Fuck Buttons ‐‐Review‐‐

ノイズによる表現力を追求し続けているUKブリストルの2人組。これまでに発表した2枚のアルバムはいずれもPitchforkにて高得点を獲得している。また2011年2月には日本版All Tomorrow’s Party、『I’LL BE YOUR MIRROR』にて初来日公演を敢行。


タロット・スポート

Tarot Sport(2009)

   プロデューサーにANDREW WEATHERALLを迎えて制作された2ndアルバム。これまたエクスペリメンタルな実験精神とノイズの奔流を見事なまでに素敵な恍惚感へと昇華した秀作である。シューゲイザーの領域も懐に入れたギター・ノイズに、破裂するようなひしゃけたノイズを組み合わせ、光沢あるシンセ、サンプリング・ヴォイス等を交えながらきららかな発展を遂げていく彼等のサウンドは、パノラマのような音響空間を築く。それが実に繊細かつ凶暴な響きを持っており、ジーンと心身に効いてくる。機能性は実に高い。

 しかもプリミティヴな雰囲気、トライバルなビート、しなやかなポップネスを内包しながら鼓膜に迫ってくるところがまた興味を引く。クラウト・ロックやテクノといった他のジャンルへも気を配りながら、細心の手つきで美しいレイヤーを編みあげている。1stではドローンにも接近することをやっていたみたいだが、本作を聴く限りではきっちり整理された音像を造形しているように思うし、ダンサブルかつリズミカルな躍動感があるのでめちゃくちゃノレる。それはもう十二分にフロアで通用するぐらいに。なによりカラフルな色彩と迫力のあるノイズ・ウォールへを全編に渡って展開しているのが見事。煌くシンセの星空を美しいビートと共に突き進む10分越えの#1から昂揚感高まるトライバル・ビートが凄まじい#7まで全7曲58分とかなりの長丁場だが、聴き進めるごとにトランス感と恍惚感を強めていき、それに伴ってスケールをぐーっと拡げていく表現力の巧みさも魅力的。まさに美しいノイズを贅沢なまでに堪能できる逸品である。

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