Gang Gang Dance ‐-Review‐-

ニューヨークはブルックリン出身、エキセントリックなロックを志向する男女混成の4人組。現在までに5枚のアルバムをリリースし、世界的に高い評価を得ているブルックリンの代表格としても知られる存在。

レビュー作品

Eye Contact > Saint Dymphna


Eye Contact

Eye Contact(2011)

 2年半ぶりとなる5作目。ブルックリン随一の尖鋭音楽集団として名を馳せる彼女たちは、ここにきてさらに洗練された内容を提示してきた。トライバルでアヴァンな風情にエレクトロニクスの色彩が自由に交流して、世界各地のワールド・ミュージックを駆け巡る。そんな鮮やか過ぎるサウンドを奏でているのはそのままだが、前作からの流れを引き継いでよりポップに昇華。刺激的でユニークなアイデアに溢れ、なおかつ体をくねらせる最高のビートと散りばめられたキャッチーなフレイヴァーが聴覚も心も奪うのだ。カラフルなシンセサイザーが柔らかなギターフレーズと折り重なり、リズミカルに駆け抜けていく11分超の#1から無重力の宇宙へと誘われるかのよう。トライヴァルな感触を残しつつも引き締まったリズム隊は心地よいビートをたたき出し、独特のサウンドデザインと共にGGD色を強めていく女性ヴォーカルもまた大変よい仕事ぶり。さらには、タイトル通りの中華風フレーズとスペーシーできららかなサウンド・デザインにヤられる#4や民族音楽の色濃いダンスナンバー#5などを繰り出し、短いインタールードを挟みながら鮮やかに表情を変えていく。ラストの#10「Thru And Thru」なんてトライヴァルなリズムとユニークな音響で現実逃避の儀式でも行っているみたいだ。1stやEPなど初期のエクスペリメンタルな要素は薄めにはなっているが、この華麗なるアートフォームは完全に他バンドとは一線を画している。ブルックリン代表としての叡智とユーモアと刺激に満ちた一枚。


Saint Dymphna

Saint Dymphna(2008)

   ニューヨークはブルックリン出身のGang Gang Danceの3年ぶりとなる新作は一言で形容するのが難しいとてもアヴァンギャルドでエキセントリックな作品だ。ロック、クラブミュージック、ダブ、トランス、エレクトロニカなどなどのありとあらゆるピースをふんだんに使い、同郷のアニマル・コレクティヴをもおびやかすような作品に仕上げてきている。

 スペーシーに拡散・浮遊するギター・シンセの煌きでディープなサイケ感を演出すると、その中をパーカッションによるトライバルなビートが駆け抜けて肉感的なビートを抽出。体を気持ちよくゆらゆらと揺らせられるのと同時に、意識は地球と宇宙の狭間に造られた音の秘境を巡礼しているかのような感覚に陥ることだろう。先人たちとはまた違った独創性が光っており、非常に新鮮な感じを受けるのだ。時に神秘的であったり、民族音楽的であったり、エキゾチックであったりと彼等の先鋭性と創造力の産物ともいえるミステリアスな音世界が見事に表現されている。また複雑にコラージュされたようなサウンドであるものの印象としてはしなやかでポップだ。小難しさはあるが、聴きやすい音楽ではあるだろう。それに、そこかしこに仕掛けられた音の罠が脳を活性化させ、心拍数を高めてくれる。一寸先が全く予想もつかないところも非常におもしろいと思う。その日の記憶すらも書き換えちゃうような独創的な音楽なので、31 knotsの新譜と同様に変わったものを聴いてみたいという人にはオススメ。

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