ELLEGARDEN ‐‐Review‐‐

1998年に千葉で結成。細美武士を中心に、キャッチーで疾走感のあるロック・サウンドで日本の音楽史に一時代を築いた4人組。5thフルアルバム『ELEVEN FIRE CRACKERS』では週間チャート1位を獲得するほどの人気バンドとなった。しかしながら、2008年9月に活動休止。

レビュー作品

> Eleven Fire Crackers > Riot On The Grill > Pepperoni Quattro > Bring Your Board > My Own Destruction > DON’T TRUST ANYONE BUT US > ELLEGARDEN


 

ELEVEN FIRE CRACKERS

ELEVEN FIRE CRACKERS(2006)

 発売初週で20万枚以上を売上げ、オリコン初登場1位を記録した5thアルバム。突き抜けるような疾走感は変わらずにあるが、骨太なアンサンブルによる重厚感が増し、初期にも通ずるシリアスな風情とオルタナティヴ・ロック色が戻ってきた。4thでの成功を受けての進化をしっかりと示した作品だろう。チャートを賑わせた#3「Space Sonic」や#8「Salamander」といったシングル曲はキラー・チューンとして申し分ないし、今までにない騒々しいパワフルさとスピード感を持ち合わせた#6「Gunpowder Valentine」には驚かされる。快速メロコア#11「Marie」も気持ちいい。本作ではこの”強さ”や”重さ”というのがキーでしょう。それに絶妙な位置に配置されている#5「Winter」、#9「高架線」といったバラード調の曲がキラリと存在感を放ち、非常にアクセントとして効いている。こうして極上のメロディが次々と湧いてくる辺り、やっぱりエルレなんですよね。ここ2年で一気に注目度が高まり、大人気バンドの仲間入りしたことに、メンバー自身は戸惑い・葛藤が大きかったという。しかしながら、それを打ち破る強烈なエネルギー、さらにガッチリと心を掴む訴求力に満ちた作品に仕上がっている。個人的には最高傑作に挙げたい作品だ。


 

riotonthegrill

RIOT ON THE GRILL(2005)

 前作の成功でさらに多くのファンを掴み、週間チャート初登場3位を記録した4thフルアルバム。2ndから続く路線の完成形といえるパワーと勢いが興奮をもたらしてくれます。英詞・演奏ともにそつ無しで、これまでの作品と比べても邦楽-洋楽のボーダーレス化が進んだような説得力を持っているように感じる(日本語詞があるとはいえ)。高速パンクではっちゃけること必至の#1「Red Hot」を皮切りに、メロディアスでドライヴ感のある曲がズラリ。#4「Marry Me」、#7「TV Maniacs」、#10「BBQ Riot Song」等の疾走チューンでは、ライヴでのピット大運動会のイメージが浮かぶものだろう。楽曲に勢いを与える生き生きとエネルギッシュな表現、真っ直ぐに響いてくる細美さんの伸びやかな歌声。前作と比べてもよりシンプルな表現が目立つけど、経験と成熟によって旨味が上手く引き出されている。これで擦り切れるような切なさが際立つ、シングル#5「Missing」を完備しているんだからズルい(いい意味で)。さらに前向きで力強いサウンドの#8「虹」に涙腺が緩む。バンドとしてのひとつの到達点。


 

Pepperoni Quattro

Pepperoni Quattro(2004)

 タイトルにイタリア語を使用した3rdフルアルバム。週間チャートで17位を記録した本作にて、本格的に人気に火がつき始めた。少し青臭さの残った前作をよりアメリカナイズドさせ、爽快で明るさを持った仕上がりへ。ライヴ定番曲である冒頭の#1「Supernova」からエルレ節炸裂であります。心地よい疾走感とメロディでどんどん押してくるこの曲からもう虜。さらには本作で双璧を成す名曲#2「スターフィッシュ」の素晴らしさ。売れ線といえばそうかもしれないけど、日本語詞を主とした真っ直ぐな表現が胸にジーンと響きます。余談ですが、「スターフィッシュ」はカラオケでよく歌う(笑)。さらには、#3「Make A Wish」や#7「Pizza Man」の思いっきり駆け抜けるようなスピード感、#5「バタフライ」のように重厚な楽曲での攻め。アルバム通して一層パワーアップしているなあと実感する。そして、ポップの配分が彼等は上手いと感じるし、ゆえに多くのファンがついてきたように思う。英詞にも関わらず、日本的な情緒を醸し出すミドルテンポの#10「Good Morning Kids」での締めが、切ない余韻を残すのも良い。


 

bringyourboard

BRING YOUR BOARD!!(2003)

 11曲収録の2ndフルアルバム。本作からアルバム全体を通して、世間がイメージするエルレ・サウンドが展開されていると言えるでしょうか。キャッチーなパンク/メロコア路線に大きくシフトし、カラッとした初夏の海岸沿いのような気持ちよさがある。#1「Surfrider Association」~#2「NO.13」~#3「ジターバグ」においての、これまでになく勢いを押し出した幕開けには、変化を強く感じるところ。英語詞(もちろん、一部の曲で日本詞採用)であるとはいえ、このわかりやすさとノリやすさが様々な層へのアピール・ポイントとなっている。当時に流行っていた青春系パンクスの薫りが多少漂う気もするけど、許容できる範囲でしょう。それでも、彼等らしいメロディはそこかしこで息づいていて、アコースティック・ギターの響きが新鮮な#6「Insane」や終盤でじっくりと聴かせる#10「金星」辺りは、初期に似た味あり。まだまだ蒼いなあと感じる作品ではあるけれど、ELLEGARDENの音楽の流れをつくったとして重要な1枚だと思います。やっぱり「ジターバグ」好きですし(笑)。


 

My Own Destruction

My Own Destruction(2002)

 1stフルアルバムから半年ほどの短いスパンでリリースされた2ndミニアルバム。これまでの哀愁ナンバーを#3「右手」や#6「おやすみ」で披露しつつ、パンク/メロコア路線への傾倒が目立つようになっている。要するに”これまで” と “これから”の両面をみせた作品と言えますかね。後のベストアルバムに収録される#1「(Can’t Remember)How We Used To Be」で勢い良く突っ走り、#2「Under Control」にてさらに軽快に加速。キャッチーなメロディと疾走感が魅力の#4「Mouse Molding」まで心地よく耳に飛び込んでくる。本作以降に彼等の中で主流となっていく音楽性が幅を利かせるようになった一方、これまでの哀愁オルタナ系の曲ともバランスが取れているので、後期の作品から入った人も聴きやすいかな。そんな中で一番印象に残るのが#5「Jamie」。当時の洋楽バンドのエモさを存分に取り入れるも、切なさと昂揚感が同居する名曲かと思います。


 

DON’T TRUST ANYONE BUT US

DON’T TRUST ANYONE BUT US(2002)

 代表曲であり名曲の#8「風の日」を収録した1stフルアルバム。本作は1stミニの延長線上にあり、まだオルタナティブ・ロック/エモ色強め。大地をしっかりと踏みしめるように進むメロディアスな楽曲群で、胸を締め付けるのがこの頃の持ち味でしょう。駆け出しのバンド感が強かった前作に比べ、随分と地に足の着いた音を鳴らすようになっている。また、Jimmy Eat WorldやWeezerといったUSbンド達の影響が表れていて、エモっていう言葉が似合う音楽性であるとも思います。#2「サンタクロース」や#5「指輪」といった切ない哀愁で心を満たす曲は、初期の彼等らしさを存分に感じさせる。静かな幕開けからメロディの大輪を咲かせる#9「Middle of Nowhere」も味わい深い。しかしながら、逆に疾走系チューンからは、まだまだ荒削りといった印象を覚えたりも。まあ、そういった曲がもたらす昂揚感より、聴かせる曲で魅了するのが本作の特徴。5枚のフルアルバムの中で、メロディが特に際立っている作品ですね。初期の方が味があったと言われるのも頷けます。


 

ELLEGARDEN

ELLEGARDEN(2001)

 バンド名を冠した初リリース作品となる5曲入りミニアルバム。自分は、3rdアルバム『Pepperoni Quattro』辺りからエルレを聴いているので、さかのぼって本作を聴いたときはかなり驚かされた。彼等にこういう時代があったんだなあ、という感じのオルタナ系ギターロック路線。メロディックで軽快な疾走曲よりも、テンポを抑えた曲を揃えているので、突き抜けるような爽快感みたいなものはあまりない。正直なところ、この段階ではまだ凡百のバンドのひとつという感想になってしまうのは否めないかなあ。アメリカナイズされた、またメロディアスで切ない感性が染み込んだ彼等の特徴は発揮されていると思いますけどね。特に#1「The End Of The World」で顕著。また、ミドルテンポのバラード#3「花」が荒削りながらの感情表現がいいスパイスとなっているというか。#5「ナイフ」も切なくて染みる良曲です。ちなみに#1は、1stフルアルバムにシークレット・トラック扱いで別バージョンが収録されている。

 

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