ゴールデンボンバー ‐‐Review‐‐

ヴィジュアル系・エアーバンドを名乗り、演奏しないという一点突破であらゆる壁を破壊。今ではお茶の間を賑せるエンターテイメント集団となっている。彼等の代表曲である国宝級ヴィジュアル系歌謡「女々しくて」で紅白歌合戦への出演も果たした。

レビュー作品

> ノーミュージック・ノーウエポン > ローラの傷だらけ > ザ・パスト・マスターズ Vol.1 > ゴールデン・アルバム > ゴールデンアワー ~下半期ベスト2010~ > The Golden Best ~Brassiere~ > The Golden Best ~Pressure~ > イミテイション・ゴールド〜金爆の名曲二番搾り


ノーミュージック・ノーウエポン [CD+DVD]

ノーミュージック・ノーウエポン(2015)

  昨今の特典商法に疑問を投げかけた真っ白ジャケット一種売りのシングル『ローラの傷だらけ』、体臭入りカード+CDという形態で雑貨として売りだされた「死 ん だ 妻 に 似 て い る」における販売方法が話題となった、国民的V系エア・バンドの約3年半振りのフルアルバム。たくさんリリースしてますが、オリジナル作としては2作目です。しかしながら、「僕は制作にまーーーーーーったく携わってないので、みなさまとほぼ同じ感覚で聴きましたよ。」って歌広場さん、いつも通りとはいえアンタ(笑)。

  さて、90年代歌謡J-POPマスターの鬼龍院翔が中心となってお届けする13曲を収録した本作。摩天楼オペラに触発されたかのようなRPG風小インスト#1「ブッコロ」を皮切りにスタートし、玉手箱を開いたかのようにおもしろい曲が揃っている。前作『ゴールデン・アルバム』と比べて、強く感じるのは 「ひとつのアルバムとしての流れ/深み」を持たせていること。また、女々しい心情や過去現在未来の不安、苦悩を吐露したような暗いテーマの詞が多いことも特徴といえる。もちろん楽曲は金爆らしく尖る所は尖り、ユーモラスなアイデア満載。それを踏まえて、お得意の歌謡性とポップによる魔法でしっかりと調理されているから凄い。

 重厚なハードロック~ミクスチャー風味の#2「SHINE」からの序盤はガツンとくるV系ロック~メタルで一気呵成に畳み掛け。歌詞にもあるが、音楽という武器を研ぎ澄ませて世間と立ち向かう意志が明確に表れている。特に本作では#3「欲望の歌」が好き。Rhapsody(Of Fireじゃない頃)とB’zのウルトラソウルの「Hi!」を掛けあわせ、サビではベートーヴェンの第九「歓喜」のコーラスも入る壮大なメロスピ曲であり、劣等感の塊みたいな中の下の男が、自虐的な表現を中心に美しき配偶者と安全10LDKに住むことを心の底から願う歌詞も最高だ。ヘドバン(音楽誌の方)のはぐれメタルのコーナーに「デスメンタル」に続いて掲載される日は近いかもしれない(笑)。ちなみにシングル曲は一部で再録されていて、既発曲でも気を抜かせない仕込みでリスナーの驚きを誘ってくる。

 90年代TKサウンドっぽい#5「愛を止めないで」で変化を加えての中盤以降は、古き良き薫りすら漂うJ-POP色が強め。めざましテレビにぴったりな#8「おはよ」の爽やかさは心地よく、サックス入りの軽やか疾走パーティー・チューン#11「好きだけじゃ足りなくて」はポップに「今の僕の世界のYahoo!トップは 君なんだよ」と歌う。そういった曲を聴きながら、キャッチーであることの正義や歌詞における独創性の良さを金爆から改めて感じたり。また、間奏にアイヌ語MIXを取り入れた#10「死 ん だ 妻 に 似 て い る」のようなぶっ飛んだピースすら、作品にしっかりとはめ込めるセンスの良さも重要だろう。

 そして、全編歌い直しを敢行した繊細に心をくすぐるバラード#7「片思いでいい」が、アルバムという流れで聴くからこその味わいの深まりがあってまた良い。いいちこを片手に染み染みと聴きたいものだ。武士の格好はしたくないけど(笑)。ラストを飾る物哀しいバラード#13「さよなら、さよなら、さよなら」にしても、長い失恋からさめた情けないクソ野郎がそれでも生きたいと感情目いっぱいに歌うので、胸が熱くなる。中間地点と最後に配置されたこれら2つのバラードは、間違いなく本作でも鍵となっている。

 V系ロックのスパイスを効かせたJ-POPミュージアム。じっくりと聴き込める1枚である。音樂を武器に時に腰低く真面目に、時におもしろおかしく進んでいくだろう彼等に今後も期待したい。最後に樽美酒さん、SASUKEの1strステージ・クリアおめでとうございます。


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ローラの傷だらけ(2014)

 

 かの西城”ギャランドゥ”秀樹の曲ではなく、金爆が放つ中二病妄想が良からぬ方向に爆発したシングル「ローラの傷だらけ」である。誰もが羨む超高嶺の花であるローラ(オッケーでお馴染みの親しみやすくて可愛いタメグッチではなく、より豊満でグラマーなハーフ美女を想像)への叶わぬ想いと妄想をヘドバン推奨のアップテンポな曲調に乗せて歌い上げていくのが大きな特徴だ。スマッシュ・ヒットを記録した「僕クエスト」や「酔わせてモヒート」、それに彼等の代表曲のひとつ「†ザ・V系っぽい曲†」の流れにあるもので、90’s Visual-Keiと歌謡性、モダンヘヴィネス、そしてエンタメ性が渾然一体となるエクストリーム・アタックがガッツリと楽しめる。

 本曲は冒頭からインパクトは大きく、歪んだ感情が爆発したキリショーの絶叫とスリップノット系列の重音リフが両耳を強襲。その後は軽やかな疾走感の元でローラへの愛と妄想とストーキングが歌われていく。さらにアクセントとして瑞々しい鍵盤やクサいギターソロも華を添えており、歌メロにしてもキャッチーである。メロディアスで聴きやすいというのをしっかりと完備している辺り、巧みに計算されているように感じるし、前述したように90’s ヴィジュアル系要素や歌謡性がいい形でモダナイズされている印象は強い。特に、ギターソロを抜けて「14時起き5時寝ローラ」からの終盤の畳み掛けはとても強烈で、ストレートに昂揚感を誘う楽曲として今後のライヴでも大きく活躍しそうだ。

 しかしながら、彼等には歌詞による崩しの美学がある。犯罪一歩手前というか、実際にMVだと刑務所に連行されてしまうのだが、付き合ってもいない美女への想いが重みを増して過剰になっていく本曲は、冷静に考える必要もなくおかしい(笑)。”神様、仏様、ローラ様”状態とはこのこと。十中八九、「この妄想ストーキング野郎っ!」と罵られるものだろう。ネタ度はバッチリだし、この歌詞だからこそ本曲がより輝くものとなっている。「夢で会う時はあんなに甘えてくるのに」って、そりゃあ妄想と夢の中じゃ女の子を自由にできるわ(笑)。しかしながら、西城秀樹の「傷だらけのローラ」は僕の前で震えるそうだが、金爆のローラはピーチジョン派であり、「会いたい会いたい会いたい会えない」のミリヤがオハコなのである。時代が違うとローラもここまで変わってくるのだなと。そういえば、ローラはローラでもローラ・チャンは元気にしてるのだろうか。

 個人的には、「ローラの傷だらけ」は彼等の近年のシングルの中ではダントツのインパクトがあって凄い好み。自分がかつて青春時代にヴィジュアル系の洗礼を受けたから、ここまでハマれるのかもと思う部分もあるけど、ユニークなロック・ナンバーとしておもしろい楽曲だと思う。まさしく全力バカ達の会心の一撃。最後に二股認定されたミサキさま、隠れメンヘラ認定されたマナミさま、文句オンリー認定されたメグミさま、遅刻が基本認定されたアヤカさま、プリクラ晒す認定されたナツミさまなどご愁傷様です。

 

 一方でカップリングの#2「片思いでいい」は、鍵盤とストリングスを主体としたミディアム・ナンバー。表題曲に比べるとネタ要素は全くないが、静謐な音使いにキリショーの感情的な歌唱が活かされていて、心に染み入るような楽曲に仕上がっている。こういったタイプの曲もさらりとこなしてしまうセンスの良さ、それも彼等(っていうか彼)ならでは。しかし、いいちこのCMソングとして本曲は起用されていたが、なぜかロン毛で超真顔の的場浩司が滝に打たれているというシュールな絵面で笑いを確保。どうしてこうなった!?と思うが、的場さんがyaku○a映画に出るよりよっぽど怖いCMに使われている辺り、金爆のエンターテイメントに染まったといえるのかもしれない。

 さらなるカップリング曲にしてもまた別のタイプの曲調を持ってきており、ジャズちっくで軽快な#3「愛について」はスキップするような小気味良さとともに色んな愛を解説。トランペットやトロンボーンといった管楽器の華やかなアレンジも堂に入っている。「オイ、おバカやらなくて大丈夫か?」と逆に心配したくなるほどだ(笑)。ちなみにカップリングの#2では村上”PONTA”秀一氏や難波弘之氏や弦一徹ストリングス、#3でも難波弘之氏や本間将人氏といった名だたるプレイヤーが参加していることにも注目だ(#1については表記なし)。

 最後に、今回のシングルは音楽を売ることに特化するという壮大な実験も兼ねており、ジャケットが真っ白の特典なし・一種売りが大きな反響を呼んでいる。なんとお値段が「461(白い)+税で498円」という、ジャパネットの高田社長が思わず甲高い声で紹介しそうになるぐらいのほぼワンコイン価格で、財布出さないミホに無理やり買わせたい安さなのだ。だからこそ、逆に大きな販促に繋がっているし、これをやるのがバンドであってバンドじゃない金爆であることが実に痛快である。ホントにおもしろいねえ、この人達。彼等の試み、僕は支持したいですね。


ザ・パスト・マスターズ vol.1(通常盤)

ザ・パスト・マスターズ Vol.1(2013)

 

 前年の大晦日に紅白歌合戦に『女々しくて』で初出場し、お茶の間でもお馴染みの存在になったゴールデンボンバー。元日にリリースしたシングル「Dance My Generation」がオリコン初登場1位に輝くなど躍進が続く中でリリースした本作は、これまでに発表した楽曲の中でアルバムに”収録されていないもの”を収録した16曲入りのコンピレーション作品。タイトルは、おそらくビートルズにあやかったものだと思われる。

 いい言葉でいえばバラエティ豊か、悪くいえば寄せ集め。コンピレーションの性質上そうなってしまうにせよ、前年の『ゴールデン・アルバム』もこんな感じだったから彼等らしいといえばそうなのかもしれない。つける薬のない愛すべき全力バカ達が、変わらずに一級品のエンターテイメントをお届け! スカパラをリスペクトしたらしい華やいだブラス入りの#1「咲いて咲いて切り裂いて」からニッコリと笑顔が漏れ、体が自然と反応する楽曲が多数集結。J-POPとヘヴィネスの融合となる#4「ギーガー」、メガシャキのCM用に国歌「女々しくて」をアレンジした#8「眠たくて」、喜矢武豊が出演した映画で使用された#12「泣かないで」とポップにロックに攻め立てる。また、懐かしのバブル期のダンスミュージック#13「Dance My Generation」が、ある世代にドストライク&ジャストミート。しかもこちらのPVにはアゴと声に少し問題を抱えた山田邦子が久々にお茶の間に帰ってきている(笑)。

 なかでも本作では、間違いなく#5「†ザ・V系っぽい曲†(生)」のインパクトが一番大きいだろう。ヴィジュアル系あるある(またはバンギャあるある)をお耽美重厚な王道V系サウンドに乗せてドラマティックに奏でていくこの曲は、絶対に金爆しか作れないだろう無二の曲として君臨。しかも本作は生バージョンで演奏しているのがLeda神、IKUO氏、Shuji(Janne Da Arc)という極みのレベルの人たちである。さらにはキリショーもヴァイオリンで参戦し、間奏部では「ゴールデンボンバー、演奏しろぉおお!」のコール&レスポンスで自らを皮肉るという笑撃も用意。「女々しくて」と並んでヴィジュアル系国歌にこの曲も認定しないといけない(笑)。

 新曲もちゃっかり収録しており、#16「切ないほど」がハードロック調のギターを主軸に据えた小気味良いロック・チューンがラストを飾る。 収録のほとんどがカップリング曲とはいえ、彼の用意する楽曲には抜かりはない。ニッコリとした笑みも、ほろっとするような感動も、ヘドバンしたくなる激しさも、ちょっとした下(ネタ)も準備した衝撃と笑撃のコンピ作として、みんな本作を楽しもうじゃないか。


 

「ゴールデン・アルバム」 通常盤

ゴールデン・アルバム(2012)

 

 飛ぶ鳥を落とす勢いの快進撃を続けるヴィジュアル系エアー・バンドの2012年作。まさしく本作も金爆エンターテイメント全開で、リスペクトとネタ満載の楽曲群で大いに楽しませてくれる。笑撃と衝撃、その言葉がよく似合う事を証明する作品だ。

 まずは、ゴシカルなピアノにうめき声で構成される#1「パトス」がDIR EN GREYの「INWARD SCREAM」のようで、意表を突く幕開けを飾る。そして、完全にX JAPANに捧げたシンフォニック・スピードメタルの#2「デスメンタル」で一気に切り裂く。それを引きこもり&対人恐怖症を吐露するような歌詞に乗せてネタっぽくやってのけるのが実に彼等らしい。”I am DEATH MENTAL”のヘタレなオレの心にも潤いが・・・(笑)。

 モダナイズされたヴィジュアル系ロック~90’s J-POPというのが本作でも幹となっているとはいえ、本作も非常にバラエティ豊かだ。MALICE MIZERと化した#4「夜汽車」、K-POPに対抗してC-POP(中国)を先取りしたけど流行ってはいない#6「成龙很酷」、ユーロミックスで勘違いディスコ始まる#7「さよなら冬美」、カノンをお遊びで導入する夜のパーティー・ロックチューンである#8「今夜もトゥナイト」と色々と取り揃えている。今でも「女々しくて」であったり、彼等のキャラクターであったりが、金爆の入り口になっていると思うが、そのファン達の心をしっかりとつかむため、稀代のエンターテイナーとして、音楽のテーマパークとしての高い機能性を持つ作品を作り上げている。

 ただ、本作では前半の楽曲の完成度と比べると、後半の楽曲が正直言って弱いとは感じる。それも#3「僕クエスト」や#5「酔わせてモヒート」のような鋭い切れ味とネタたっぷりのシングルがあるから当然かもしれないけどね。オレには渡辺直美を口説く勇気はないが、トイレの鏡で残念な見て酔いが冷めたとしても、夢の片隅で描いた世界で金爆は、僕らを楽しませてくれるのだ。


 

ゴールデン・アワー ~下半期ベスト2010~ 【初回限定盤A】

ゴールデンアワー ~下半期ベスト2010~(2011)

 

 オリコン・ウィークリーチャート3位を記録した7曲入りアルバム。12ヶ月連続配信リリース楽曲の下半期分をまとめ、さらに自主制作盤『恋愛宗教論』の収録曲である「Reue」の新録Versionを収録している。もちろん、NETA OR MAJIのよくわからなさでバンギャを狂乱させる衝撃/笑撃の内容だ。

 ヘドバン推奨の疾走ロック・チューンの#1「イヤホン」に始まる、 ヴィジュアル系、90’s J-POP、歌謡曲、メタル等ごちゃまぜのワンダーランド。様々なオマージュを捧げながら、遊び心のある楽曲に仕立てられた曲達に思わずクスっと笑みがこみ上げる人も多いだろう。#3「男心と秋の空」では90年代J-POPのあの感触とFLOWのあの曲っぽい感じが混じり、完全にXのノリのパロディ・メタリック・チュー ン#6「君といつまでも」が白い夜を演出。ちょい昔のトランス臭する#5「腐男子」も彼等ならではの曲だろう。それをモダンに成立させる辺り、よく練られている用に思う。それに#7「Reue」ではエレクトロニカっぽい風味の味付けもされていて、ちょっとした驚きもある。

 そんな中で本作の 目玉は、スマッシュヒットを記録した#2「また君に番号を聞けなかった」だろう。軽快な曲調と歌謡ちっくなメロディに乗せて、大好きな君に携帯の番号を聞くことができないもどかしさをコミカルに歌っている。わかるぜ、その気持ち。赤外線受信どころか会話にすらいけない、それほど女々しいのがオレたちなんだと・・・。この曲を聴いても、もちろん明日に大好きなあの子に番号を聴くことなんて叶わない人たちが大半だと思うが、PVを含めて楽しませてくれる金爆はやっぱりおもしろい存在なのです。


 

ザ・ゴールデンベスト~Brassiere~

The Golden Best ~Brassiere~(2010)

 

 『ゴールデン・ベスト ~Pressure~』と同時発売のベスト盤である。ワンマン公演に挑む不安を自分自身で無理やり奮い立たせるヘヴィ疾走チューン「ワンマン不安」を皮切りに始まる、お馬鹿なエンタメ・ショー。あちらが”白”ならばこちらは”黒”というわけで、より下(ネタ)と過激な表現が目立つのが特徴で、一家団欒の時に迂闊に聴けないタイプの作品に仕上がっている(汗)。

 サウンドにしてもDIR EN GREYやガゼット以降のヴィジュアル系のスタンダートである、モダンヘヴィネスの要素が押し出された重厚な曲が多い。もちろん、90’sヴィジュアル系の耽美性とメロディアスさも培養した形でね。全体的にバランスの取れた『Pressure』と比べると、濃ゆいエキスと痛イ表現と妄想が本作に集結したようにも思える。例えるなら、「Pressure」がゴールデンタイムのバラエティだとすれば、この「Brassiere」は深夜帯のバラエティだろう。

 元彼への嫉妬心が殺意という感情にまで発展しかけている#3「元カレ殺ス」なんて、ホームラン級のバカである彼等以外には絶対に作れない楽曲だろう。#4「ドスケベ」や#6「恋人は教祖様」、#9「告っchao!」などの重く激しいサウンドの中でコミカルに仕立てた曲にしても、実にらしい。生まれた頃からドスケベ~♪の妄想オヴ・ザ・ワールド全開な歌詞は、男ってどうしようもねえことを証明している(笑)。本作は”下”も入ってることもあって、ネタの破壊力は『Pressure』以上かと。それに#8「かっこいいな英語って」みたいなエセ・メロスピ的なのも微笑ましい。

 ただ、本作には例のモノマネ・リスペクトこそない。けれども様々なところから拝借してクスっとなる部分を提供。その筆頭格が#10「亀パワー」で、ド○ゴンボールの音の引用しまくりに加え、「バカな、スカウ○ーが壊れた」という名言も飛び出しつつ、サウンド自体は強烈なヘヴィネスで押しまくる。だが、残念。クリリンや白塗りSASUKE野郎の樽美酒では、スカウ○ーを壊せない現実が・・・。そして続く「(TASHIRO)まさし!(TASHIRO)まさし!」と迸る感情のままに叫びまくる#11「まさし」でラッツ&スターのヒゲの人(桑マンじゃない)を狙い撃ち。ラストは、溜まりに溜まった性欲が最重量サウンドと共に爆発する#12「童貞が!」が元気玉クラスの衝撃を放つ。やたらと攻撃的なラスト3曲の破壊力とネタ度たるや、凄まじい。


ザ・ゴールデンベスト~Pressure~

The Golden Best ~Pressure~(2010)

 演奏しないという一点突破であらゆる壁を破壊し、お茶の間を賑せるエンターテイメント集団の2010年作。もはや説明不要の国宝級ヴィジュアル系歌謡曲#2「女々しくて」を収録している。一般家庭もおんがく☆ギョ~カイも様々に掻き乱す、全力バカ達の全力当て振りの全力エンターテイメントの笑劇。こちらも全力で楽しみましょう、笑いましょう。

 MALICE MIZER(&Gackt)、バッハをリスペクトするメイン・コンポーザーの鬼流院翔(Vo-karu)がお届けする、90’sヴィジュアル系やJ-POPへの愛に溢れたネタとパロディを交えた楽曲群を多数収録した本作は、入門編としては最適だろう。真面目ぶってたり、おふざけが過ぎたりと彼等らしさが濃すぎるぐらいに詰まっている。その中でも前述したように#2「女々しくて」だろう。カラオケで歌えばなんとかなる部門で第1位をひた走るこの曲は、一大ムーヴメントを巻き起こして紅白歌合戦への出演も果たしている(しかも2年連続)サビにおける魔法のようなキャッチーさは凄いし、ネガティヴ×ヘタレな自分みたいな男によく効く歌詞もまた絶品。そりゃあ、野々村元議員も泣くわ

 当然ながら、笑いと怒りのどちらかを買うネタも完備。#5「TSUNAMIのジョニー」、#6「ultra PHANTOM」、#7「Tomorrow Never World」と日本の3大バンド達をしっかりとモノマネつきでやってくれております。バカすぎる(笑)。これを聴いたら、茅ヶ崎の海岸で失笑が起こり、日本の競泳陣はズッコケ、ミスチル地蔵は地蔵のまま返事が無いだろう。でも、なんだかんだで良い曲に聴こえるのは、元ネタが日本国民に大きく支持されていることに起因していると思う。ファンの皆様におかれましては、金爆のおちゃらけも大目に見てやってください。

 叶わぬ恋心を歌った#8「もうバンドマンに恋なんてしない」というシリアスなバラードでバンギャの心情を揺らし、メロディアスな爽快J-ROCK#10「タイムマシンが欲しいよ」でドラえもんにおねだりし、貢いだお水の女のことをかつてのユーロビートに乗せて歌いあげる#11「トラウマキャバ嬢」といった後半戦の曲も充実。ここまで来ると、「あれ、『女々しくて』だけじゃないじゃんっ!」と騙されている人がいたり、いなかったりすると思う(笑)。そして、#12「春が来る前に」という名バラードで迎える最高に真面目ぶったラスト。大和竜門に『ホームラン級のバカだな』と言われそうな笑撃と衝撃が詰まったベスト盤である。演奏するという同じ土俵に立てなかったことで快進撃を続けたゴールデンボンバー、彼等もまた新しいエンターテイメントなのだ。


イミテイション・ゴールド~金爆の名曲二番搾り~

イミテイション・ゴールド〜金爆の名曲二番搾り(2009)

 

 これぞ究極のパロディ・アルバムである。とりあえず、下記にタイトルを列挙してみよう。

 1. ANOTHER MELODY(GACKT様)
 2. TSUNAMIのジョニー(サザンオールスターズ様)
 3. SAY NO(CHAGE&宮﨑重明様)
 4. ultra PHANTOM(B’z様)
 5. 万の夜をこえて(Aqua Times様)

 というわけで、やっちゃったよ(笑)。90年代~00年代前半を彩った名曲の数々を金爆が搾ってパロっちゃいました。J-POP大好きという想いが強すぎたのはあるけど、ここまで笑える内容に昇華できるのが単純に凄い。まずはキリショーが大リスペクトするGACKT様の名曲『ANOTHER WORLD』のパ・・・ってこれ曲違わねえ?と思いつつ、雰囲気も歌い方も完全にガックンやってます。MALICE MIZERも入ってんなあと感じつつ、歌詞も実にらしいもの。これ以降、金爆が快進撃を続けてGACKTと食事する仲になったってのは感慨深い。

 そして、桑田様のモノマネつきで再現する「TSUNAMIのジョニー」へ。普通に騙せるレベルに仕上げています。イントロはもう完全にそうだし、歌もやたらと似ている(笑)。茅ヶ崎の海がヴィジュアル系に荒されてますよとファンには怒られるだろうけど、聴いてると笑ってしまうわ。さらには、CHAGE&宮﨑重明様の「SAY NO」というパロディが続く。打ち込みや鍵盤のアレンジといい、こちらも似ていて特徴をつかんでるなあと感心。ドラマの主題歌にはできないけども・・・(苦笑)。

 まだまだ続く二番絞り、続いては不動のB’z。「ultra soul」+「LOVE PHANTOM」という組み合わせでイントロはモロにそうだけど、曲自体はあんまり似てない(ついでに歌い方も)と思ったら、楽曲の輪郭は「STAY GREEN」という曲の方を持ってきたらしい。ギターソロも含めて雰囲気は上手く再現できていて、笑って聴いてもらえる内容だろう。『Don’t Leave me BLOWIN’ Liar! Liar! Calling』を始めとして、B’zの曲名が随所に出てくる点もスパイスとして最高。「万の夜をこえて」はAqua Times様の曲だけど、こちらも忠実に再現。90年代J-POP黄金期だけでなく、なぜかこの辺りも抑えたのは戦略的なことなのかな。いやあ、お見事お見事。愛があるからこそここまでパロディにできる、本当に笑えるアルバムに仕上がっています。本家の人たちはどう思ってるか知らないですがね(汗)。

 ちなみにジャケット見てもわかる通りにこの時のDoramuは天空城 団吉である。樽美酒 研二@白塗り筋肉さんとは、白塗り仲間として共通。

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