの公演をもって解散した。

レビュー作品

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(仮) 女の花道~前夜祭・卒業式~ [DVD]

卒業式「女の花道」~伝説の解散コンサート~(2013)

 4月6日、7日に舞浜アンフィシアターで行われた解散コンサートの模様を収めた映像作品。リリースはDVDのみとなっているが、4枚組540分収録という盛りだくさんのボリュームで、当日に会場へと足を運んだ人にとってはあの時の感動が蘇るだろうし、マスカッツのコンサートへ行ったことが無い人に対してもこんな素敵なアイドル・グループがいたんだ!ということを強く印象づけるような作品となっている。といっても9,450円もするので、ファンじゃないと手にすることは無いと思うが(苦笑)。

僕は、番組自体は欠かさずに見ているぐらいに好きだったが、彼女達のコンサートには出向いたことは無かった。しかし、最後という事もあって絶対に見ておこうと思って、この2日間の解散コンサートに足を運んで初めて彼女達のステージを体感。解散補正というのもあると思うが、正直、びっくりするぐらいに良かったし、感動した。アイドル・グループとしてのマスカッツの持つ魅力に気付かされたように思う。末筆ながらその時のレポートも書いている(前夜祭卒業式)が、一応のマスファミとして、このDVDについて感想を書いておきたい。

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 540分の収録は、前夜祭(DISC1:164分)、 卒業式DISC2-3(145分,144分) メイキング映像(DISC4:87分)となっている。ただ、前夜祭は約3時間半、卒業式は約5時間にも及んだので権利関係でひっかかる部分はカットされている。他にもあると思うが、気になったカットされている箇所は以下の通りかな。「江南スタイル」もカットされているけど、強制メイク・シーンは音無しで収録。

・両日のオープニングVTR
・大久保さんの合計4回歌った『夕暮れ気分』,『木枯らしに抱かれて』,『おひさしぶりね』
・小奥の児玉菜々子、前夜祭のスピーチ時の蒼井そらの「青い山脈」
・前夜祭にゲスト出演したダイノジ・大地
・前夜祭のメンバー退場シーン

 鼓動と期待が大きく高鳴るほど秀逸だった両日のオープニングVTRは、BGMにピストルズとストーンズを使っていたとはいえ、音を差し替えてでも収録すべきだったのではないかという思いは強い。当然、大久保さんの『夕暮れ気分(堀ちえみのカバー)』もコンサートに欠かせないものだっただけに、こちらも何とかクリアして欲しかった。それに、児玉菜々子の小奥がまるまるカットされてたのは残念だったなあ。しかし、ダイノジの大地はゲスト出演したのに、まるで出演してなかったかのように編集されているのには笑った。定番のマッチ、世界一のエアギター、マッコイのものまねまでやったのにね。ただ、この辺りは当日に会場を運んだ人の特権ということなんだろう。貴重な想い出として胸に残しておきます。

 2日間を総括すると、前夜祭では番組のコーナーの小奥や強制メイクのようなハプニングを含めつつ、マスカッツのコンサートとしての集大成と思えるものを披露。一切の出し惜しみ をせずにこれまで発表した曲を全て歌った卒業式では、麻美ゆまや桜木凛の復活、OGの出演というサプライズを含めながら卒業証書授与式、最後の 「ABAYO」に至るまで感動は大きくなりつづけた。

 その上で、改めてDVDを通して色んな角度からマスカッツを見ると、彼女達が涙ながらに踊り、歌う姿に胸を打たれるものがある。決してキレイな道を歩いてきたわけではない彼女達が、こんなに大きな舞台でコンサートができる喜びを心と体で精一杯に表現。当日は、それを裏で支えるマッコイや鈴木工務店等のマスカッツ・スタッフが見える位置に僕はいて、懸命に指示を送る姿を目撃しているし、集まったファンも懸命に盛り上げていて、その一体となったエネルギーに凄く驚かされた。アイドルのライヴって物凄いパワーがあるなってこの時、正直に思ったんですよね。このDVDでもそれは確認できるかと。臨場感あるカメラワークもそれを手伝っている。それに聴いてみると曲がやっぱり良い。おぎやはぎも後日のメガネびいきにて、「改めて聴くと、曲がいいんだよね」と語っていたが、キラキラとした笑顔を振りまきながらのステージは、華やかで可愛いと僕自身も素直に感じた。

 演出で言えば、前夜祭での「ありがとう」の時の黄色のサイリウム、卒業式では本編ラストの「ABAYO」における7色のサイリウムによるサプライズが、このDVDだとステージ上からの光景も見られるのでその美しさに驚きを覚える。また、前夜祭のウェーヴもまたこうして確認してみると、あの時の昂揚感を思い出す人も多いでしょう。それだけに繰り返しになるけど、両日のオープニングVTRと初日の退場シーンは、何とか収録できなかったのかなあと余計に感じる。

 そんな中で、卒業証書授与式で主要キャストが揃い、「おねマスの絵」がテレビ越しでなくステージで見れたのが、僕が一番良かったと思うところ。コンサートは前夜祭の方が良かったと感じたし、それはDVDで見返しても変わらない。だけど、あの授与式での感動は格別のものがある。あとは、とても楽しませてもらった前夜祭の小奥であり、みんなが泣きじゃくりながらの最後の最後を飾った「ABAYO」が、個人的に特に印象的であった。ただ、これだけではない。思い出せば、たくさんのシーンが脳裏に蘇ってくる。

 そして、本作品で楽しみにしていたのがDISC4のメイキング映像。大阪公演の翌日にあたる4月1日のリハーサルから収録は始まっていて、マスカッツとスタッフが一丸となってマッコイの言う「最高の景色」に向かい、全力で突き進んだことが伝わってくる。希志あいのや蒼井そら、永作あいり等を中心にして時に楽しく、時に厳しく、でも笑いを忘れることなく、最後2日間のステージへと心身を高めていく姿が胸に響く。なかでも強く印象に残っているのが、最終公演に向かう前にマスカッツとスタッフが全員で大きな円陣を組んで気合をいれるところ。演出家であるマッコイの存在の大きさが、このメイキング映像を見るとはっきりと理解できますね。

 あとは、ライヴが終わって退場した後のシーン。全てが終わってしまって茫然としている者、泣きじゃくっている者、抱き合っている者達と様々だけど、そのなかで山口愛実が嘘泣きでは無い涙から最後は笑顔になって「ありがとうございました」っていう場面がグッと来た。ただ、メイキング集も卒業式後の楽屋裏の方をもっと収録して欲しかったなあという想いはあるかな。欲張りすぎではあるけども。

 それにしても、見ているとウルっとくる部分が結構あって困る(笑)。さすがに「伝説の解散コンサート」というのも言いすぎではないと思う(あくまでもファン目線からですが)。そんな「女の花道」を飾った元マスカッツのこれからは、さらに厳しいと思うけど、がんばってキラキラと輝いて欲しいと願うばかり。期待しています。

 本作品は、公演から約4か月経過してのリリースとなるわけだが、その間に元マスカッツの面々にもいろいろな変化が起こっている。あちらの世界で2人がデビューし、川村えなちゃんは”川村えなを卒業”、ザコちゃんは坂本りおんから沢辺りおんへ。また、安藤あいかは大久保さんの番組でレギュラーを獲得し、児玉菜々子はマッコリのCMに出演、栗山夢衣はスルースキルズとしてまたアイドル戦国時代へと挑んでいる。中でも一番に衝撃的だったのは、麻美ゆまが抗がん剤治療中とのこと。ノンストップでも特集されていたけど、驚きは非常に大きかった。卒業式で、極端に痩せていたのは立見席で見ていた自分からでもはっきりとわかったが、あの変わらぬ笑顔で5時間+@となった公演を乗り切ったことは奇跡なのかもしれない。大変だと思うけど、早期の回復を祈っています。


卒業アルバム 超豪華盤 [3CD+1DVD] 初回限定生産商品

卒業アルバム(2013)

 テレビ東京系列の深夜番組「おねだり!マスカット」から誕生したセクシー女優&グラドルの混成軍、恵比寿マスカッツの最終作品。快進撃の象徴ともいえる10年2月に発売の1stシングル「バナナ・マンゴー・ハイスクール」から13年3月に発売されたラスト・シングル「ABAYO」までの全シングル曲を収録しており、5年間全力で走り続けてきた彼女たちの歴史を辿れる内容になっている。

 「バナナ・マンゴー」歌ってるだけだったのが(見切り発車で作った番組のオリジナル曲だけども)、まさかシングル9枚&アルバム2枚も出して、全国ツアーを行うぐらいに大きくなるとはね。マッコイ氏を中心に体当たりでお笑い番組をつくりあげて、番組が3年目に突入してからはアイドル活動が本格化。CDをリリースすると共に渋谷公会堂や日比谷野音、ZEPP TOKYO等でライヴを行うという、主要メンバーの本職を考えると信じられないことを成し遂げてきた。サマソニも出たし、氣志團とも共演したし。解散した今、思い返してみても「凄い」ことだよなあと感じる。

 アルバムの方に話を移すと、楽曲はアイドル歌謡らしく、とてもキャッチーに作られている。ちょいと80年代っぽいチープさがあり、明るく元気にしてくれる曲が多い。マッコイ氏が手がける歌詞も彼女たちの立ち位置を捉えた絶妙なものが多く、番組でのそれぞれのキャラ付けも盛り込んでいて、ちょいエロ要素もあり。鉄板の#2「バナナ・マンゴー・ハイスクール」を始めとして、#7「チヨコレイト」や#8「スプリングホリデー」は心地よい開放感とアイドルらしさが貫かれていて良いし、#11「ハニーとラップ」や#13「親不孝ベイベー」辺りは彼女たちの新しい魅力を引き出しながらキャッチーな楽曲として昇華。それに母への感謝を歌った「おかあさん」という泣ける曲も用意している。自らを”逆走アイドル”と銘打って活動を続けてきたけど、歌は本当に正統派アイドルそのものなんで、聴いてみるといいという人は案外多いかもしれない。

 3形態がリリースされた中で自分は豪華盤を購入したんだけども、こちらの方では卒業式の流れでアルバムが進行していく。おぎやはぎ、大久保さん、小林Pが参加しての#4「祝辞」,#17「卒業証書受」等が曲間に入り、マスカッツ・メンバーによる爆笑の#16「卒業生答辞」もあって、番組に近い形式で楽しめる内容が個人的には嬉しい。それ故に番組を見たことない方が聴くと、「?」が頭の中で並ぶことになるかもしれないけれども(苦笑)。小木のあの一言から全員が吉本式でズッコケる#18「閉会の挨拶」から、しっとりとした曲調の卒業/旅立ちの歌#19「アルバム」での締めくくりには、やっぱり感慨深いものがある。それは、お笑いと歌に彼女たちが全力投球してきたからこその結果なのかなと。個人的には、#3「12の34で泣いて」とラストシングルの#17「ABAYO」がマスカッツの曲の中では、特に好きな楽曲です。

 また、DISC2には番組を彩ったユニット集(ヘラクレス、プルカワなど)に加え、マッコイ氏によるマスカッツ・メンバーへのインタビュー等を収録。こちらはバカ四天王へのインタビューがとてもおもしろいし、「おかあさん」の歌詞を変えてファンへの感謝を込めた「ありがとう(LIVE Version)」が感動的である。DVDには、全16曲のPVとメイキング映像が収録されており、普通ならこれを単体で売るぐらいにボリューム満点。最後だから詰め込めるだけ、詰め込んだという言葉通りの豪華盤となっている。この上を行く超豪華盤もあるが、もし興味を持って購入するなら豪華盤がオススメです。

 最後に先日の解散コンサート2日間は、本当にいいものをみせてもらった。笑いあり、サプライズあり、涙ありの集大成。おねマスをつくったみなさんに改めて感謝。そして名残惜しいが、本作と最後の全国ツアーで女の花道を飾った彼女たちの新しい旅立ちにエールを送りたい。

 ちなみに番組の方では、「蒼井そらのダメ出しドキュメント」と「小奥」が特に好きでした。


ザ マスカッツ~ハリウッドからこんにちは~

ザ マスカッツ ~ハリウッドからこんにちは~(2011)

 テレビ東京系列「おねだり!マスカット」シリーズから誕生したセクシーアイドル軍団の待望の1stアルバム。初回盤は全12曲+DVD付きで、通常盤は初回盤には収録されていないコントを収録した全20曲となっている。メンバーは本作の発売時には6期生までいってると思うけど、アルバムに参加しているのは5期生までかな。この年に卒業となったかすみりさや織井さんをフィーチャしたトラックも収録されている。

 「バナナ・マンゴー・ハイスクール」がまさかのオリコン・チャート8位にランクインしたのをきっかけに始まった、逆走アイドル達の快進撃は、1年をかけて(番組を通すと3年)アルバムの発売という形にまで駆け抜けた。まずはそこを大いに評価したいと思う。肝心の楽曲はというと、マッコイ斎藤(作詞)とJam&Lice(作曲)コンビによるもので、驚くほど王道アイドル路線を貫いたキャッチーで明るいものが多く、聴き手を元気いっぱいにしてくれる。もちろん、彼女達らしいセクシーなスパイスを塗すことも忘れていない。その筆頭が底抜けに明るくて歌詞もおバカなデビュー曲#2「バナナ・マンゴー・ハイスクール」となるわけだが、キラキラのトラックとキャッチーな歌声が春の息吹を運ぶ#4「スプリングホリデー」やクセになる可愛らしさを持った#9「チヨコレイト」といったシングル曲は、番組ファン以外にもヒットするだろう魅力を持つ。軽やかなリズムでノせる#11「OECURA MAMBO」やラテンの薫りを漂わす#16「私マンボー」辺りも良い。中でも一番好きなのはポップなのにどこか切なさをもった#20「12の34で泣いて」です。

 また、番組から派生したユニットも数曲収録。川村えなの中森明菜風のソロ曲#6「霊感少女A」、バブル時代のディスコを意識した#7「ヘラクレス」はその中でも印象的かな。加えてこういった曲は、マスカッツを聴いてて感じる”懐かしさ”にも繋がっている。さらに前述したように、通常盤にはおふざけのコントが曲間に8曲も収録されていて、アルバムに番組らしい雰囲気を持ち込んでおり、思わず笑ってしまう場面もある。おぎやはぎ、大久保さん、マッコイ斎藤、ナレーターの富沢さんといったゲスト陣が参加しているのも嬉しい。個人的には#5「FM-J 織井さん」は、よくぞ収録してくれましたと湛えたいもの。

 おねマスはこうでなくっちゃ!ってのが詰め込まれている1stアルバムに仕上がっており、番組ファン以外のアンテナにも引っ掛かる部分は十分にあるかと思う。ほら、おぎやはぎも「曲がいい」って言ってるんだからさ。

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