Ef –Review–

スウェーデン・ヨーテボリで結成された5人組ポストロックバンド。ギター、ベース、ドラムにチェロ、メロディカ、アコーディオンを絡めた壮大なスケールで描くサウンドが特徴的。現在までに3枚の作品をリリースしている。

レビュー作品

> Mourning Golden Morning > Give Me Beauty…or Give Me Death!


Mourning Golden Morning

Mourning Golden Morning(2010)

   2年ぶりとなる3rdアルバム(2ndも聴いたけどあまり覚えてない)。いつの間にか3人組になっているが、サポートメンバーが2人いるので、編成的には変わってない。そして、またシガー・ロスを経由した麗しい叙情派ポストロックという趣にも変化はないが、その世界は光彩を増して、より凛とした輝きを放つようになったのが頼もしい。まさしくタイトル通りの黄金の朝が訪れるようである。

 切なさと清らかさを持ったギター、ドラムによる地を強く踏みしめる様な律動を軸にして、ゆるやかに彩度を上げて飛翔していく正統派ポストロック。そこからさらに瑞々しいピアノの調べが涙腺を緩ませ、荘厳なストリングスや鮮やかなトランペットが楽曲のイメージを豊潤に膨らませていく。純粋に1stから温めてきた音楽性がそのまま継続している形だが、わびさびが効いた、そして力強さと美しさが育むストーリーは本当に美しいものであり、彼等の表現力がいかに優れているかを示しているように思う。ヴォーカルもそこそこ入っていて、淡くまろやかな歌声がリリックを丁寧に織り込み、さらにはシガー・ロスを思わせるコーラス・ワークや女性ヴォーカルが繊細な情感すらも落とし込んでいる。インストが肝とはいえ、彼等の世界には声も重要な鍵となっているのは間違いない。北欧らしい佇まいや映像的な美を感じさせるアレンジが随所に成されているのも壮麗なスケール感の演出しているポイントだろう。壮大な物語の叙事詩となる#1からバンド生粋の名曲として語り継がれていくだろう#2が特に素晴らしい。ピアノとストリングスに歌などの多楽器と彼等の持てるポテンシャルが合致した壮麗なる名曲に仕上がっている。全体的にもプログレに沿った複雑な展開が緊張感を高め、なおかつ彼等らしいダイナミズムもしっかりと感じさせる内容で1stからの順当な進化/深化を伺わせる内容。本当に頼もしい存在に成長したなあと納得させる一枚である。


Give Me Beauty... Or Give Me Death

Give Me Beauty…or Give Me Death!(2006)

   一部ではシガー・ロスの再来とも評されたEf(イーエフ)の2006年発表のファーストアルバム。アプローチは極めて正統派で、モグワイやEITSに代表される叙情派轟音ポストロックバンドといっていいだろう(シガーロスに例えられたとおりに歌入り)。ギター、ベース、ドラムが感傷的なムードを醸し出し、そこに厳かだが美しい旋律で彩りを与えるチェロが、芳醇な薫りと生命感をしのばせている。静かだが重みのある叙情パートと炸裂感の強い激情パートを行き交う生真面目なスタイルを持ち味に人々の心に揺さぶりをかけてくるバンドだ。幻想が漂っているような静寂の中でギターの儚きメロディと淡く消え入りそうな男女ヴォーカルがわずかなさざなみを立てながら切なさを胸に刻んでいき、徐々に躍動感を強めていく。そして、音が膨れ上がったところで一気に爆発し、虚空に美しい花火を打ち上げる。澱み無いその展開が非常に美しいきらめきを放っており、非常に感動的。本作の肝となっている10分越えの3曲(#2、#3、#5)では、ノスタルジーを喚起しつつ襲いかかる至福の轟音が浴びれることだろう。北欧系の身に応える冷たさから徐々に熱を帯びていく様や明暗のコントラストを生かした壮大な物語は、地平線の彼方から差し込む、昂揚と感動の光に包まれている。

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