FANATIC◇CRISIS ‐‐Review‐‐

90年代後半にMALICE MIZER、La’cryma Christi、SHAZNAと共にヴィジュアル四天王の一角を占めた、愛知出身のロック・バンド。92年の結成から2005年の活動休止までにコンスタントにリリースを続け、ポップス色の強いロック・サウンドで人気を博した。再結成はしていないが、2012年になってVoを務めた石月努がデザイナーと平行して音楽活動を再開している。


THE.LOST.INNOCENT

THE.LOST.INNOCENT(1999)

 最大のヒット・シングルである「火の鳥」を始め、シングル4曲を含む全15曲入りの2ndフルアルバム。彼等の最大の売りといえば、キャッチーでメロディアスであることだと思うが、本作はポップな上にバラエティ豊かな楽曲を並ぶ。不死鳥の様にどこまでも駆けあがっていく昂揚感に溢れたロック・チューン#3「火の鳥」、爽やかポップに振り切った#6 「Maybe True」、伝統的なヴィジュアル系切なげロックを受け継ぐ#11「Rainy merry-go-round」等のヒット・シングルはもちろんのこと、彼等らしいアップテンポな楽曲が#4「B.R.E.E.Z.E.」や和物ロック#9「竜宮」がいい味を出している。

 さらにデジタル色を上手く効かせた曲もあり、随所のプログラミングと四つ打ちで揺さぶる#2「メビウスリング」や小気味良いデジロック#5「Crazy For You」辺りが効果的。レゲエっぽいリズムと電子音のアプローチで妖しげな雰囲気を醸し出す#8「MASQUERADE IN THE ROOM」もおもしろい楽曲といえるだろう。まともに聴いてるアルバムがこれとベストぐらいしかないので、他の作品と比較できないが、レンジは割と広く、ポップであることを基点にしつつ様々な挑戦がみられる。全15曲で構成された本作は、意外と練られている印象も受け、ソフト・ヴィジュアル系の模範的な部分もあったのではないかと。個人的には、優美で力強いバラード#15「キミガイルセカイ」での締めくくりが秀逸。

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