Gantz ‐-Review-‐

1998年結成のフランス激情ハードコアバンド。既にバンドは解散してしまっているが、Daitroなどと並んでフレンチ激情界に与えた衝撃は大きい。envyを思わせる壮大なサウンドスケープは涙腺がヤられる。


lachambre

La Chambre Des Morts(2006)  

 2005年にレコーディングされたオリジナル・ラストアルバム。Gantzは元Killieのメンバーが在籍したCleanerとスプリットを果たしたフレンチ激情HCの急先鋒の一バンドといえる存在だろう。既に解散してしまっているが、残した爪痕は知名度とは裏腹に大きい。惜しくも涙を飲んだ人も多いはず。

 そんな彼等の特徴といえば、悲哀と激情を巻き込みながら壮大なスケールへと発展していくサウンドスケープである。Funeral Dinerや「a dead sinking story」以降のenvyを髣髴とさせる展開を軸にしてグイグイと聴き手を引き入れていく。静と動のコントラストとダイナミズムで綴られる楽曲は涙腺を強く刺激してやまない。透明感のある美しいフレーズやアルペジオを多用、そしてグッと溜めこんでから力強く発せられるエモーショナルな轟音と絶唱が炸裂する。時に穏やかに、時に激しく聴き手を包み込む作風は人間の核心に迫ってくるかのようだ。本作はラストアルバムということもあってか、とても洗練された仕上がりを受け、ポストロック的な柔らかな音遣いが中心となっているのも特徴にあげられるだろう。徐々に朝焼けの光が差していくような展開でエフェクティヴなギターが揺らぐ#1、メロウな旋律を走らせながらも猛烈に吹きすさぶ轟音が全身から絞り出す情熱と共に叩きつけられる#2の流れは、烈しく胸を掻き毟るほどに熱い。そして、#5以降は前述したように叙情的な音が目立ってくるが、フレンチ激情の尊厳を懸けた叫びに翻弄され、ISISばりの深遠さも表現しながら混沌を渦巻かせてる。その中で鎮魂歌としてエンディングを締めくくる様な#8が滋味深い余韻を残している。

 哀しみや絶望で折れそうな心を奮い立たせて、力強く肯定の一歩を踏み出させるような作品であると思う。リアルに感情を煽る音が連なり、壮大なスケールを打ち立てていくその様は称賛に値する。解散したことが実に惜しい、envy好きの琴線に触れまくる秀作だ。

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