ゲスの極み乙女。 ‐‐Review‐‐

男性2人、女性2人から成る4人組ロック・バンド。若い世代を中心に2014年~2015年に人気を獲得し、2015年大晦日には紅白歌合戦に初出場を果たした。

レビュー作品

> 両成敗 > 魅力がすごいよ


gesu2016

両成敗(2016)

 「両成敗 = 事情のいかんを問わず、事を起こした両方を罰すること」。◯ッキーの中で踊る黒いものに栄養を与えてしまった川谷さま率いるバンドの2ndフルアルバム。初出場の2015年紅白歌合戦で披露した#15「私以外私じゃないの」を含む全17曲を収録しております(シングルのカップリング含む既発曲6曲+新曲11曲)。録音&ミックスは前作に続いてtoeの美濃さんが担当。

 前作から基本的な構成部品は変わらずですが、サビはマイルドで明るく普遍性を増し、それ以外はやり過ぎてないマスロック感のあるこねくり回した展開が多し。そのギャップでもってサビにおける最大出力を高め、さらに多くの人々からの支持を獲得しました。わかりやすい&キャッチーに以前よりも上手く着地する楽曲の構成からは、熟れたメジャー感というのも感じます。シングルとしてヒットを飛ばした#3「ロマンスがありあまる」や#7「オトナチック」はその辺りが巧み。また、絶妙なアクセントをつける休日課長のベースとちゃんMARIのキーボードがサウンドの要として、本作でもグイグイと引っ張ってくれております。

 ただ、大体の楽曲で自分たちの武器をあざといまでに使い倒すので、アルバム全体を通した時の単調さは感じてしまいますね。もっとアイデアと曲調の幅が必要であったかなと。逆にシングル曲は、毎回1曲勝負なぐらいにウケる/引っ掛かりを突き詰められている感じしますけど。#15「私以外私じゃないの」はポピュラリティと凝った部分のバランスが良く、そりゃあお偉いさんも替え歌を歌うわけです。それと、歌詞は最近の一連の報道ともリンクしている気がしないでもないのだが、狙っているんでしょうか。やっぱり「両成敗」ってできすぎな気がする(汗)。

 なかには、Nabowaの景山氏がゲスト参加した#8「id」みたいにアコースティック主体の曲もある。さらに#16「Mr.ゲスX」はメンバーのキャラクター性を押し出した寸劇から、間奏部ではヘヴィメタル調のリフが入った後に各楽器のソロありのセッションっぽいパートで驚かせてくれたりもします。まあ、彼等にとっては音楽面以外(TVなどで)での個々のキャラクターを打ち出したことは、成功の要因のひとつですよね。

 いずれにせよ他の3人のメンバーに神のご加護があらんことを。


魅力がすごいよ(通常盤)

魅力がすごいよ(2014)

 2014年に最も知名度をあげたバンドのひとつである、ゲス乙女の意外にも初となるフルアルバム。”ヒップホップ・プログレ”っていうコピーを自身でつけていた彼等ですが、本作も”らしさ”は出ていると思います。

 休日課長の重労働なベースを芯にして、軽快なラップ調の歌が入り、ジャズ/クラシック調の流麗なピアノが入り、無理矢理な転調が入る。それぞれのパーツはかなりクセがあるものだけど、合わさった時にはヘンテコというよりも、お洒落でわかりやすいという印象に落ち着きます。ポップスのスイッチが、どの曲も毎回いいタイミングで押された状態になるといいますか。

 象徴的なのが、ドラマの主題歌となった#2「デジタルモグラ」や#6「猟奇的なキスをして」辺りで、ひねりが効いてるのにキャッチーにまとまっている。遊びやユーモアといった部分ももちろん投影していて、#5「列車クラシックさん」はラベルの「水の戯れ」をモチーフにしたとか。

 ヒップホップ・プログレを名乗ってはいたけれども音楽的に堅苦しさなどなく、複雑なアンサンブルの上でイマドキになっている。そこが薄味に思えたりもするのだが、ギターよりもベースやキーボードを軸に組み立てている辺りは、計算高く戦略的。早口に捲し立てるラップと華やかなキーボードの彩りが良い#4「星降る夜に花束を」、ストリングスや多重コーラスを用いた#11「bye-bye」などもおもしろい。以前の「キラーボール」ほどの一撃必殺の曲は無いけれど、メジャーからの1stアルバムとしては上々といえる内容だと思います。

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