Fucked Up ‐-Review‐-

カナダのパンク/ハードコアシーンを代表する存在にまで成長した6人組。2008年リリースの前作『The Chemistry Of Common Life』で、カナダの最高音楽賞ポラリス・ミュージック・プライズを受賞。初出演となったフジロック’12では、これが俺たちのスタイルだというのを全編で披露し、多くの共感を誘った。


デヴィッド・カムズ・トゥ・ライフ

David Comes to Life(2011)

   前作がカナダの最高音楽賞ポラリス・ミュージック・プライズを受賞し、カナダを代表するハードコア・バンドに成長した彼等の3作目。

 本作は”ロック・オペラ”と評される通りに、パンク/ハードコアの痛快さを顕示した上で壮大なスケールを獲得した作品に仕上がっている。トリプル・ギターの重厚なサウンドを武器にけたたましく突っ走り、異様な存在感を示す巨漢Vo.ダミアン(ピンク・アイズ)の絶唱が轟くのが基本軸。そこから多用した女性コーラスが汗臭い音楽性に情緒を加え、フォーキーなアレンジやサイケデリックな要素が巧みに混合されている。なかでも、カラッとしたメロディは非常に耳馴染みがよく、ヴォーカルを除けばインディーロック・ファンからも大きな支持を得そうな印象もあり。パワフルさと親しみやすさを同居させて高揚感を煽るのは、アンドリューW.K.兄貴に近い感触がある。バンドの雑食性を知的な構成によってコントロールしながら、キャッチーという部分にも気を払ってうまくまとめている感じだ。

 抜群のスピード感と迫力のサウンドでノせまくる#2~#3と加速し、力強いミドルテンポと華やかな女性コーラスが効きまくってるパーティ・チューン#4に続く流れは見事。漲る強烈なパワーは後半にいっても衰えず、繊細なメロディとともに体温をあげていく。#17~#18というご褒美のような叙情的ラストには男泣きもあるかも。先日見たフジロック補正もありますけど、バンドの野心とエネルギッシュな姿勢に感服する1枚。ちなみに本作は、SPIN誌の年間ベストアルバム第1位に選出されている。

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