ETERNAL ELYSIUM ‐‐Review‐‐

名古屋が世界に誇るストーナー・ロック・トリオ。91年から活動をはじめ、当初はドゥーム寄りのメタルを志向していたそうだが、やがては様々なジャンルを吸収したドゥーム/ストーナー・ロックへと進化。その音楽性は海外でも高く評価されており、海外ツアーへも積極的に足を運んでいる。

レビュー作品

> HIGHFLYER > WITHIN THE TRIAD


HIGHFLYER(ハイフライヤー)

HIGHFLYER(2012)

   名古屋が誇るドゥーム/ストーナー・ロックの重鎮の4曲入りEP。新規音源としては約3年ぶりとなる。

 メインとなる#1「HIGHFLYER」は、大日本プロレス・石川晋也選手のテーマとして制作され、実際に試合会場で流れているようだ。力強いリズムに乗せ、サイケデリックなサウンドが半覚醒を促していく。起伏と緩急を生かした構成力に支えられ、渋いギターソロ、さらに終盤にはサックス(SAX RUINSでお馴染みの小埜涼子さん)やトランペット(石渡岬氏)が情熱を加味。涅槃からプロレスのリング上まで駆け巡る内容に仕上がっている。

 #2「MAP」は、Flower Travellin’ Bandのカバーで、よりヘヴィ&サイケに武装。原曲の魅力を寸分も損なうことなく、エターナル自らのテイストを上手く織り交ぜている印象である。日本詞を丁寧に歌い上げる岡崎さんの歌も新鮮で非常に良い。#3「CIRCULATION」はオフィシャルで最新曲との紹介にとどまっているが、渋いイントロを抜けると、ドゥーミーなリフを支点にしてじわじわと広がりを見せる楽曲。ラスト付近で小気味よく疾走パートを組み込んでくるのも彼等らしい。#4は#1のサウンドコラージュとのことで、小埜涼子さんのサックスと石渡岬氏のトランペットがかなり目立つ異色の仕上がり。さらには、石川選手の声も散りばめられ、電子音も巧みに使われている。この楽曲も斬新な印象を残すだろうと思う。

 というわけでEPと侮ることなかれの1枚。1,000円という値段で、Eternal Elysium入門編としてもオススメできる。


WITHIN THE TRIAD

WITHIN THE TRIAD(2009)

   名古屋が世界に誇るストーナー・ロック・トリオETERNAL ELYSIUMの4年ぶりとなる5thフルアルバム。ライブは3度ほど拝見していて、曲もしっかりと耳が覚えているのだが、作品を通して聴くのはこれが初めてだ。

 ド頭の#1「Agent Of Doom」からドゥーム、ストーナー、サイケ、ブルース等々を咀嚼した彩色豊かな曲で、己のフィールドへ引きずり込む。ブラックサバス譲りの暗くドゥーミーなリフワークに、砂嵐の如しディストーションギターのうねり、それを重くゆったりとしたリズムと涅槃なヴォーカルに乗せて暗黒へ歩みを進め、ズブズブと渦々しい混沌の深みに落としていく。バンドの特性をこれでもか!とぐらいに発揮し、気づかぬうちに闇へトリップ飛行していくも、いきなり畳みかけるような疾走パートに突入し、鈍器で頭を打ち付けられたような衝動を残す場面も効果的に飛び出してくる。また時折繰り出される、艶めかしいギターソロも耳にこびりついて酩酊感を増量させるのも特徴的。そして、プログレの影響をうかがわせる繊細な楽曲構築と静・動の巧みなバランス感覚も携えている。時にはサイケデリックに、時にはブルージーに、時にはロックンロールといった多彩な表情を持ち併せているのも作品の豊かさに繋がっており、彼等の懐の深さまでもを物語っている。ヘヴィでありながらも軽快なフットワークでの爆走と男女ツインヴォーカルが色気を見せる#4「DPS」の昂揚感はたまらないし、初期のブラック・サバスを思わせる深遠かつドゥーミーな雰囲気がたまらないラストの長尺曲#7「BLUES FOR THIRD STONE」も素晴らしい。

 ドゥーム/ストーナー・ロックを自身の絶対的な核としながらも、各種のスパイスを幅広く吸収しながら独自の世界観と深みを加えたロックへと昇華している。非常に強烈な作品であり、チャーチの新作共々、要チェックな1枚だと思う

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